中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2013年02月

無法地帯のタハリール広場

カイロの中心のタハリール広場と言えば、エジプト革命の端緒から、革命運動の焦点として世界的に有名になりましたが、先日どこかのアラビア語メディアのネットに、最近はデモがあるたびに性犯罪等の起こる地域となったとの記事があったかと思います。
この点に関して、28日付のal aharam net はトップの記事で、タハリール広場は今やギャングの支配する地帯となってしまい、そこでは麻薬等薬物の密売、武器の販売その他記事にはできない売り買い(売春のことか?)hが公然と行われる、無法地帯になってしまったと報じています。
記事は、この広場は首相府、議会等にも隣接し、また市民生活に最も関係のあるムガンマアに面しているが、しょっちゅう閉鎖され、周辺の道路も閉鎖されるが、政府は手をこまねいているとコメントしています。

カイロに居ないので、この記事の正確さ(事実に反するとか、全く事実無根ではないが大げさすぎるとか)については判断する材料もありませんが、もしその通りであれば、現在のエジプトの無秩序、社会や公共生活の崩壊等の象徴のように思われます。
どなたか、カイロ在住の方のコメントでも頂ければ、と思います。
http://www.ahram.org.eg/News/744/25/133838/الأولى/التحـــرير-تحت-حصـــار-البلطجة---سلاح-ومخدرات-وأشيا.aspx

軍部の再登場?エジプト

最近のエジプト情勢に関する報告の中で、軍と大統領との確執に何度か触れたことがあったかと思いますが、どうやらその背景にムスリム同胞団と軍の確執、政治危機解決不能の現政権及び政治家に対する国民の不満と軍の再登場待望論があるようです。
これは28日付のal sharq al awsat が、「ムルシ―政権に抗議して、軍の再登場を要求する民衆の声が大きくなっている」と題する記事が報じるところで、この様な動きが極く一部の民衆の要求にとどまっているのか、相当程度の国民の声を代表するものか、日本の田舎からは判断しにくいところです。
しかし、議会選挙を前にしても、救国戦線の選挙ボイコット表明等、政権も反政府派も現在の政治危機からの出口を見つけられないでいる現状では、全く荒唐無稽の話と考える訳にも行かないと思いますので、記事の要点のみ次の通りご紹介します。
私の見ている限りでは、この記事のようにかなりまとまった形でこの問題を取り上げた記事は、これが初めてかもしれません。
エジプト在住の方などのコメント大歓迎です!!

昨日軍の再登場を要求する民衆の声が高まった。
ポートサイドでは数10人の群集が公証人役場に押し掛け、軍が行政事務を行うことを要求したが、これは市民不服従運動の一環であった。
その前、25日にはカイロ近郊のナスル市の無名戦士の墓の前で、軍に対する支持、ムスリム同胞団の軍に対する介入及び陰謀反対のデモがあり、翌日早朝まで続いた。デモでは、「軍よ、いずこ?」とか『民衆は軍を要求する」とかのプラカードが掲げられた。
同様のデモが3月1日にも同じ場所で計画されている。
民衆の軍に対する期待の表明は、ムルシ―が国防大臣を罷免するとの噂が流れた直後から高まった。
この問題については大統領が噂を否定し、軍に対する信頼を表明したが、その後もムスリム同胞団の幹部が、昨年ラマダンのシナイ半島の兵士16名の死亡は軍の責任であるとの声明を流し、これに対して26日の地元紙は、軍の忍耐にも限度があり、同胞団の横暴は許せれないとの、軍の責任者筋の話を流している。
この様な要求にもかかわらず、政治勢力は軍の復帰を革命を元に戻すものであるとして恐れている。
政治観測者の意見は2に分かれている。
アハラム戦略問題研究所の研究者は、軍は既に一度火傷をしており、もう一度政治の責任を担うことには消極的であると見ている。
他方APUによると、最近軍のムルシ―に対する我慢が限度に来ており、こそこそであったり、公然とであったりして、大統領に対する批判が口にされるようになり、軍によるクーデターは必要悪であるとの意見が出始めている由。
又、研究者の中には、軍は基本的に民衆の一部であり、状況がさらに悪化する場合、遅かれ早かれ、政治の舞台に出てこらざるを得ないと見る者もいる由。
http://www.aawsat.com//details.asp?section=4&article=719034&issueno=12511

シリア情勢(27日)

27日のシリア情勢について何時もの通りとりまとめたところ次の通りです。
在外シリア人の旅券等の有効期間延長に関する報道は、他に類似の報道はないものの、現実に在外シリア人の生活に大きな影響を与えるもので、もしかしたら政治的解決への一つのシグナルである可能性もあり、注目されます。

