中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2013年10月

シリア情勢(米・ロシアのやり方   風刺漫画)

370[1]先ほどエジプトで対米不信感が強まっているという記事を紹介しましたが、こちらの方はシリア情勢です。
画面が小さくて見にくいですが、左側の男(人形)には反対派と書いてあり、その後ろの手には米国とあります。右手の男には政権と書いてあり、その下の手にはロシアと書いてあります。
ロシアの手が政権を下から支え、政権は満足した様子であるのに、反対派の方は後ろの米国の手は今にも彼をはじき飛ばしそうに見え、男の顔も浮かない顔をしています。
まあ、al jazeera net と言うカタール系のメディアですから、米国のやり方に大きな不満を持っているのでしょうね。特にロシアと比較するとね。
http://www.aljazeera.net/caricature/pages/6422ab3d-0f2d-4d20-bc90-105cd30addc8

シリアのミサイル基地の攻撃(イスラエル?)

イスラエルの3メディアのネットは、いずれも31日午前ラタキア近くのシリア軍防空基地で大きな爆発があったが、地中海より来たミサイル又はイスラエル航空機によるもので、人員の被害は不明だが、基地は大きく、又は殆ど波形されたと報じています。
イスラエル国防軍は、この事件についてコメントしていないが、レバノンメディアはイスラエル機による攻撃であるとして、同日南部レバノン上空で6機のイスラエル機が目撃されたと報じている由。
haaretz net は同基地は7月にもイスラエル機がソ連製のミサイルを攻撃したが、全部を破壊するに至っておらず、イスラエルが再度攻撃する理由は十分にあるとの米筋のコメントを伝えています。
これらのもともとの情報がアラブメディアと言うにもかかわらず、何時も読んでいる3メディアには員のところそれらしき記事は見当たりませんが、取り敢えず
http://www.jpost.com/Middle-East/Reports-Syrian-air-base-destroyed-in-missile-attack-from-sea-330232
http://www.haaretz.com/news/middle-east/1.555428
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4447842,00.html

冷戦の再来?(ロシア軍事情報局長のエジプト訪問)

エジプトの米国に対する不満(反発)とそれにつけ込むロシアの動き(プーチンの訪問の可能性)は先にご報告したかと思いますが、30日付のal arabiya net は現在ロシアの軍情報局長(ソ連時代のGRUの後身。GRUは日本へのスパイ・ゾルゲで有名であった)が数日間の予定で、現在エジプトを訪問中で、この訪問がエジプトの対米不満と関連して大きな関心を呼んでいると報じています。
記事によると軍情報局長fikslav  kondrasko は軍事、治安代表団を率いてカイロを訪問中で、その間エジプト軍幹部と意見、情報交換するが、会談する相手にはシーシ国防相も含まれている由。
記事はさらに、現在エジプトでjは米国のムスリム同胞団支持(これは如何にもエジプト側の都合の良い米国非難でしかないが)7月革命(クーデターのこと)の不支持及び軍事援助の凍結に対する不満が高まっており、エジプト側とは軍の訓練、装備の面での両国間関係の強化を話すことになっているとしています。
また、記事は軍事専門家の意見では、この訪問はエジプトの要請によるもので、米国の援助凍結で穴があくエジプト軍装備更新に関するロシア製兵器による穴埋めの可能性を探るとともに、プーチン訪問の下馴らしの意味があるとしています。それによるとエジプトとしては、ロシアに接近することで、これまでのように米国一辺倒であった国際的立場のバランスを取り、ロシア製生兵器の装備の可能性を探ることにしている由。
又別の専門家は、この訪問は最近多くの親善ミッションがロシアを訪問したことに応えるもので、米国に対してエジプトにはロシアカードもあることを示す狙いがある由。
又ロシア情報国長のエジプト軍幹部との会談では、歴史的なロシア(ソ連)ーエジプト関係を踏まえて、軍事的同盟関係が確認されるが、これはエジプトとしては常にロシアと言う代替先を有していることを示すことになるとしている由。
又ロシアの方でも、シリア内戦でアラブ世界におけるその地位が危なくなっている時で、エジプトとの関係強化に乗り気だとしています
他方、米国でもエジプトとの関係に関する危惧が生じており、議会では多くの議員が武器援助凍結について疑念を表明したほか、オバマもケリー長官を派遣したとしています。

