中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2015年01月

リビア情勢

リビアについては、先日国連主催で第2回目の各派の対話が行われ、次回はリビアに場所を移しての対話がもたれるという楽観的なニュースが流れていました(これまで対話に参加しなかったトリポリ政府も、リビアでの会議には参加する意向を表明していた)が、どうもリビアの情勢は一筋縄ではいかないようです。
取り敢えず報道からとりまとめたところ次の通りです

・国連のリビア代表は、30日リビアの各派に対して、リビアは極めて危険な状態にあるとして、政治的解決を急ぎように呼びかけ、第3回会議の場所については未定であると表明した由(リビアの治安が安定することがリビアでの開催の条件との報道がある)
・他方現地情勢としては
   トリポリで「リビアの暁」と軍との間の衝突が再発した
   同じくトリポリのreksosホテル(アラビア文字からの音訳)の近辺で、大きな爆発音が聞こえた
   トリポリから東30kmのところの飛行場m’eeteeqa(軍用であったが民間用にも使用されていた由)で爆発があったが、滑走路におかれていた輸送機が爆発した由、爆発原因については、爆薬によるというものと事故であるとの両説がある
というところで、どうやら状況は平穏ではなさそうです。
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2015/1/31/المبعوث-الدولي-لليبيا-يحذر-من-خطر-انهيار-البلاد
http://www.alquds.co.uk/?p=288124
http://www.alarabiya.net/ar/north-africa/libya/2015/01/30/تجدد-الاشتباكات-غربي-طرابلس-واانفجار-طائرة-في-مطار-معيتيقة-.html

キルクークの攻防(イラク)

最近イラクからはモーする奪還作戦が近いとう楽観的なニュースが流れていましたが、北部の重要な産油地帯であるキルクークに対するISの攻撃については先日お伝えしたところです(ペッシュメルガの准将が死亡した由で、クルド勢力も相当損失を被った模様)が、報道によるとISは29〜30日にかけて、キルクークの西の産油地域を掌握し、イラク石油会社の従業員24名を拘束したとのことです。これら従業員は、産油地帯を巡る戦闘のために、軍地に釘付けになっていた由。
尤も、al jazeera net は、30日双方の間で激しい戦闘が続き、クルド勢力がISの占領地域を奪還したと報じています。その戦闘で双方に大きな損害が出ている由。
また、イラク軍、治安部隊、民兵及びペッシュメルガは、キルクークの南西の地域をISから奪還するために、5000名の増援部隊派遣することに合意したとのことです。
http://www.alquds.co.uk/?p=288216
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2015/1/30/البشمركة-تسترجع-مناطق-بكركوك-بعد-معارك-مع-الدولة
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2015/01/31/-5-آلاف-عنصر-أمني-إلى-كركوك-عقب-هجوم-داعش.html
キルクークを巡る報道からとりまとめたところは以上で、正確な戦況がどうなっているのか、良く判りませんが、ISが産油地帯を狙って作戦する能力を依然として有していることは事実のようで、どうもイラクに関する楽観的な報道をそのまま信じることには、問題がありそうな気もします。
なお、米国防長官は30日、米国はイラクでのIS対処のために、(戦闘目的ではなく)地上部隊を派遣せざるを得なくなるかもしれないと発言したとのことです。
戦闘目的ではない地上部隊の役割は不明で、又国防長官がオバマとはかなり考えが違うことは前から報じられていたところですが、これもイラクでの対IS作戦が必ずしも上手く行ってはいない、という証左かもしれません。
とりあえず
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2015/01/31/هيغل-أميركا-قد-تحتاج-ارسال-قوات-برية-إلى-العراق.html

エジプト治安情勢

最近のエジプトの治安問題については累次j報告していますが、前大統領に対するクーデター反対の勢力も未だ未だかなりの規模のデモをする影響力を有しており、30日にはエジプト各地で正統性(ムルシ−前大統領のこと)を守れ都のデモがあり、警官隊が解散させようとして、ムルシ―の出身地のシャルキヤ県(カイロの北)のal adwa、村で学生1名が撃たれて死亡したほか、各地で数十名の負傷者があったとのことです。
デモがあったのは、このほかカイロ県、ギザ県、アレキサンドリア県等とのことですが、いずれも都市周辺の農村での模様で、これら大都市の中心ではなかった模様です。
とりあえず
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2015/1/30/قتيل-في-مظاهرات-رافضة-للانقلاب-في-مصر
http://www.alquds.co.uk/?p=287862

イスラエルとヒズボッラー

このところイスラエルとヒズボッラーの衝突が頻発していることは何度か報告しましたが、レバノンはイスラエルの攻撃について安保理に対し公式に訴えたとのことです。
他方ヒズボッラーのナスラッラ―書記長は、ヒズボッラーはイスラエルを恐れておらず、将来の攻撃はイスラエルの何処にでも到達することが可能だが、戦争は望んでいないと30日声明したとのことです。
http://www.alquds.co.uk/?p=287760
http://www.alquds.co.uk/?p=287812
ということで、当面イスラエルの北部戦線(レバノン国境とゴラン高地)を巡る対立は、小規模な衝突と宣伝合戦(通常のパターン)にとどまる模様で、直ぐにも大きな衝突が発生しそうな状況は遠のいたと思われます。
但し、イスラエルの外相等は、ヒズボッラーはシリアを対イスラエル作戦の舞台にしようとしていると非難している由にて、基本的な両者の緊張関係に変化はないので、今後とも要注意であることに間違いはないと思います。
http://www.alquds.co.uk/?p=287790

IS関連情報

IS関連の情報アラビア語メディアからとりまとめたところ次の通り

・米等連合空軍は、シリアに対し6回、イラクに対して12回の、計18回の空爆を実行した。米国防総省によるとクルド勢力はkobane の90%を支配している由(ということはまだ完全に奪還してはいないということでしょうね)

・クルドの現地連合司令部によれば、ISはkobaneで3710名の死亡者を出したが、クルド側PYGも408名の死者を出した由。
未だ現地にはISの遺体316が遺棄されている由。
またISは37両の装甲車を使用し、19回の個人自爆があり、軍用車両87、戦車16等多くの機材を失った由。

・他方ISはダマス近郊で、対空砲でシリア政府軍機(機種は不明)を撃墜し、パイロットは死亡したとして、写真をネットに記載した由。
(具体的な場所は不明だが、ISがダマス近郊で、このような活動をしているのはアサド政権にとって脅威だが、彼らがゴラン高原に近いところにいるだけに、イスラエルとの関係でも気になる)

・イラクでは30日早朝、キルクーク県でのISの攻撃で、ペッシュメルガの准将を含む6名が死亡し、46名が負傷した。
戦闘はその後もキルクーク油田から16kmのところで続いていて、米連合空軍が空爆で支援している由。

・イラク警察によれば、バグダッド及びサマッラーでの爆発事件で、少なくとも47名が死亡し、多数が負傷した。
このうちバグダッドでは、胃の中心の軍用服を売る市場で、爆発があり、40名が死亡し、少なくとも75名が負傷した由。
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2015/01/30/قوات-التحالف-تشن-18-غارة-ضد-داعش-في-سوريا-والعراق.html
http://www.alquds.co.uk/?p=287708
http://www.alquds.co.uk/?p=287698
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2015/01/30/6-قتلى-بينهم-ضابط-برتبة-عميد-من-البشمركة-في-كركوك.html
http://www.alquds.co.uk/?p=287716
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