中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2014年01月

サウディのエジプト支援

al qods al arabi net は、2月4日にエジプト首相がサウディを訪問する予定で、その際新しいサウディのエジプト支援について合意(発表)するだろうと報じています。
記事によると、支援額は約40億ドルで、うち10億ドルがエジプト中銀への預託金、同じく10億ドルが石油による支援で、残りがエジプト市場に対する投資になる由。
エジプト政府報道官は、首相の訪問は経済問題と種々のプロジェクトに焦点を集めることになろうと語った。
又サウディ政府は、最近の閣議後すべ他のサウディ大使はその国のエジプト大使の支援要請に応えるようにと訓令した趣。

記事の要点は以上ですが、確か先にサウディはUAEなどとともに120億ドル(借款、無償、石油)の支援を供与しているはずでそれに加えて更にこの額の支援です(確かエジプトがムルシ―大統領の下でIMFと交渉していた借款が48億ドルでしたから、サウディの支援が如何に潤沢なものかが判ります)。
サウディにとっても物入りですが、これだけ経済的に支援する効果は上がっているのでしょうか?
http://www.alquds.co.uk/?p=128596

シリア情勢(30日)

本日も時間が無いので一言だけ。
ジュネーブ会議2は本日が最終日のはずですが、ブラヒミ特使は双方の代表団の立場に接近はなかったと語った由。
なお、30日政府代表団は「テロとの戦い」と題する宣言案を持ち出したが、反政府派が拒否した由。
なお、ロシアが反政府連立をモスクワに招待し、連立もこれに応じてロシアを訪問する由にて、ロシアがどのような働きかけをするのか注目されます。

もう一つの動きとしては、シリア政府が廃棄すべき化学兵器の5%しか、引き渡していないとのことで、関係者の間に懸念が高まっているとのことですが、國際社会の圧力で、協力姿勢を見せる事を重要視したシリア政府も、最近の潮目の変化を見てとって、何時ものしぶとい消極的協力に方向転換したのでしょうか?

現地情勢では、相変わらず政府軍機がアレッポとダマス周辺で、ドラム缶爆弾等を投下して、多数の死傷者が出ています。
特にダマス周辺では29日、攻撃ヘリが13発の缶爆弾を投下したが、30日も4発の缶爆弾をダリヤ等に投下した由。
地上戦も、アレッポと周辺、ダマスと周辺で続いているが、その他ではダラア、ホムス、ハマ、ラタキア等でも衝突が続いている由。
http://www.aljazeera.net/news/pages/ffb82065-1a4a-4240-a1de-d28749d38e5f
http://www.aljazeera.net/news/pages/863271aa-6c5d-4443-8d7e-50699e360293
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2014/01/30/جنيف-2-ينتهي-غداً-بجولته-الأولى-دون-تقدم-ملموس-.html
アレッポでは反政府軍と「イスラム国家」との間で激しい戦闘が続いている。
ダマスのパレスチナ人のヤルム―ク・キャンプ(政府軍に包囲され餓死者が出ていた)に人道援助が搬入され始め、病人の移送が始まる予定。
http://www.alquds.co.uk/?p=128586
人権団体human rights watch は政府軍がダマス及びホムスで民家数千を破壊したと非難した。
http://www.alquds.co.uk/?p=128633

チュニジア情勢

チュニジアではようやく新政府が成立して、大統領に対する宣誓を済ませましたが、宣誓が済むか済まないうちに、既に大臣の辞任騒動です。
al qods al arabi net によれば、問題の大臣は観光大臣のaamal karboulで、チュニジアの複数の新聞が彼女は2006根にイスラエルを訪問しており、又イスラエルとの関係樹立を主張したと報じていて、複数の議員が彼女の辞任を求めているとのことです。
このため、彼女は辞表を提出するとともに、その取り扱いは首相にゆだねたとのことです。
又首相も彼女と会談し、その後「彼女がイスラエルを訪問したのは事実であるが、それは国連の呼びかけで、パレスチナ青年達のための活動で、彼女はスラエルには1日しか滞在しなかった」として彼女を擁護したとのことです。
http://www.alquds.co.uk/?p=128531
チュニジアはベンアリ時代、一時イスラエルの通商代表部を認めていたこともあり、中東和平の進展と合わせてイスラエルとの関係を正常化して行きたいとの考えもありましたが、イスラム主義が台頭している現在イスラエルとの関係は大きなタブーの一つとなっていると思われます
下手をすると彼女に対するansar al sharia 等の脅迫が始める可能性もあるかと思われる。
当面、あれだけ苦労してまとめた内閣だけに、彼女の辞任を認める方向には行かないと思われるも、取り敢えず

エジプト情勢(大統領選挙)

