中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2013年03月

エジプトの経済危機

エジプトではガソリン等が極点に不足していると言う話をよく聴きますが、30日付al arabiya net は「エジプトは燃料及び必需品の支払いができない」と題して、エジプトの直面する経済的危機を報じています。
記事によればエジプトの危機は極めて深刻なように思えますが、記事の要点のみ次の通り。

・エジプトは燃料、小麦その他必需品の支払いができず、外交的に無償を要請するか、特別条件での延払いを要請する(この場合供給者は将来の見返りを期待することになる)ことを迫られている。
エジプト各地のガソリンステーションには長い列ができ、方々で喧嘩も起きており、国営会社は燃料及びガソリンの手当てに迫られている。
・エジプトはパン危機に続いて燃料危機に直面している。
専門家はエジプト政府は、小麦の収穫を前に、燃料の優先度を農民に与えなければなるまいと言う。尤も、今年は豊作が予測されていて、その面からの圧力は低くなったが、パン屋に対する燃料の手当ては絶対に必要である。
・エジプトはこれまでトルコ、リビア、イラクからの資金に頼ってきたが、特にカタールは気前がよく50億ドルを供与した。
それでもエジプトは石油およびガスの生産者に60〜80億ドルの借金があり、次の購入までには支払いの交渉をする必要があると言われている。
・1月以来エジプトは市場からは全く石油を購入しておらず、継続的に石油の入ってくるのはムバラク時代に長期契約をしたクウェイトからだけである。
また小麦も市場からは2月以降購入していない。
・リビアは4月以降付き90万バレルの供給を約し、イラクも契約ができれば月400万バレルを供給することになっている。
・エジプトの燃料問題をさらに深刻にしているのは、投資不足と政治危機の影響で、天然ガスの産出が減少していることで、エジプトはアルジェリアからのものに引き続き、アジア向け価格の3分の1の値段でカタールから購入することを交渉中である。
http://www.alarabiya.net/ar/aswaq/oil-and-gas/2013/03/30/رويترز-مصر-تطلب-منحا-لدفع-ثمن-واردات-الوقود-والسلع.html

検事総長問題(エジプト)

エジプトの控訴審が前検事長を罷免し、副検事総長を後任に任命したことを無効にする判決を下し、エジプト政局の焦点の一つになっていた問題について、al qods al arabi は現検事長が30日この判決について異議申し立てをすると表明したと報じています。
他方、al arabiya net の記事は、法律専門家は前検事長の復帰は不可避であると見ていると報じていますが、同ネットの別の記事は、大統領の法律顧問が現憲法では検事長は4年間の任期が保証されており、彼の解任は不可能であると語ったと報じています。

日本の田舎に住んでいる者にとっては如何にも判りにくい政治劇ですが、どうやらこの問題はまだ尾を引きそうです。
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest\data\2013-03-30-14-22-57.htm
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2013/03/30/مصر-عودة-النائب-العام-السابق-حتمية-بحسب-حيثيات-الحكم.html
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2013/03/30/مستشار-مرسي-القانوني-عودة-عبد-المجيد-كنائب-عام-مستحيلة.html

シリア情勢(30日)

30日のシリア情勢につき何時もの通りとりまとめたところ次の通りです。
自由シリア軍合同司令部(どの程度の「合同」のものかは不明だが)がシリアのムスリム同胞団を革命を遅らせていると非難したと報じられていることが注目されます。それにしても反政府派の分裂と言うか、内部対立には歯止めがないみたいです。

・30日政府軍の銃砲撃で84名が死亡した。その大部分はダマスと周辺、イドリブであった。
http://www.aljazeera.net/news/pages/572b5f64-0f69-4498-85d0-ad93c8ead9fb?GoogleStatID=1
・ダマスとその周辺では1週間前からの激しい戦闘が続いている。
ダマスでは自由シリア軍は憲兵隊基地を攻撃しているが、政府軍は首都各地及びその周辺に砲爆撃している。特にダリア、ゴータに対する砲撃が激しかった。
・アレッポでは、反政府軍が市の西部のal sheikh maqsoudを制圧した。
・イドリブでも各所で戦闘が続いている。
・ダラアでは防空第49大隊の周辺で激し戦闘が続いている。
・イスラエルとの休戦ラインから数kmのクネイトラでも激しい戦闘が続いている。
http://www.aljazeera.net/news/pages/572b5f64-0f69-4498-85d0-ad93c8ead9fb?GoogleStatID=1
・戦略的に重要なダラアでは、自由シリア軍がそこからダマスに進軍しないように、市の北部に厳重な防衛線を引き、空爆を多用して、自由シリア軍に対する攻撃を強めている。
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2013/03/30/الثوار-يتقدمون-في-درعا-والأسد-يلجأ-للجو-لمنع-تقدمهم.html・反政府連立のカイロ代表は、エジプト外務省に対して、スエズ運河を通行中のイラン船がシリア政府軍向けの武器弾薬を積んでシリアに向かっているとして、調査を要請した。
http://www.aljazeera.net/news/pages/f4c79d3c-743e-481a-a225-47097e36824f?GoogleStatID=9
・中東通信によれば、自由シリア軍合同司令部は、シリアムスリム同胞団に対する公開書簡により、同胞団が革命の当初から今に至るまで、SNCその後は連立を実質支配して、反政府派の人道活動、経済活動、軍事活動を支配しようとしているが、シリア革命は現実に血を流しているものが行っているのであって、シリアの民族的、宗教的現実は同胞団が支配することは許さないと表明した由。
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2013/03/31/قيادة-الجيش-الحر-تتهم-الإخوان-لمسلمين-بتعطيل-الثورة-.html
・アゼルバイジャンとジョージアがイラン政府の政府軍向け武器弾薬、ロシアからの紙幣等の輸送について、支援している。
従来イランからはトルコ経由で武器弾薬が送られていたが、トルコがロシア機の検査を始めて以来、ロシア機はイランからこれら両国を経由して、イラクを横切りシリアに向かっており、ロシアからは3月で30tの紙幣が輸送された。
トルコに近いアゼルバイジャンが、トルコ政府の意に反する支援を行っていることは意外であるが、同国としてもロシアの圧力には反せないと言うことであろう。
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2013/03/30/اذربيجان-و-جورجيا-تساعدان-النظام-السوري.html

