中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2013年11月

エジプトの憲法改正

エジプトでは50人委員会が審議していた憲法改正案(ムルシ―政権時に国民投票にかけられた憲法の修正案。ムルシ―の時の憲法の中の改正手続きにのっとっているとも思われないので、改正案と言うのは不正確ではないかと思われるが、ややこしいので、取り敢えずそう呼称しておきます)の最終案がいよいよ30日から採択に入り、12月3日までには審議を了する予定とのことです。
この最終案について、前文のシャリーア(イスラム法)と国家との関係について、イスラムグル―プとその政党たる建設発展党は、エジプトを世俗国家にするものとして、反対を表明しているが、50人委員会にも委員を送り込んでいるサラフィストの光の党は立場を明らかにしていないとのことです。
それはともかく、憲法修正案の全貌も知らない(仮に知ったとしても膨大な条文らしいので、素人が単独でこれを読んでコメントするのは難しいと思う)ので、特段のコメントはできませんが、al jazeera net の報じる次の一点だけでも、今回の修正が正しく軍事クーデターの正当付けと軍部主導の者である性格を物語っていると思います。
それは国防大臣の任命に関しての条項ですが、これまでその任命にのみ軍事最高評議会の同意が必要であったものが、最後の段階で修正されて、罷免にも最高評議会の同意が必要とされたとのことです。
これでは正しく、戦前の日本が軍事大臣(陸海軍大臣)現役制の復活で、軍部が内閣の死命に握ったよりも、より直接的に軍部が国防大臣の任命、罷免を通じて、政府の支配権を有していることを明記したようなものだと思います。
国民投票でどの程度の支持を得られるか見ものですが、クーデター後のシーシ国防大臣の人気に鑑みれば、余りインチキなことをしなくとも承認されそうな気がしています。
やれやれ
取り敢えず
http://www.aljazeera.net/news/pages/66cc46d5-497a-4fcc-826e-09cb176fa297
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2013/11/29/استمرار-أزمة-تفسير-مبادئ-الشريعة-بالدستور-المصري.html

チュニジアのモスクの過激派支配

チュニジアではベンアリを倒した革命後、多くのモスクが過激派サラフィストに支配された問題となっていましたが、29日北部の海岸の街ビゼルタで、政府がサラフィストの導師を解任し、別の導師を任命したことに抗議したサラフィストがモスクに乱入し、乱闘を演じ、モスクが閉鎖される事件が起きました。
報道によると、全国5000あるモスクのほとんどが革命後サラフィストの導師で占められていたが、現在でも50のモスクがサラフィストの支配下にあり、サラフィストはこれらのモスクで、ワッハービ主義の過激な説教を繰り返し、集会に集まる青年たちにシリアに「聖戦」のために赴くように扇動している由。
因みにチュニジアのモスクは(他でも同じかもしれないが)、ベンアリ時代には政府の支配下にあり、総てのモスクに政府の情報網(スパイ)があったことで有名でした。
http://podcast.alarabiya.net/
http://www.alquds.co.uk/?p=108709

シリア情勢(29日)

