中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2016年01月

シリアの代理戦争?≪風刺漫画)

19ae7625-8bf9-410f-acc4-90eae932364d_4x3_296x222[1]血塗られた地図にはシリアと書いてあります。
その地図の上で駒(兵隊)を使ってゲームをしているのは、おそらく青い袖が米国で、紫がロシアでしょう。
要するに代理戦争という風刺でしょうか?
http://www.alarabiya.net/

イエメン情勢

イエメン情勢につき取りまとめたところ、断片的ながら、次の通り

・アデンの治安の悪化が注目されているところ、aljazeera net は、hothyグループの政権掌握以来、要人(軍人、政治家等)の暗殺がイエメン全域で横行しているとして、これまでの10か月間で暗殺行為は183件生じ、134名が死亡したと報じています。
また暗殺はほとんどイエメン全土で生じているが、一番多いのがサナアで、次いでハドラマウト、ベイダ、ラハジュと続き、その次に最近は暗殺の最大の舞台となっているアデンが来るとしてます・
・また同ネットは、30日ジャウフで抵抗組織の司令官が狙われ、彼のお付きが1名死亡したほか、ラハジェでも抵抗組織司令官の暗殺未遂があったと報じているが、その方法は車の爆発の由
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/1/30/تفجير-سيارتين-لقائدين-بالمقاومة-اليمنية
・他方アデンの治安悪化については、イエメン政府とアラブ連合軍は、2件の爆発事件を受けて、アラブ連合兵士を多数、治安維持のためにアデンに送り込んだ由。
・さらに、これらの爆発事件に関して、2件目の爆発は首相のバハーハを狙ったもので、一件目の爆発の際、もう一台爆薬を装填した車が、混乱に乗じてさらにテロ行うために待機していた由。
・いずれにしても、アデンの治安の悪化は、イエメン政府にとって最大の問題であるが、地元の観測筋は、政府が治安維持に失敗しているのは、地元警察、情報機関、テロ対策部隊等の地元情勢に通じる機関を、テロ対策から排除してきた政府の政策の所為で、テロ対策には適切な情報の収集が最大の重要性を有するのに、政府は必要な情報を有していないと批判している由
(確かに、これまでもUAE兵士等多数のアラブ連合の兵士を治安維持に投入しているが、成功していない)
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/yemen/2016/01/30/بعد-هجمات-داعش-التحالف-يرسل-تعزيزات-أمنية-إلى-عدن-.html
http://www.alquds.co.uk/?p=474234
・他方地上戦では、相変わらずタエズで激しい戦闘が続いているところ、その他ではサナア≪naham県で抵抗組織が攻勢をかけて首都を目指している由)、ラハジェ、ジャウフ、ベイダ等の各地で、衝突が続いている由
(本日はサウディ空軍等の空爆についてはほとんど報じられていない)
・hothy グループは、政府軍が訓練基地として使っている、ラハジェだったかのind 空軍基地に、弾道ミサイルを撃ち込んだと発表した。
但し、目撃者によると、ミサイルはかなり遠方から発射されたため、基地や兵員等に損失を与えていない由。
http://www.alquds.co.uk/?p=474124
・前大統領サーレハ等に対する制裁措置を執行している、国連の制裁委員会は、サーレハとその長男が、2の組織を使用して制裁逃れをしていることを発見したので、これを委員会に報告したとしている。
関係した資金は5000万ドルの由
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/1/30/كشف-شبكة-تمويل-لعلي-عبد-الله-صالح

2016年のIS(対象はヨーロッパ?)

