中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2014年02月

相手をユダヤと罵る危険なゲーム(エジプト)

どうもエジプト政権側も同胞団も、相手をシオニスト、ユダヤ系として非難し始めた模様です。
これは28日のjerusalem post net がエジプトの新聞、ネット等を引用して報じているものですが、中東ではなにか都合の悪いことがあるとユダヤ人、イスラエルの所為にする傾向が無きにしも非ずですが、イスラエルと国境を接し、今後とも好き嫌いとにかかわらずイスラエルとの一定の協力関係を維持して行く必要があり(現在の北シナイのテロ戦争でイスラエルの了解をとり協調し合っていることが最適な例)、アラブ世界で最大の影響力を有するエジプトが国内政治の面で、このような危険なゲームを始めたことは、今後甚だ憂慮され所です。
どうも記事から判断する限り、政権側の方により大きな問題がありそうです。
勿論現実にどの程度この様な「危険なゲーム」が流行しているのかは不明ですが、取り敢えず記事の要点のみ。

シーシ陣営と同胞団との激しい闘争は、双方が相手をシオニストと非難し、「シオンの12人の長老のプロトコル」(帝政ロシアの秘密警察の偽造文書。ユダヤ人の長老が世界征服の陰謀をめぐらしているという趣旨の本)の陰謀を実行しようとしていると相互に避難し合うところまできた。
シーシの支持者は同胞団の創始者のhassan al bannna はユダヤ人で、同胞団はシオンの12人の長老の陰謀を実行していると非難している。要するにこれらユダヤ人の指導者は、世界征服のために、世界中の国を分裂させ、国内の紛争を激化させるとしたが、同胞団のやっていることがまさにそれだと言う訳である。
先週roz al yusef誌は、ハッサンアルバンナはフリーメイソンによってエジプトに送りこまれたモロッコ人ユダヤ人であるとの記事を載せた(昔はまともな雑誌だったのがここまで堕落したか!!)
ネット上ではさらに激烈で、同胞団の指導者にはダビデの星がつけられ、前大統領ムルシ−はユダヤ人の服装をしている。
同胞団の方のネットでも現政権はユダヤであるとして、昨年のクーデターはプロトコルの実践であるとしている。
ネットには、クーデターの指導者は世界シオニストの指導下にあり、その指令を受けてその考えを広めていると書き込まれていたが、その後消去された(政権側の弾圧が怖かったせいか?)
又シーシの母親はモロッコのユダヤ人で、1958年エジプト国籍を取ったが、シーシを士官学校に入れるために、1973年返上したとも書きこまれている。
http://www.jpost.com/Middle-East/Egyptian-regime-Muslim-Brotherhood-accuse-each-other-of-being-Jewish-343835

イラク情勢(風刺漫画)

eac458e1-577b-4feb-ae97-5a5091d56483_4x3_296x222[1]ぼろを着た男が渡っている黒い海の様な所に立っている看板には「イラクの石油」とあり、男の背中にはイラクと書いてあります。
恐らくは恵まれた産油国でありながら政情不安のために何時までも貧しいイラクを風刺した漫画かと思われます。
http://www.alarabiya.net/

アラブの春諸国の危険性(独研究所の報告書)

27日付al qods al arabi net は、アラブの春諸国、特にエジプトは極めて危険な状況になっている、新しいシリアが生まれる可能性があるとの独ハイデルベルグ戦略問題研究所の報告書を紹介しています。
この研究所と言うのは大学や各種研究所の集まることで有名なハイデルベルグにある研究所と思われるが、どの程度信頼できる研究所かは不明です。
記事そのものが非常に短い要訳なので、どの程度しっかりした分析かは不明なるも、興味ある記事と思われるので、取り敢えず次の通り。

報告書は「2013年の紛争の大きさ」と題しているが、それによると2013年には世界中で戦争が18、大きな国際紛争が45、政治的紛争が414、暴力沙汰になりそうな争議が221あったとのことです。
報告書は、これらの紛争の中で中東地域が紛争地域の先頭を占めているとしているが、その研究者は中東で現在起こっていることは大きな懸念を呼んでいるとして、中東地域が世界で最も危険な紛争地域となり、継続的な國際紛争、衝突、戦争の舞台となり、多くの犠牲者を出すであろうと警告している。
その中で、アラブの春諸国は今後「新しいシリア」になる可能性があるとして、それらの諸国では今後聞き及び紛争が激化して、現在のシリアの様に誰も制御できないような状況に陥り、政権側と反政権側との紛争のために、毎日犠牲者が数千人も出る可能性があるとしている。
その中でも特に懸念されるのがエジプト状況で、2011年のムバラク政権崩壊後の政権を巡る争いで、政権側とムスリム同胞団との争いは、軍事的衝突の淵まで来ているとしている。
http://www.alquds.co.uk/?p=138362

