中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2015年07月

なくなりつつある死海

n_86171_1[1]死海に流入する水が減って、年年その水位が下がり、死海の存在が危ぶまれているとして、イスラエルとヨルダン等が協力して、紅海(アカバ湾)からの水を、死海に流し込むプロジェクトが始まったことは、随分前にお伝えしたかと思います。
然し、計画が実現する前にも、死海の水位は着実に下がっている(1年に1mという驚くべきべき早さで)ようで、hurryiet net は写真つきで、最近では湖岸がずっと後退し、その後に多くの大きな穴(バスケット・コートの大きさや深さ2mものものもある由が)残されていて、住民にとって危険になっていると報じています。
果たして上記プロジェクトは死海を救うのに間に合うのでしょうか?
http://www.hurriyetdailynews.com/shrinking-dead-sea-leaves-trail-of-perilous-sinkholes.aspx?pageID=238&nID=86171&NewsCatID=379

ユダヤ人入植者のパレスチナ家族に対する攻撃

最近のイスラエルでは、強硬論者のネタニアフが再選され、政府が新たな入植地の建設を認める等、中東和平どころか、右翼勢力の増大、占領地の既成事実化が進み、そのような雰囲気の中で入植者過激派による、パレスチナ人、その財産、モスク等に対する攻撃の拡大(price tag 暴力と言われている)が目立っていました。
そして、彼らに対するイスラエル政府の取り締まりが微温的で真面目ではないとの批判も国際的に強まっていましたが、31日早朝、西岸北部のナブロスの近くのduma という町で、入植者過激派によりパレスチナ人家族の家2軒が焼き討ちされ、18か月の幼児が焼死し、両親及び4歳の兄が瀕死のやけどを負って病院に運ばれる事件が生じました。
焼き討ちされた家には、ユダヤ語で報復というprice tag の常とう文句がなぐり書きされていた由。

事件に対し、ネタニアフ首相も、重大な犯罪で厳しく非難するとして、早急な犯人の検挙をめいじたとのことですが、パレスチナ暫定政府のアッバス議長は、この犯罪は入植地拡大を進め、占領地の恒久化を目指すネタニアフ政府のもたらした結果であるとして、国際刑事裁判所への提訴も考えると宣言した由。
更にハマスは犯罪に他する抗議デモを呼びかけるとともに、報復もあり得ると示唆した由。
このため、IDFでは取り合えず、4大隊を現地に派遣するとともに、2個師団を警戒体制に置いた由。
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4686046,00.html
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2015/7/31/غضب-لحرق-الرضيع-الفلسطيني-ودعوات-للرد
取り敢えずの状況は以上ですが、今後の問題としては、先ずはネタニアフ政府が如何に真剣に素早く犯人を逮捕するかが最重要の問題ですが、合わせてPLO及びハマスが今回の事件で、どの程度パレスチナ人を抑制できるか、又は逆に事件を利用して民衆を扇動するか、にかかっていると思いますが、何しろ幼児の焼死という衝撃的な事件だけに、今後の動きが非常に気になります。
それにしても、冒頭書いた通り、私のような完全な局外の第3者でさえ、これまでのイスラエル政府のユダヤ人過激派、入植者に対する対応が余りに甘過ぎて偏っていると感じたほど、公正な立場をとってこなかったイスラエル政府がどのような対応をするかで、イスラエルの国際的立場が益々困難になる可能性も出てくると危惧されます。

イエメン情勢

イエメンでは特に南部を中心に未だ激しい戦闘が続いているようで、hadi大統領も未だにサウディで亡命生活を続けていますが、今朝見たところではサウディ空軍等の大規模活動も特に報じられていないし、下記のような動きが出てきたということは、さしものイエメン内戦にもそろそろ先が見えてきたということでしょうか?
何しろしたたかな、と言うか、粘り強いイエメンのことですから、未だ今後のことを予測するのは時期尚早ですが・・・