ISでは英国なまりを話す殺人者jihadi john が有名でしたが、今度は仏語の出番です。
al qods al arabi net は、先日スパイとしてイラク人4名をISが処刑したビデオに仏語を話す男が登場し、西側に対する報復攻撃を予告したが、特にかってイスラムが栄えたイベリア半島(アンダルス)を取り戻すとして、スペインとポルトガルに対するテロを予告したと報じています。
http://www.alquds.co.uk/?p=474245
他方jerusalem post はIDFの見方として、2016年はISにとって重大な岐路の年になるであろうとして、こちらも欧州での大規模テロを予測しています。IDFの見方ということは、おそらく(確か)アマンという軍事情報部の情報が元かと思いますが、非常にもっともらしいというか、あり得るシナリヲかと思うので、記事の要点のみ次の通り。


IDFはISを密接にフォローしてきたが、2016年はその命運を左右する重要な年になるとみている。
しかし、そのカリフ国家組織がどうなろうとも、そのリクルート及び宣伝活動は続くだろうとみている。
軍事情報筋は、ISの資金、中央からの指令等はあっても、その出先のグループの活動方式には大きな違いがあることに注目している。ゴラン高原のyarmouk 組織、イラク、シリアのISはそれぞれの行動パターンを有している。このためIDFはそれぞれのグループの行動パターン等を注意ぶあっく分析する必要があると考えている。

現在ISが西側諸国で大規模なテロを計画していることは間違いない。仮にさらに数機の旅客機が落とされたり、パリ事件のようなテロが起きれば、第3次大戦が起きる可能性があるとみている。もちろん世界大戦といっても、第1次、第2次大戦のような大国間の大規模殺戮ではなく、欧米文明がその衝撃で大きく変わるという意味である。
ISは、かっての十字軍や欧米の傲慢さ(特に中東に対する介入)に対する報復を狙っており、中東では失った戦闘員の補充のためのリクルートを狙っている。

しかし、ISは資金的な問題を抱えている。
最大の資金源の石油は、有志連合の空爆で多くが破壊され、かっての半額となり、現在は5億ドル程度である。しかし、ISは柔軟でその他の資金源も見つけ、3億ドルが税から、1億6000万ドルが農業から、8000万が盗掘文化財から、4000万が身代金から得ている。
2015年のISの資金は13億ドルであったが、2016年もこの水準を維持できるかには疑問があり、そのテロ活動等に影響することが予見される。

IDFにとって最大の問題は、パレスチナ人がアラブ人の中でも最もISに同調的なことである。
組織的には、シナイ半島のISシナイ州がイスラエルに対する攻撃を行う最大の組織と見ている。そのメンバーは1000名程度で、エジプト軍により相当痛めつけられているが、最近ではイスラエルに対する敵意の表明が増えている。

中東では、IDFは4の国、すなわち、イラン、トルコ、エジプトとイスラエルは今後とも存在するが、その他の国は崩壊する危険性があるとみている。ヨルダンも、国王の努力及び有能な情報機関の存在にもかかわらず、その危険性から免れていないとみている。

このためイスラエルはできるところで、有志連合を支援しつつ、今後生じるであろういかなるシナリオにも対処できるように準備している
http://www.jpost.com/Middle-East/Security-and-defense-A-decisive-year-for-ISIS-443186

シリアにおけるトルコの苦境

昨日は多数のシリア難民を抱えるトルコの苦悩をお伝えしましたが、政治的、軍事的にもトルコは大きな苦境に立たされている模様です。
このままでいけば、トルコがシリア問題で動ける余地はますます狭まりそうです。
結局は、これまでとかくギクシャクとしていた米国との関係を立て直し、より米国と協力する(米国に頼る)以外にトルコのとれる策はなさそうです。
もちろん、この手の話を予断することは禁物ですが・・・