・27日政府軍の銃砲撃で92名が死亡した。大部分はダマスと近郊及びアレッポであった。
http://www.aljazeera.net/news/pages/75318bf6-635e-41fb-8c43-4d94d672299f?GoogleStatID=1
・27日はダマスと近郊、アレッポ、ホムス、ラッカ等で戦闘が続いたが、特に激しかったのはダマスと周辺で、政府軍は航空機、装甲車両等も動員して攻撃している。
政府軍は100日間包囲しているダリア攻略のため更に増援部隊を送り込んでいる。
ラッカでは攻撃ヘリが撃墜された。
アレッポでは依然2の飛行場の近辺で激しい戦闘が続いている。
アレッポではオマイヤ大モスクの壁が破壊された。
ホムスの包囲は262日間続いている。
ダラアでは政府軍機が爆撃をしている。
http://www.aljazeera.net/news/pages/75318bf6-635e-41fb-8c43-4d94d672299f?GoogleStatID=1
(ヨルダン領にシリアから砲弾が飛来したとの報道がありましたが)
・ヨルダン軍筋は、国境付近でヨルダン軍とシリア軍との衝突があったとの一部の報道を否定した。
同筋は国境付近で聞こえる銃声はシリア軍と自由シリア軍との交戦の音であると述べた由。
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest\data\2013-02-27-11-42-07.htm
・米国務長官はローマのシリア友人会議は、シリア問題の政治解決促進の方策を話し合うであろうと述べた。
米政府の公式立場にはいまのところ変化はないが、米国目ディアは米国が自由シリア愚に対して防衛的武器の供与を検討中であると伝えている。
http://www.aljazeera.net/news/pages/33527d76-38d7-4661-8b5d-96eb744d3961?GoogleStatID=1
・ヒズボッラーのナスラッラ書記長は27夜のマナールTVで、シリア反政府軍のレバノン農村への攻撃を非難し、彼らの一部はヒズボッラーに属しているが、彼らが積極的に戦闘に参加したのではなく、シリア側から攻撃されたと非難した。
書記長はまた、彼らの行為はレバノンを宗派衝突に追いやる可能性のある危険な行為だと警告した。
(昨日ナスラッラ―が癌でイランに移送されたと言うニュースを紹介しました・・・ヒズボッラーは否定・・しましたが、この放送がライブであれば、彼は健在ということになります)
http://www.alarabiya.net/articles/2013/02/27/268704.html
http://www.aljazeera.net/news/pages/6ee00421-58c0-4436-9b0e-cdac17ce2f9d?GoogleStatID=1
・シリア内務省は、海外在住のシリア人について、その理由が何であれ、シリア旅券等の身分証明書の有効期間を2年間延長した。
これは23日付の内務相の決定によるもので、旅券はこれまでの6年有効から10年有効とされ、その決定は在外のシリア機関に通知された(これだと4年間の延長となり、先に書いた2年との関係は不明ですが、報道のまま)
これは、反政府連立議長khatib 提案で、政府側との対話の条件として、16万人の釈放と在外シリア人の旅券の有効期間延長が求められていたものである。
國際社会から双方に対して政治解決の要求が強まっている
(khatib のつけた条件につ家は、これまで報道されていなかったと思われますが、確かに在外に住むシリア人にとり、旅券の有効期間は重要な問題で、特に反政府的な人物にとっては、ある意味死活的な重要性もあり、この報道は非常に注目されるべきものと思われます)
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest\data\2013-02-27-13-53-16.htm

ナスラッラの癌入院?

26日付y net news は、ヒズボッラーのナスラッラ書記長が、癌を患い、ベイルートの病院に入院した後、テヘランに航空機で移送されたと、トルコのアナトリア通信を引用して報じています。
記事はトルコ通信によれば、ナスラッラはベイルート南の個人病院から退院した後、テヘランに移送され、現座も入院中と言うことだが、ヒズボッラーはこのニュースを否定しているとしています。
この点に関し、27日付のal qods al arabi net は、ヒズボッラーが声明で、このようなニュースを否定し、書記長は元気で現在もレバノンに居り、どこにも行っていないとこの噂を全面的に否定したと報じています。

取り敢えずの状況は以上で、勿論真相は不明ですが、イスラエルにとって「最大のテロリスト」も、その健康状態が国際的関心事になるなど、有名人になったものです。
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4349897,00.html
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest\data\2013-02-27-05-55-27.htm

ヒズボッラのスカッドD保有

26日付のal qods al arabi net は、イスラエル国防省の安全・政治局長が26日のミサイル防衛に関する集会で、ヒズボッラがスカッドDを保有していると語ったと報じています。
記事によるとシリアは、いずれも北朝鮮の技術にともづくスカッドB、C,Dを保有しているが、そのうちスカッドDは、射程700kmでレバノンのどの場所からもイスラエルのどの場所も射程圏内にいれ、150kg以上の弾頭運搬能力を有し、また化学兵器、生物兵器運搬能力も有している由。
このスカッドは建物を直撃すれば、これを破壊する能力を有していて、そのヒズボッラによる保有は戦略バランスを大きく変えるものとのことです。
このスカッドDはシリアの有していたミサイルのうちで、最も誘導精度の高いもので、それをヒズボッラーが保有すると言うことは、ヒズボッラーは従来のようにイスラエルとの国境近く又はベイルートから発射しなければならないわけではなく、レバノンの何処からでもイスラエルを狙えることになったとのことです。
これは、将来の戦いでは、ヒズボッラーがレバノン全域で戦うことになることを意味する由(と言うことは将来のイスラエル対ヒズボッラーの衝突ではイスラエル全土とレバノン全土が攻撃対象になると言うことなのでしょうか!!)

この記事に対応するイスラエルメディアの記事を見つけなかったが、取り敢えず
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest\data\2013-02-26-15-41-28.htm
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