・国連のイエメン特使は29日、アラブ連盟の事務局長との共同記者会見で、今後協議すべき点は多くあるが、イエメンにアラブ・イスラム諸国監視部隊を派遣することは、イエメン問題の政治解決に資すると考えていると語った。
他方、事務局長は、先ずは停戦の実現が先決であると語った由。
・人権団体human rights watch は29日、hothy−サーレハ軍が、特にアデンで住宅街を目標に多数の臼砲弾を発射し、住民多数を殺傷したことは人道法の違反であり、今後責任者、実行者は裁判にかけられるべきであると語った。
同組織はさらに、hothyグループがal ind 基地等で、住民、捕虜を人間の盾として使っていることも、人道法違反であると非難した
http://www.alquds.co.uk/?p=380006
・現地情勢としては、政府側民兵は、アデンの北の町を占拠し、ラハジェの県都al houtaに到着し、hothy部隊に対する包囲を強めている。
・マアレブでも抵抗組織はサウディ空軍の援護の下で、hothy部隊に対する攻撃を強めている。
・タエズでは抵抗組織がhothy車列を待ち伏せ攻撃した。
・他方サウデイ国防省報道官は、今後数日以内にal ind 空軍基地の完全制圧の戦いが始まるが、hothy部隊が住民、捕虜を人間の盾として使っているので、慎重にしていると語った・
http://www.alquds.co.uk/?p=380006
http://www.alarabiya.net/ar/saudi-today/2015/07/31/العميد-عسيري-حري-بالأمم-المتحدة-رصد-خروقات-الحوثيين-.html
・hothyグループは、サウディ領のジザーン県のal qaim 軍事基地に、ミサイル11発を撃ち込んだと発表した。
サウディ軍からは特段のコメントはない。
http://www.alquds.co.uk/?p=380004

トルコ・PKK関係

トルコの対PKK,ISの二重テロ作戦は、どうも対PKK攻撃に重点が置かれている感じがしますが
(トルコ軍、治安部隊とPKKの攻撃の押収の詳しいクロノロジはhurryiet netの下記のネットに出ている・・英語・・ですので、関心の向きは直接下記をご覧ください
http://www.hurriyetdailynews.com/chronology-week-of-violence-as-turkey-pkk-fight-rekindled.aspx?pageID=238&nID=86207&NewsCatID=352
トルコ空軍は24,28日の大規模空爆の後も、攻撃を続けていて、特に30日にはF16機30機で、PKK目標を攻撃したとのことです。
他方PKKの方は、同じく30日kars県で鉄道の補修をしていた労働者1名が、PKKとおぼしきグループに殺害され、警備員1名が負傷した由。
http://www.hurriyetdailynews.com/turkey-bombs-pkk-camps-with-30-f-16s-after-190-militants-were-killed.aspx?pageID=238&nID=86164&NewsCatID=341
http://www.todayszaman.com/national_one-killed-as-pkk-members-open-fire-on-railway-workers-in-eastern-turkey_395116.html
どうも上のクロノロジから見ても、トルコ軍の攻撃はPKKのテロに対して、規模の上でも不釣り合いに大きすぎるし、他方ISに対する攻撃は本気のものではないような気がしますが,トルコ軍関係者はhuryiet 紙に対して、ISに対する本格的な攻撃は、米軍機のインチェリック基地への展開をまって、米軍等と調整したうえで行われると語った由。

他方、先日の選挙で初めて議会に議席を獲得した親クルド政党のHDP党首は、トルコ軍のPKK攻撃の主たる目標はシリア内でのクルド領域の繋がりを防ぐためで、ISに対するものではない、と避難した。
かれはまた、PKK攻撃の目的は、先日の選挙でHDPが議席を獲得し、そのためAKPが議席の過半数を失ったことに対する報復であるとも語った由。
http://www.todayszaman.com/national_one-killed-as-pkk-members-open-fire-on-railway-workers-in-eastern-turkey_395116.html
http://www.todayszaman.com/national_turkish-military-campaign-aims-to-prevent-kurdish-unity-in-syria-demirtas-says_395067.html

イラク熱波の犠牲者(避難民の児童)

イラクで異常な暑さが続いていることは何度か報告しましたが(例年に比して平均5度は高く、50度を超える由)、矢張りその場合の犠牲者は児童(恐らくそれに老人)で、特に劣悪な環境にある避難民ですが、al qods al arabi net によると過去数週間で避難民の児童52名が暑さのために死亡したとのことです。
これはイラク議会の難民支援委員会の報告で、多くの難民が砂漠の中のテントで水も電気もない生活をしているとして、政府及び地方政府に大至急救援措置を取るように求めたとのことです。
http://www.alquds.co.uk/?p=379993
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