エジプト情勢(27日)

27日付のal jazeera net はエジプトでは、待遇改善を要求する労働者のストライキが続いており、又クーデターに反対する抗議も依然として収まっていないと報じています。
断片的ですが・・・・

・労働者等のストライキについては、医療、保健関係で、多くの病院で医者、薬剤師、看護士、歯科医等が一部ストライキ(職務の性質上ゼネストにはしていないものか?)ストライキを続けている。
保健省はストに参加しているのは24%に過ぎず、6の県ではストライキは行われていないとしている
(24%の参加者、スト不参加の県が6県にとどまると言うのは、逆に全国的なストライキを意味していると思われるが・・・・)
・その他では、最も深刻なのがカイロの公共交通従事者のストで、既に6日目に入り、最低賃議の適用等を求めている。
公共交通という性質にもかんがみ、一部軍が住民の輸送にあたっているが、スト関係者は軍が肩代わりすることによるコストの方が労働者の要求にこたえるよりも、はるかに高コストになっていると批判している。
・その他では公証人、郵便関係、繊維産業の労働者等もストに参加している。
・これに対してビブラウィ内閣総辞職の後を受けて、組閣にあたっているibrahim muharribは、政府としてはこれら労働者の正当な要求にはなるべく応じるべく努力するが、過度の要求は国家の破産を招くだけであると警告した。

・他方クーデターに反対し、ムルシ―を支持するデモも、アシュート、アレキサンドリア、スエズ等で行われ、スエズとアシュートでは警官との衝突があり、逮捕者も出た。
http://www.aljazeera.net/news/pages/d5d7bfc4-eaa0-47f0-89d5-1e050ff9cbaa

イラク情勢(27日)

27日のイラクの(主として治安)情勢につきとりまとめたところ、断片的ながら次の通りです。
その後アンバール県での動きにつき詳しい報道はありませんが、どうやらテロが各地、特にバグダッドに広がっているのが実情のようです。

・27日イラク各地、特にバグダッドで多くのテロがあり、35名が死亡した(この数字はal arabiya net のものだが、al jazeera net は死者52名、負傷者80名としている)
・テロの多くが爆弾によるものだが、バグダッドのサドル・シティでは、オートバイ市場でオートバイが爆発して、25名が死亡し、少なくとも46名が負傷した。
サドル・シティの別の場所でも自動車爆弾で1名が死亡した
(サドルシテイは主としてシーア派住民が居住して、あの有名なサドル師の根拠地だが、そこでの連続テロ事件の背景が、サドル師の政治家らの引退声明と関係があるのか、何らかの政治的背景からかは不明)
・その他
     バグダッド北方のtouz で道路爆弾で市民2名死亡、警官2名を含む15名が負傷
     キルクークで武装グループとの交戦で兵士3名が死亡
     バグダッド市の北部で自動車爆弾で兵士2名死亡、3名が負傷
等の事件があった。
・2月に入ってからの死者は710名となり、本年になってからの死者が1700名に達する。
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2014/02/27/35-قتيلا-بالعراق-بينهم-25-بانفجار-دراجة-نارية-مفخخة.html
http://www.aljazeera.net/news/pages/4f6fe76d-ba69-4245-96ea-f3be72ec4ed0
・他方マリキー首相は、イラクTVとのインタビューで、4月に予定されている総選挙に関して、政権に近いものから、最近のイラクの治安情勢に鑑み、選挙を延期して、その間首相の任期を2年間延期してはどううかとの提案があるが、選挙の延期は憲法違反で、延期は考えておらず、任期の延長もないと語った。
(確か一部にマリキー首相が選挙を延期し任期の延長を考えているとの報道があったかと思う)
・首相はまたアンバール県について、ラマディーの住民に対して、同市は政府軍が確保していて治安も確立したので、同市に戻るようにと要請した。
又首相はイラク全土で政府軍の掌握下にない都市はないとも語った
(ファルージャは依然部族民兵等の支配下にあり政府軍は周辺から攻撃していると承知していたが、その後どうなったのでしょうか?)
 http://www.aljazeera.net/news/pages/4f6fe76d-ba69-4245-96ea-f3be72ec4ed0   
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