中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2016年03月

シリア情勢(アサドの第3国への出国合意?)

シリアに関しては朝方も書きましたが、夕方のal qods al arabi net とal arabiya net は、ロシアと米国がアサドが第3国に出国することで合意したという報道と、ロシア大統領府がこのような合意の存在を否定したと報じています。
記事の要点は次の通りですが、仮に報道が事実であれば、ロシアはせっかく裏の話で米国と脈を通じてシリア問題の政治的解決を図ろうとしたのに、そんな話を表に出されてはとんでもない(話はご破算だ)ということでしょうし、仮に事実でないとすれば米国か何処かの筋のロシアとアサドの関係に楔を打ち込もうとの権謀術策の感じがします。
今後ともこの種の怪しげな噂が出回ることも多いと思いますが、取りあえず

・ロンドンで発行されているアラビア語紙alhayat (もともとはレバノンの新聞で、確かその昔はサウディから金が出ているが、まじめな新聞との評価があったと思う。現在の立場等は不明)が、安保理西側外交筋の話として、ケリー長官がアラブ外交団(具体的な国名は不明)に対して、シリア問題の解決の一環として、ロシアとの間でアサドの第3国への出国について合意ができていると伝えたと報じています。
ケリー長官は、アサドの出国に関するタイミングについては言及すなかったが、佐渡が将来のシリアで果たす役割はないということについては疑いがないとした由。
また、同長官は、この点に関し、ロシアとの合意は明確で、アサドは第3国へ出ざるを得ないと語った由。
・他方、ロシア大統領府の報道官は、アサドの出国に関するロシア・米国の合意という報道について、全くの事実無根の噂に過ぎないとして、否定した由。
http://www.alquds.co.uk/?p=508785
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2016/03/31/الأسد-سيرحل-إلى-دولة-ثالثة-بتفاهم-أميركي-روسي.html

エジプト(経済)危機(風刺漫画)

30qpt777[1]エジプトに関する風刺漫画を一つ
題は「エジプト危機」で、崩れかけたお化け屋敷様の建物の周りを蝙蝠が飛び回り、フクロウが見つめているというおどろおどろしい漫画です。
危機とは経済危機かと思いますが、それ以上も意味しているのでしょうか?
http://www.alquds.co.uk/

イラン情勢(ハメネイのラフサンジャーニ攻撃等)

イラン情勢について、取りあえず報道から2つほど。
イランは核合意後も、盛んにミサイルの発射実験などをしており、米欧との対立が報じられているところ、イラン情勢もなかなか一直線に春にはなりそうにもありません。

・ハメネイ最高指導者は、fatima zaharahの誕生日集会で、元大統領で公益判別会議議長のラフサンジャーニを、その名前を上げずに、反逆として激しく非難した。
これは、ラフサンジャーニがその個人ネットで、「今後は対話の世界で、ミサイルの世界ではない」と書いたことを非難したもので、ハメネイは「今後の世界は対話とミサイルの世界」であるとして、ミサイルの開発に反対するような意見は反逆であると非難した由。
イランのミサイル開発については、米、英、仏、独が、安保理の決議違反であるとして、安保理がこの問題を取り上げるようにとの書簡を安保理あてに送った
(ただし、ロシアはイランのミサイル開発は安保理決議違反ではないとしているようで、中国も同じ立場かと思われるので、安保理が制裁は勿論、非難決議をすることはないように思われる)
http://www.alquds.co.uk/?p=508307
http://www.alarabiya.net/ar/iran/2016/03/30/خامنئي-الخونة-يعتبرون-المستقبل-للمفاوضات-وليس-للصواريخ.html
・前大統領アハマディネジャードに近い筋は、前大統領が2017年の次回大統領選挙に、現職のロウハニ大統領に対抗して立候補することを決定したと語ったと報じている。
同やら前大統領は、既にある意味での選挙運動を始めている模様で、彼が勝利した場合には、現在のイラン国民に対する援助金12ドル相当を71ドル相当に引き上げると約束している由(この援助金はアハマディネジャードが物価を上げた際に、それを相殺するために設けた仕組みの由)
アハマディネジャードの時代には、彼の過激な発言が原因で、イランと欧米との関係が極めて緊張していたところ、またぞろ彼が大統領戦意色気を示しだしたのは経済的理由(彼の大統領職の時に彼の側近や近いものの間に腐敗が広がったと非難されていた)もあるかとは思われるも、おそらくはハメネイの意向もある可能性も全く考えられないわけではなく、今後が注目される)
http://www.alarabiya.net/ar/iran/2016/03/29/أحمدي-نجاد-سينافس-روحاني-بانتخابات-الرئاسة-2017.html
・al arabiya net は、voice of americaのイラン語放送が、イラン人専門家の話として、イラン政府がダマスに不動産の専門家を送り込むとともに、イラン人投資家に、シリアの不動産、特にダマスのそれを購入するように呼びかけていると報じています。
記事は、この不動産購入の呼びかけは、シリアをはじめとするアラブ地域でイランの影響を強めようとする政府の政策に従ったものであるとしています。
なお、記事によると、イランおシリアの不動産購入の動きは今に始まったことではなく、2012年ころからダマスの中心地、ホムス等で始まっていたが、購入の相手は移住シリア人だった由。
(何しろ、このニュースのソースがvoice of america ですから、信憑性は保証しかねますが、仮に事実とすれb、イランとしてはそろそろ停戦さらには和平後のシリアを見据えて、影響力の永続化を図りだしたというところでしょうか?)
http://www.alarabiya.net/ar/iran/2016/03/29/إيران-تشجع-مستثمريها-على-شراء-العقارات-بسوريا.html