29日のシリア情勢に関しとりまとめたところ次の通りです。

・戦闘は相変わらずal qalmoun 山地が焦点で、qarraに次いでdir atyahを制圧した政府軍は、隣接するal nabak およびyalmoukに砲火を集中している。
・又ゴータ及びダリヤにも砲火を集中している。
・ダマスではal qaboun地区及びbarza地区で砲撃及び地上戦が続いている。
ダマス郊外の戦闘でヒズボッラー兵士17名、イラク民兵11名が戦死した。
・その他アレッポ、dir al zur 等でも戦闘が続いている。
・政府軍はqalmoun のdir atyahで大量の現地処刑をしたが、「イスラム国家」は穏健イスラム主義グループとされるghrbah sham軍団のメンバー7名を裁判なしで処刑した(彼らのビデオが出回っている由)
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2013/11/29/-داعش-ينفذ-حكم-إعدام-بحق-7-مقاتلين-من-غرباء-الشام-.html
・駐トルコイラン大使は、トルコとイランの情報面での協力関係に触れるとともに、イランとしてはトルコとシリアの間の調停に当たる用意があると語った
(最近トルコ外相がテヘランを訪問したことは報告しましたが、トルコ外交の八方ふさがりに対して、核合意後のイランの積極的な中東外交が目立ちます。確か領土問題を抱えているUAE外相ともロウハニ大統領だったかが会談したかと思います)
http://www.alquds.co.uk/?p=108723
・軍事専門家は、ヒズボッラーが、レバノン―シリア国境で反政府運占領地をドローンで偵察数可能性があると見ている。これらのドローンの大部分はイラン製であるが、ヒズボッラーが200機のドローンを有しているとの報道は誇張の由。
http://www.alquds.co.uk/?p=108723

エジプト情勢(29日)

29日の金曜日にはカイロとアレキサンドリアその他で、ムルシ―支持派によるデモがありましたが、何時も読んでいる3のアラビア語メディアの中で、政権支持者のal arabia net 以外の2のネットの報道はほぼ同じで、いずれもデモが左派党の所謂革命青年党のデモ規制条例反対派を含んで、全国規模で行われたことを伝えています。
同胞団支持者に革命青年たちが合流することになると、エジプト情勢は未だ未だ混乱しそうな予感がしますが、これもデモ規制に対する反対だけかも判らず、エジプト情勢は当面流動的ではないでしょうか?

al arabia net はギザのピラミッド近くの警察署に放火し、書類等を焼いたと報じています(この事件について他の2は報じていない)

al qods al arabi net は、カイロの南部では政権支持派がデモをしたが、ムルシ―支持派のデモが大統領関係とかその他官庁に近づこうとするのを警官隊が阻止して、催涙類ガス発射したと報じています。
又、ムルシ―支持の、デモ規制条例反対のデモはアレキサンドリアその他の年でも行われたと報じています。
又抗議デモにはムルシ―支持者の他でも条例反対の左翼や人権主義者が合流しているとも伝えています。
警官隊との衝突はカイロ、アレキサンドリアの他、メノ―ビア、シャルキヤ、ドゥミヤッタ、スエズ、アシュート等でもあったとのことです。

al jazeera net はカイロ及びアエレキサンドリアその他各地で、強制排除記念、デモ規制条例反対、女性の逮捕者等等に対する抗議のため、行われ、デモ条例には国際的な非難が起きていると伝えています。
カイロやギザ更にアレキサンドリアでは警官隊がデモ隊排除のため催涙ガスを使用した由、
更に、ベニスエフ、メノービア、シャルキヤ、ドゥミヤッタ、ダミヤッタ、スエズ、アシュート、ケナ、北シナイでも抗議デモがあり警官隊が排除した由。
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2013/11/29/عناصر-الإخوان-يضرمون-النار-في-مركز-شرطة-بالطلبية.html
http://www.aljazeera.net/news/pages/7d19e74c-5993-48eb-8881-b30342616c1d
http://www.alquds.co.uk/?p=108497

イラク情勢(テロ)

イラクのテロについては昨日28〜29日早朝にかけて多数が殺され、中には誘拐されて殺された者もあり、テロが特定の対象に向けれると言うより由深刻かつ悪質な様相を呈してきたように思われると書きましたが、29日には又51名が殺され、そのうち半数は処刑スタイル(要するに誘拐後の殺害)であったと報じています。
29日遺体が見つかったのは、昨日お伝えした18名の他、チクリト県で建設現場から誘拐されていた労働者7名(いずれも30歳未満とのこと)が殺害されて発見され、東バグダッドでは3名の婦人とおぼし聞いたいが拷問の跡とともに発見された由。
その他バグダッド各地で10件のテロがあった他各地で爆発物で死者が出たとのことです。
http://www.aljazeera.net/news/pages/fcf61afb-f8ab-4d34-86bf-535555241b52
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