中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2013年01月

エジプト情勢(black blockの逮捕等)

エジプトではスエズ運河地帯の外出禁止時間の縮減や出動した軍が極力介入を避けた等の状況もあり、治安も徐々に回復しつつある模様ですが、
治安との関係でニュースを2.
一つは例のblack block の件ですが、31日付のal arabiya net は検事総長が、そのメンバーの18名を逮捕したが、彼らは破壊活動に従事したことが明らかになったと発表したと報じています。
又検事総長は既にblack blockをテロ組織と認定していたが、その指導部を調査のため逮捕するように指示したと声明したとのことです。
捜査が進めば、この得体のしれない黒マスクのグループの正体も判って来るでしょう。
もう一つは昨日だったかタハリール広場の抗議の群衆が、ナイル川に架かる橋の閉鎖を解除して、交通を元に戻したと紹介しましたが、同じく31日付のal arabiyaの別の記事は、東カイロ検察官が、橋を閉鎖して公共の活動を阻害したとして25名を拘留し、2名を逮捕することを命じたと報じています。
これで取り敢えずは治安は最悪状態を脱して徐々に正常化して行くのでしょうか?
http://www.alarabiya.net/articles/2013/01/31/263567.html
http://www.alarabiya.net/articles/2013/01/31/263566.html

北アフリカ・サヘル地域でのテロとの戦い(アルジェリアの役割)

確かかなり前のことになりますが、マリの治安回復のためには域内諸国ではアルジェリアだけが意味のある軍事、治安能力を有していて、その参加がマリ情勢の正常化には不可欠と見られているとの報道をご紹介したことがあったと思います。
アルジェリアとしては自国に対するテロの影響を考慮してか、ECOWASの軍事介入には加担しないこととし、結局は仏軍が介入した訳ですが、その後アルジェリア自身へのテロ攻撃(In Amenas事件)もあり、結局はアルジェリアとしてもマリ等の地域で、何らかの役割を果たしていく必要を感じたようです。

一つは30日付のal qods al arabi net が政府系のアルジェリア通信を引いて報じrところでは、アルジェリアはマリに対して軍事、経済、人道援助をすることに決したとのことです。
これは過激派の攻撃にさらされ、人道的危機を抱えているマリに対する国際努力の一環とのことですが、その内訳や金額等については触れていません。
もう一つはIn amenasのテロを受けて(あの施設は英国のBPが運営している)訪問した英国のキャメロン首相が、記者会見で両国はテロ対策でパートナーとなることに合意したと発表したことです。
AFPによると合意の中身としては、国境の治安維持等に関する情報交換と北アフリカに対するテロの脅威に対する対処で、このためまず専門家からなる会合を開くとのことです(確かBBC放送は英首相にはMI6長官が同行していたと報じていたと思います)
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest\data\2013-01-30-11-56-50.htm
http://www.aljazeera.net/news/pages/9ff3615d-bcac-4562-bfb1-eb1b1b6b888a?GoogleStatID=9

シリア情勢(30日)

30日のシリア情勢につき何時もの通りとりまとめたところ次の通りです。
それにしても反政府派の内部対立は何時ものことながらperenialとでも呼ぶべきものがあります。

・30日シリアでは110名が死亡したが、大部分はダマスと近郊及びホムスであった。
29日の死者はアレッポで発見された遺体80を含めて197に達した。
http://www.aljazeera.net/news/pages/8f50cd99-d84e-4a94-93ec-ecb01c82a74e?GoogleStatID=1
・ダマスと近郊では、政府軍機の空爆、双方の激しい戦闘が続いた。
・他方イドリブでは自由シリア軍がアレッポ―ラタキア間高速道路沿いに地歩を拡大し、ハマデハ政府軍機を撃墜した。
http://www.aljazeera.net/news/pages/8f50cd99-d84e-4a94-93ec-ecb01c82a74e?GoogleStatID=1
・シリアの情報員と思われる武装者(複数)が、トルコ領内のantakiaの自宅から反政府活動家の弁護士を誘拐し、車に入れて国境まで来たところで、トルコ警察に阻止された。
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest\data\2013-01-30-15-02-58.htm
・反政府は連立議長は30日アサド政権の代表と交渉する用意があると声明した。
これに対して国民評議会は、この声明は連立の合意事項に反しており、連立の立場ではないと声明した。
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest\data\2013-01-30-10-54-17.htm
http://www.aljazeera.net/news/pages/ea759f55-a031-4685-ad57-de770928b3de?GoogleStatID=1
・クウェイトで開かれたシリア問題国際会議で、参加国はシリア国民に対する人道援助として15億ドルを拠出することを表明した。
このうち、サウディ、クウェイト、UAEが各億ドルずつ、米国が1億5500万ドル、ドイツが1億3500万ドル、NPOが1億3200万ドルの拠出である。
(国連の人道援助担当部局は資金が集まらなければ、対シリア人道援助を削減することになると警告していた)
http://www.aljazeera.net/news/pages/c285b73c-3ab7-468e-9c2e-b6990f0c0aae?GoogleStatID=1