エジプトでは本日中にも大統領府が、大統領選挙に関する選挙法の改正案について発表し、各界からのコメントを求めて(期限は2月9日の由)、必要な訂正等をしたうえで、大統領から正式に発表されることになるとのことです。
http://www.aljazeera.net/news/pages/4ea589d6-e707-45fb-8cb2-87215b7da148
いよいよ、大統領選に入って行くのでしょうが、不思議な報道も見られます。
al qods al arabi net は、ムスリム同胞団の幹部が前軍参謀長のsami ananが同胞団に接触してきて、同胞団の非合法化を撤回する代わりに彼の大統領出馬を支持すると持ちかけたと語ったと報じています。
同胞団側はこれを拒否したとのことです。
彼に近い筋では、彼は数日中に出馬の意向を表明するだろうとしている由。
軍関係からはシーシの出馬と選出がほぼ確実視されている現在、このような動きが出てくることは、ちょっと想像できない所で、おそらくは同胞団筋か何かの情報戦かとも思われますが、勿論真偽のほどは不明です。
http://www.alquds.co.uk/?p=128321
もう一つは、「大衆潮流」の報道官が、同組織では依然としてsabahi が最適の大統領候補と考えているが(確か彼自身シーシが出馬する場合には出馬取りやめると発言したと報じられたこともあったように思われるが・・・)、彼自身はまだ決定していないと発言した由
また、同組織では、軍がシーシの出馬を承認したことについて、これは軍の政治介入であると反発している由。
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2014/01/29/-التيار-الشعبي-حمدين-صباحي-الأنسب-لرئاسة-مصر.html
この様な選挙に向けた動きとは別に、カイロ、ギザ、その他のエジプトの件で、クーデターに反対するデモが28日の夜行われたとのことです。
取り敢えず
http://www.aljazeera.net/news/pages/454fbdc7-7a30-48ef-a317-920854ceb4d1

シリア情勢(29日)

29日のシリア情勢につきとりまとめたところ次の通りです。
ジュネーブ会議については、それと並行してスイスの首都ベルンで秘密会議がもたれていると言う報道がありますが、勿論真偽のほどは不明です。
現地情勢については、相変わらず政府軍がドラム缶爆弾で殺傷していますが、トルコ軍が初めて「イスラム国家」と交戦したとのことで、その影響が注目されます。

・ブラヒミ特使は、政権側と反政府側との交渉から目覚ましい成果があるとは期待していないと語った。
・ジュネーブの会議とは別に、スイス政府のホストにより、米ロイランも参加して、ベルンで双方の秘密会談が行われている。
シリア反政府の暫定首相は、会談が行われていることを認めたが、反政府代表団からはだれも出席していないといて、反政府連立等は、イランが参加した交渉で何かが合意されても認めることはないと語った。
(折からダボス経済会議にはイランからも出席していたこともあり、米ロとイランが出席しての秘密会談と言うのは、何処となく尤もらしいが、そもそも反政府側と言うのが誰で、また他の出席者がどういう種類の人物かも不明で、その真偽のほどは全く不明です。誰が流した情報でしょうかね?)
http://www.aljazeera.net/news/pages/a5798f4e-c2c8-4cdd-b3e7-509b4edccb11
・29日シリア軍機はアレッポ及び周辺へのドラム缶爆撃を続け、少なくとも60名が死亡した。
又地上でもアレッポ周辺で自由シリア軍と政府軍が激しく戦っている。
・ダマス周辺でも政府軍機はダリヤを爆撃した。
又政府軍はダマスのal qadm地域を重砲で砲撃している。
・ホムスやハマでも激しい戦闘が続いている。
・「イスラム国家」と他の反政府軍との衝突も続いており、その戦闘での死者は1600名を超えた。
反政府軍は「イスラム国家」が他の戦闘員、ジャーナリストを殺害、誘拐、逮捕していると非難している。
http://www.aljazeera.net/news/pages/957a833d-545d-4be9-8fba-b1d0e98b0a41
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2014/01/29/قوات-النظام-تمطر-حي-القدم-الدمشقي-بقذائف-صاروخية.html
・トルコ軍参謀本部は29日、トルコ軍が国境地帯で「イスラム国家」の車列に射撃を加えたと発表した。
これは先方からの発砲にこたえたもので、車列のトラック等を破壊したが、トルコ側に人的被害はなかった由。
これはトルコ軍がイスラム国家と交戦した初めてのケースである。
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2014/01/30/الجيش-التركي-يعلن-عن-أول-مواجهة-مسلحة-ضد-داعش-.html
・現地から離れたところでのシリア内戦の影響ですが、モロッコとアルジェリアは、アルジェリアがシリア難民70名をモロッコ領内に追いやったか否かで、互いの大使に対する抗議合戦を行っている。
http://www.alquds.co.uk/?p=128310
・他方、イスラエル軍参謀長は、今後のシリア情勢について、アサドが居直ろうと、イスラム過激派が政権を握ろうと、総ての選択はイスラエルにとってネガティブなものになろうと語った由。
http://www.alquds.co.uk/?p=128294
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