中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2013年08月

シリア情勢(風刺漫画)

1CAACBU8Cシリア情勢に関する風刺漫画を一つ。
al arabiya net のものですが、泥水に浸かりつつある部屋の中で平然と椅子に座っている男の胸には「シリア政権」と書かれています。
希望的楽観論かと思いますが、取り敢えず
http://www.alarabiya.net/

ムスリム同胞団の新戦術(イスラエル紙の記事)

昨日30日の同胞団の呼びかけた抗議集会については朝方書きましたが、31日付のhaaretz net は同胞団は政権側の厳しい対応に応じて、戦術を変更したと報じています。
現地の事情をよく知らないために、信憑性について判断はできませんが、十分有りうることではないかと思っています。
取り敢えず記事の要点のみ
エジプトでは同胞団幹部の大量逮捕、政権側による更なる流血への恐れ党から大量動員力は大幅に削減されているが、指導部が地下から十分調整する力を有している。
確かに、30日の抗議デモは、カイロでは1万人、その他でも数百人単位が多い等、これまでの大量動員に比したら、参加者は大幅に減少している。
しかし、その背景の一部は、同胞団の戦術変更で、従来のように一か所に大規模な軍種を動員して、治安当局との衝突、逮捕や死傷者が出ることを避けて、むしろ多くの場所で集会を開き、同胞団及び民衆が抗議の意思を輸していることを示そうとしているようである。
また新しい戦術の一部として、欺瞞も使っており、30日はスフィンクス広場で集会があると予告しておいて、軍、治安当局が多数の兵士、装甲車等を配置し、広場を閉鎖したところ、その近くでは数百人がデモをしただけで、1万人が大統領官邸付近に集まった。
治安当局の弾圧で同胞団は大きな痛手を受けているが、過去80年間同胞団は地下活動を継続してきており、その方面での経験は豊富であり、社会の表面に躍り出て、政党を作ったのはエジプト革命後であることを忘れてはならない。
http://www.haaretz.com/news/middle-east/1.544519

チュニジアーリビア、アルジェリア国境の軍事地帯宣言

チュニジは、そのリビア、アルジェリアとの国境地帯を立ち入り禁止の軍事地帯と宣言しました。
この決定はマルズーキ大統領によりとられたもので、その目的は最近激しくなっている国家安全保障への脅威、密輸の増加武器の流入に対処するもので、期間は1年だが、さらに延長可能とのことです。
またマルズーキ大統領はアルジェリア大統領に特使を派遣して、この措置に関して説明したとのことです。

取り敢えずの記事の要点は以上ですが、チュニジアのアルジェリアとの国境に近い山岳地域では現在でもチュニジア軍のイスラム過激派に対する軍事作戦が展開中で、またリビア崩壊後のカダーフィノ武器がこれらマグレブ諸国に流入して治安上の脅威になっていた上に、テロリストの活動も活発になっていたので、チュニジアとしてもこのような「例外的措置(国防相の説明)」をとらざるを得なかったものと思われます。
http://www.alarabiya.net/ar/north-africa/tunisia/2013/08/30/تونس-تعلن-حدودها-مع-ليبيا-والجزائر-منطقة-عسكرية-عازلة.html

トリポリ爆破事件の容疑者(レバノン)

先週だったか、レバノン北部のトリポリで2の自動車爆弾の爆発で45名が死亡した事件がありましたが、レバノン司法当局は30日、その容疑者としてレバノン人3名(そのうち2名が宗教関係者)とシリア人2名(うち1名はシリア軍の大尉)を指名しました。
そのうち、これまで逮捕されているahmad gharib師とmutafah horiはテロを行う目的で犯罪細胞をを形成したこと、hashim munqarah は犯罪事実を隠ぺいした容疑とのことでスが、彼らはトリポリ周辺のタフフィード集団(スンニ派)から分離した「イスラム・タウヒード運動指導評議会」に属するが、この2のグループは親アサド派のスンニ派集団として知られ、トリポリ住民によれば彼らはヒズボッラーから武器、資金の提供を受けている由。
なお、シリア軍の大尉が現在シリア軍に勤務中か否かは不明で、その所在も不明の由。

これまでも、このトリポリの爆弾事件は、ベイルート南部のヒズボッラー拠点地域での爆破事件(確か27名死亡だったか?)に対する報復と見られていましたが、この報道が事実であれば、矢張りヒズボッラーおよびアサド政権が関与していたもののように思われます。
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2013/08/30/ضابط-سوري-ضمن-5-متهمين-بتفجير-مسجدي-طرابلس.html
http://www.alquds.co.uk/?p=79497

エジプト情勢(30日)

エジプトでは30日、カイロ周辺及び複数の地方都市で金曜礼拝後、ムスリム同胞団の呼び掛けた抗議デモが行われ、治安部隊及び一部住民(al jazeera によればならず者も含む)との衝突で多くの死傷者が出た模様です。
死傷者数については報道で違いがありますが、al arabiya net によれば、死者6名、負傷者1960名とのことですが、al ajzeera net は死者3名、負傷者数十名とほうじています。
また多数の同胞団関係者が逮捕されたとのことです。
カイロ周辺では、ナセルシティのムハンディシーン党から大統領官邸に向かおうとしていたデモ隊に対して、夜間外出禁止令違反として治安部隊が介入した由。
その他ポートサイド、ザガジグ、アレキサンドリア等でも、治安部隊、住民とデモ隊との間で衝突があった由。

取り敢えずの要点は以上ですが、同胞団幹部の大量逮捕及びデモ隊に対する厳しい取締にも拘らず、同胞団としては未だにエジプト全土で、相当のデモを動員する能力を能力を保持している模様です。
同胞団はこれまで、基本的には大衆動員によるデモで、ムルシー大統領の復帰を前提とした帰結を目指しているものの、政権の厳しい対応、カイロ等の民衆の政権支持等で、デモを行うたびにその動員数が漸減している印象があり、これまでの方法で局面を打開することはできそうにもないことは明らかです。
他方政権側としては、厳しい対応を続けていけば、同胞団の組織も壊滅し、一般民衆の支持も減少していき、クーデター当時の工程表に基づいた政局の正常化ができると計算しているものと思われますが、同胞団御影響力も衰えたりとはいえ、まだまだ動員力を残しており、近い将来計算通りの解決ができるようにも思われません。
ということで、どうやら当面エジプト情勢は手詰まりの状況が続いている感じがしますが、現地の状況は果たしてどうなのでしょうか?
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2013/08/30/الأهالي-يفضون-عدة-مسيرات-للإخوان-بمحافظات-مصرية.html
http://www.aljazeera.net/news/pages/f33c37c0-d1be-43fd-aae0-5fd33e76734b
http://www.alquds.co.uk/?p=79458
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