エジプト情勢

エジプト情勢も少しずつ落ち着いてきたせいか?ムルシ―も独訪問ができ!、アラビア語メディアの報道も殆どありませんが、al arabiya net がいくつかエジプトの関するニュースを報じていますので、とりまとめておきます。
それにしてもサラフィー主義者が(昨日も書いた通り)柔軟と言うか現実的になっているのには驚きます(尤もこれはチュニジアとの対比もあるのですが)。一つにはムスリム同胞団に対抗する政治的な意味もあるのでしょうか?

・カイロの中心地ではタハリール広場と米大使館近くで、デモ隊と警官隊の衝突があり、2名が死亡し、1名が負傷した。
デモ隊は投石、火炎瓶を投げ、警官隊は催涙ガスを多用した。
デモ隊はタハリール広場につながる10月6日橋の封鎖を解除し、交通は再開され、混乱は収まりつつある。
・(先に大統領は非常事態の出ている運河沿いの知事に外出禁止令の廃止や緩和する権限を与えたが)これら3県の知事は、9時間の外出禁止令の時間をスエズで6時間に、イスマイリアで3時間、ポートサイドで4時間に緩和した。
・光の党(サラフィスト)と救国戦線は30日会合の後、暴力行為、公共及び私有財産に対する破壊活動に反対することに合意し、さらに検事総長の罷免及び救国政府の設立の必要性について合意したと発表した。
。訪独中のムルシ―大統領は、記者会見で、んエジプト政府は法治国家の確立を目指しており、大統領が権力を乱用することはない、と述べるとともに政府の交替については3〜4月以内に行われる選挙で選ばれた議会の決めることであるとした(これから見るとどうやら選挙はかなり遅れそうですね)
http://www.alarabiya.net/articles/2013/01/30/263504.html
http://www.alarabiya.net/articles/2013/01/30/263500.html
http://www.alarabiya.net/articles/2013/01/30/263480.html
http://www.alarabiya.net/articles/2013/01/30/263468.html

イスラエルの空爆(シリア)

どうも情報の勘が鈍って来たようで、昨日かそこらにレバノン上空をイスラエル機が侵犯したと言うニュースを見ましたが、イスラエル機の侵犯は毎度のことで、特に気にも留めずにいましたが、どうやらその時の侵犯とシリアに対する空爆とが関係があったように思えます。
尤も、何が爆撃されたのかについては、al myadeen net 及びイスラエル紙はシリア軍によれば、レバノン国境に近い軍事研究施設で、兵器を積んだ車列が攻撃されたとのニュースはシリア軍が否定しているというものですが、al arabiya net とal qods al arabi net はレバノンへ向かう車列が攻撃された(al qods al arabi は国境を越えたところで攻撃されたとしていますが、レバノン内の事件であれば報道管制も厳しくは行えないので、事実か否かは明らかにならざるを得ず、多分間違いでしょう)と報じています。

と言うことで現在のところ、イスラエル機の空爆は間違いなさそうですが、そもそも何が攻撃対象になったのかについては対立する報道があって、不明です(BBCやCNNnet もそのように報じている)。イスラエル軍は何時もの通りno comment です。
兵器を積んだ車列が攻撃されたとすれば、背景としては昨夜このブログでも書いたシリアの近代兵器がヒズボッラの手に落ちることを防ぐためのものとして説明できると思います。
ところが、これがjamraya軍事研究所の攻撃であるとすると、その研究所に一体何があったのかが問題となり、y net news はそこには化学兵器が貯蔵されていたとコメントしていますが、毒ガスを空爆することは、周辺への拡散問題等もあり、化学兵器がヒズボッラに移転しそうであるとの差し迫った状況でもない限り、ちょっと考えにくいところです(確か米筋によればそのような差し迫った兆候はない、とのことでした)
と言うことで、どうもこの空爆は昨夜お伝えした、イスラエルが懸念している近代兵器を積んだ車列であった可能性が高いように思われますが、イスラエルが関係してくることは、シリア問題をさらに複雑、国際化する危険性があり、今後が注目されます。
http://www.alarabiya.net/articles/2013/01/30/263466.html
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4339243,00.html
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest\data\2013-01-30-13-11-54.htm
http://almayadeen.net/ar/news/syria-s_c2yhnl_E,wPqFWAOMP1g/إسرائيل-تقصف-هدفا-بريف-دمشق
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