エジプト情勢

エジプト情勢につきアラビア語メディアのネットからとりまとめたところ次の通りです。
断片的ですがとりあえず。
・29日カイロ及び多くの町で、ムルシ―大統領とムスリム同胞団に反対し、彼が罷免した検事総長の復活を要求する(裁判所も判決で罷免は無効としている)デモが行われた。
カイロではムスリム同胞団本部の前で、デモ参加者と同胞団支持者の間で、衝突があり、警官隊は催涙ガスでデモ隊を追い払った。
カイロでは検事総長事務所の前でもデモがあった。
アレキサンドリアでは警官隊とデモ隊が衝突し、デモ隊は火炎瓶を投げ、30名が負傷した。
28〜29日の夜には、内務大臣宅の前で、警官隊とデモ隊の衝突があって、多数が負傷した。
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest\data\2013-03-29-15-42-55.htm
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2013/03/29/تظاهرات-بالأسكندرية-تطالب-بانتخابات-رئاسية-مبكرة-.html

シリア情勢(29日)

29日のシリア情勢について何時もの通りとりまとめたところ次の通りです。
どうやらダラアからヨルダン国境へかけての状況が緊迫してきたようです。

・29日シリアでの死者は55名に達した。
ダマス周辺では政府軍の攻撃で37名が死亡した(上記の数字との関連は不明)
http://www.aljazeera.net/news/pages/7448b0c9-67a6-4b2c-9885-465d005029d0?GoogleStatID=1
・政府軍はアレッポにスカッドその他のロケットを打ち込んだ。
・ダマス周辺では政府軍機がダリヤ、ゴータ等を爆撃している。
又多くの町で激しい戦闘が続いている・
・自由シリア軍はダラアのalharrak とdailの町を完全制圧したと発表した。
http://www.aljazeera.net/news/pages/7448b0c9-67a6-4b2c-9885-465d005029d0?GoogleStatID=1
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest\data\2013-03-29-07-26-13.htm
・ヨルダン・シリア国境では、過去数日間、いや過去数時間で緊張が高まっていて、ヨルダン政府はシリアの情勢に巻き込まれることなく、他方国際社会や湾岸諸国等の怒りを買わない政策をとることに苦慮している。
ヨルダン首相はシリア問題には介入しないと再度確認した。
緊張が高まっているのは、自由シリア軍が国境検問所を占拠し、国境地帯を制圧して、政府の外部からの補給路を遮断しようとしているからである。
既に自由シリア軍の負傷兵数十名がヨルダン側で治療を受けている。
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest\data\2013-03-29-11-15-06.htm
・イランはカタールが反政府派の大使館解説に応じたことについて、シリアでの流血をさらに激化するものであると非難した。
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest\data\2013-03-29-12-29-57.htm
・反政府派の暫定首相hitoは、その内閣の国防大臣は自由シリア軍が選ぶことになると発言した
(これは自由シリア軍が彼の任命に反対していることを考慮してのものと思われるが、自由シリア軍ながこの誘いに乗ってくるか、さらに自由シリア軍の中の勢力争いも激しそうで、すんなりtまとまるか注目されます)
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest\data\2013-03-29-10-46-44.htm
・ロシア国連代表は、ロシアはシリア反政府派が国連の議席を得ようとするいかなる試みにも反対すると声明した。
(この問題が代表権の問題として扱われる場合には、総会マタ―となり、安保理での拒否権の問題は生じないが、現在のところ反政府の連立がシリアの正当政府として国際的に圧倒的な支持を得ている状況ではないと思う)
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest\data\2013-03-29-08-09-01.htm
・米国務省報道官は、米国はシリア問題について総ての選択を検討しているとして、飛行禁止地域の設定についても検討していると述べた
(この報道はal arabiya net だけで、従来の米国の政策からすれば、米国が飛行禁止地域設定に積極的とは考えにくい。同ネットが報道官のニュアンスを前向きのものとして解釈した可能性もあると思われる)
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2013/03/29/الولايات-المتحدة-تدرس-إمكانية-فرض-منطقة-حظر-جوي-بسوريا.html
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