記事の要点は以上ですが、超大国の一方に対するカードとして別の超大国との接近をにおわす手法は、冷戦時代にエジプトが得意としていたもので、どうも最近のエジプトの動きは冷戦の再来を思わせるものがあります。
尤もこの記事を書いたal arabiya net はサウディ系のマスメディアで、最近サウディが米国に対する不満を表明しだしていることを考えると、記事自体がそのようなキャンペーンの一環の可能性もありそうです。
いずれにせよ、中東では(先日トルコの中東戦略の破綻という個人的な記事で書いた通り)種々の新しい動きが生じており、その中で米ロの角逐などと言う話になると、中東の情勢がさらに大きく揺さぶられる可能性もあり、要注意だと思います。
何しろ、別の記事によると米誌が、これまで世界で最強の男と言えば必ず米大統領を上げていたのが、最新版では、最強の男はプーチンで、オバマは第2位に滑った(第3位は周金平)と報じていましたが、確かにオバマの下で中東における米国の地位は相当揺らいでいる感じがします。
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2013/10/30/زيارة-مدير-المخابرات-الروسية-لمصر-تربك-الحسابات-الأميركية-.html
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2013/10/30/فوربس-بوتين-الرجل-الأقوى-في-العالم-وأوباما-الثاني.html

シリア情勢(30日)

30日のシリア情勢に関しとりまとめたところ次の通りです。

・自由シリア軍はダマス郊外の西ゴータ及びハマ郊外で多くの政府軍拠点を攻撃した。
・ゴータでは自由シリア軍は第7師団の137連隊の拠点複数を占拠し、多くの大砲、ミサイルを破壊した。
又、ダマス―ダラア道路に集結していた政府軍及びシャビーハに大きな損害を与えた。
・ハマではその北部の検問所に対する攻撃で、政府軍に大きな損害が出た。
・その他、ホムス、アレッポ、dir al zur でも戦闘が続いている。
・マアダミヤからの住民の避難に際し、政府軍は250〜300名の男性を婦女子から分離し、空軍情報部に連行sた。国際赤十字、赤新月社は政府軍に休戦の条件を守り、住民を保護するように要求した。
http://www.alquds.co.uk/?p=98373
・反政府連立は政府軍がヤブロードの教会を砲撃で破壊したと非難するとともに、最近「イスラム国家」が多くの宗教施設を破壊していることと合わせて、政府軍と「イスラム国家」は人民の声明を無視し、相手の宗教を敵視することで、全くく同じ精神構造を有しているとの声明を発した。
(おそらく、最近「イスラム国家」等の過激な行為に対する非難が強まっている中で、彼らの行為は政府軍のやっていることと同じとして、反政府連立として距離を置くとともに、反政府具のテロと言う非難をかわす狙いがあると見られる)
http://www.alquds.co.uk/?p=98280
・ブラヒミ特使は30日アサド大統領と会談した。
アサドはテロリストに対する支援を中止する必要があると強調した
(アサドがテロリストと言う場合、ヌスラ戦線や「イスラム国家」等アルカイダ系の組織のみならず、総ての反政府組織を意味している)
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2013/10/30/الإبراهيمي-ينفي-تصريحه-عن-دور-الأسد-بالمرحلة-الانتقالية.html

エジプト情勢(大学での抗議活動)

エジプトでの各地の大学ではその後も抗議活動が続いていて、その中でもイスラム学の中心的存在のアズハル大学での講義が注目されていましたが、30日同大学学長の要請に基づき、警官隊が校内に入り、催涙ガス等を使用して学生のデモを鎮圧したとのことです。
衝突で多数の学生が負傷し、又多数の逮捕者が出たとのことです。
同大学学長は、一部学生の暴力、破壊活動を非難し、大学としては困難にもかかわらず、教育を続けると記者会見した由。
内務省も大学内であれ、外であれ秩序を守るために必要な措置を取ると声明した由。
その他の大学では、アインシャムス大学医学部、ザガジグ大学、ヘルワン大学、アレキサンドリア大学、ベニスエフ大学等でも抗議活動が行われた由。
他方エジプト副首相が30日ムスリム同胞団が休戦に応じていないとして同胞団を非難した由(エジプト政府が休戦を呼び掛けていたという話は知りませんでしたが、一方で同胞団幹部を裁判にかける準備を進め、同胞団を非合法化し、特段の見返りも無しに休戦を呼び掛けることは、降伏しろと言うことと同じことではないかと思いますが、エジプト人の感覚は判りません)
http://www.aljazeera.net/news/pages/fb771ecb-89d3-45be-993a-73259504cc1e
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2013/10/30/طلاب-بالأزهر-يحتجزون-رئيس-الجامعة-بعد-اقتحام-المبنى.html
http://www.alquds.co.uk/?p=98373
取り敢えずの報道は以上ですが、印象としてこれまで多くの都市での一般民衆の抗議デモを中心にしてきた同胞団及びその支持者の活動の中心が、学期再開とともに大学に移ってきた感じがしますが、どうやら全国ていな学生の抗議活動のようですから、警官隊の介入はあっても暫くは、このような動きが続くのでしょうか?
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