・その一つはロシア機の新たなトルコ領空侵犯です。
トルコ外務省は30日、ロシア大使を招致して、ロシアのスホイ34一機がトルコ領空を侵犯したと抗議しました。
エルドアン大統領も、このような度重なるロシア機の侵犯は、ロシアのためにもならないとして、何らかの問題が生じたときはその責任はロシアにあると警告し、他方プーチンとの会談を求めていると語った由。
他方ロシア政府はトルコ領空侵犯の事実はないとして、これを否定した由
(事実関係は不明ですが、ロシアがトルコ国境近くに最新型の対空ミサイルを配置する等の措置をとっている以上、今後仮にロシア機が再度トルコ領空侵犯をした場合でも、トルコ空軍等が、これに対処できる余地は狭められたと思われる・・・そんな事態は起こらないとは思うも、ロシアとしてはトルコ機を撃墜したうえで、トルコ機がシリア領空を侵犯したと非難すれば良い訳であるから)
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2016/01/30/مقاتلة-روسية-تخترق-الأجواء-التركية-وأنقرة-تحتج.html
ほかの2はトルコ国境近くのシリア戦場での動きです。
・確か先にトルコにとって、シリアのクルド勢力PYDがユーフラティスを超えてその西側に、勢力を拡大することは、トルコ・シリア国境が、クルド勢力と政府軍勢力により支配されることとなり、かつトルコにとってはテロ組織であるPKKのシリア版がトルコ国境を支配することは、PKKのテロ増大の可能性があるとして、ユーフラティス川がred line であるとしていることは、先に報告しましたが、まさにそのPYDがユーフラティスの西に進出しつつある模様です。
この問題について、トルコ国内ではトルコ軍の直接介入は不適当で、まだ自由シリア軍に対するさらに積極的な支援で、事態を鎮静化できる等の見方がある模様です。
(もっとも、これまでのPYDの軍事的成功の裏には米空軍等の支援があったからで、その意味では米国の出方が大きなカギかもしれないが、米国にとってはPYDこそが、シリアにおける唯一のISと政府軍に対抗できる勢力となっているので、どこまで米国を当てにできるかの問題があろう)
・もう一つは、ラタキア地方のトルコマン山地に対する政府軍の攻撃で、ロシア機の地上支援を得て、政府軍はその75%を制圧したとのことで、同地での戦闘は未だ続いていて、戦闘は同山地の東部でトルコにとっては、シリアにおける重要な戦略的後背地に迫りつつある模様です。
こちらの方は、戦略的な問題とともに、住民がトルコ系の住民で、ある意味では同胞にあたるために、さらに深刻で、トルコ国内では政府軍が完全にトルコマン山地を支配することは、トルコのシリアに隣接する地域に対するテロ等の脅威が増大するとの懸念が出ている由。
この地域についても、取りあえずは自由シリア軍に対する支援を飛躍的に増大する等以外に、トルコとしては打つ手がなさそうです。
http://www.alquds.co.uk/?p=474228
取り敢えず

リビアに対する軍事介入

リビアに対する軍事介入が切迫しているとの報道が多数みられますが、al jazeera net は米国とイタリアは、リビアの統一政府ができなくとも、リビアに対する軍事介入をする準備を始めていると報じています。

他方al arabiya net は、来週2月2日にローマで、反IS連合諸国がリビア介入をめぐり会合を開くと報じています。
それによると参加国は、米国、英国、イタリア、仏、独、ベルギー、ノルウェイ、スペイン、スウェーデン、オランダ、デンマーク、オーストラリア、NZ,カナダの他、サウディ、カタール、エジプト、バハレン、ヨルダン、UAE,クウェイト、トルコで、EU代表及び国連も参加する予定の由。
米国務省は、会合は外相レベルで、リビアに対する介入の可能性について検討するが、介入の場合には、イタリアが指揮することになるとしています。
http://www.alarabiya.net/ar/north-africa/algeria/2016/01/29/الجزائر-تعديل-الدستور-يُعرض-على-البرلمان-.html
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/1/30/استعداد-لتحرك-عسكري-دولي-ضد-تنظيم-الدولة-بليبيا
もちろん、リビアの統一政府樹立の動きとか、まだまだ情勢は流動的だろうと思いますが、どうもここまでくると、米国等のリビア介入は必至かという感じが出てきます。
そういえば、リビアのトリポリ政府の軍司令官haftar 将軍が目下エジプトを訪問中のはずですが、ヤアhㇼこれらの動きと関係があるのでしょうね?
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