シリア情勢(アサドのロシア通信社とのインタビュー他)

シリア情勢に関し断片的ですが、取りまとめたところ次の通りです

・米政府と反政府勢力は、アサドの統一政府参加を改めて拒否した
(最近米政府が、アサドを拒否する声明等が続いている・・・他方ロシアは、その問題はシリア国身の決めることとして、選択肢を残している。その点アサド問題はred line だとしているイランとは明らかにスタンスが違う・・のですが、現政権を強力に支持し、空軍力もシリア内に置いているロシアと違って、オバマにどの程度の発言力があるのか、いささか疑問なしとしません)
・ダマス近郊のゴータでは、反政府軍の「イスラム軍」と「al rahaman 部隊」との間の口論が、衝突に発展し、地元民等が調停に入った。
・ラッカでは無人機(有志連合のものと思われる由)による走行中の車両の空爆で、ISの戦闘部隊の幹部(名前からするとチュニジア人かと思われる)が殺害された。
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2016/03/30/الأسد-التواجد-الروسي-العسكري-في-سوريا-ضروري.html
http://www.alquds.co.uk/?p=508309
http://www.alquds.co.uk/?p=508572
al qods al arabi net はアサド大統領のロシアのスプートニク通信とのインタビューの内容を報じているところ、記事の要点のみ次の通り

・最近の重要な勝利であるパルミラ奪還では、ロシア軍の支援がカギであったが、ヒズボッラーやイランの貢献も大きかった
・米国主導の有志連合軍の失敗が、ISによるパルミラ占拠を可能にした
(確かパルミラを喪失したのは政府軍だったはずで、「よく図々しく言うよ!」というしかないですね)
・連邦制のアイデアはシリア国民からは歓迎されていない。
一部のクルドは連邦制を支持するが、多くのクルドは統一シリアを望んでいる
・新憲法の枠組みは、数週間以内に明確になるであろう。
・シリアの新政府問題はまさにジュネーブで話し合うもので、シリア人同士の話し合いで決められる。
・内戦によるシリアの被害は2000億ドルに上りその再建に参加する会社にとっては利益の大きい事業となろう。
但し、このような事業に参加できるのはシリアに貢献したロシア、中国、イランの会社等で、シリアに害をなした国(欧米、トルコ、等のことか)の会社は当然参加できない
(この被害額の算出がどの程度根拠のあるものかは不明だが、写真で見るシリア各地の惨状からして、その再建に要する費用が多額になることは当然予測される。
おそらくアサドはこの発言で、ロシア等3国に支援継続の誘因を与え、西側諸国の企業等には警告を与えたつもりであろうが、そもそも巨額な費用をだれが負担することになるのかという、最重要な問題を忘れていると思われる。ロシア、イランにその余裕がないことは明白であろうが、中国も最近の景気減速で余裕は少なくなっているのではないだろうか?
結局は西側先進国と湾岸産油国が相当部分を負担することになるのではないかと思われ、その場合、それらの国の企業を阻害しての事業に、巨額の金を出すお人よし、というか馬鹿はいないのではないでしょうか?)
http://www.alquds.co.uk/?p=508311

イエメン情勢(アデンとジャウフ)

イエメンでは相変わらずタエズをめぐる戦闘が続いていますが、アラビアが語メディアは、その他の地域で、特に北部のジャウフとアデン東南部の状況について、かなり詳しい報道をしていますので、、取りあえず

・政府軍等はジャウフ県のal safrah 地域を制圧した由ですが、al arabia net は、この損失はhothyグループにとって重大な痛手であると報じています。
それによると、hothyグループは2011年この地域を制圧し、それ以来そこがほかのイエメン地域の制圧の根拠地となったとのことです。
地理的に、マアレブとジャウフの中間にあり、またサナアからジャウフへの補給路を抑えている由。また政府軍にとっては、この地域の制圧で舗装道路を使って、周辺地域への侵攻、補給等が極めて容易になる由。
ジャウフ知事によると、hothy連合は同地に3万個の地雷等を敷設していったので、政府軍の進行が遅れて居る由 
・アデンで30日、また政府軍とアラブ連合軍とアルカイダの間で戦闘が再開された。戦闘はアデンのマンスール市域に集中している。
サウディが主導するアラブ連合空軍も継続してアルカイダの拠点を空爆している。
政府軍は市内各所に検問所を設置し、また監獄他政府の建物を制圧した。
・その他の南部でも、アラブ連合空軍は、アルカイダの支配するzinjibar(アブヤン県)とお隣のハドラマウトのマカッラ等を空爆している・
zinjibarでは、アルカイダは動員令をかけているほか、住民によると政府の庁舎から武器等を持ち出して、郊外に避難している由。
マカッラではアルカイダの幹部5名が死亡した由。
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/yemen/2016/03/30/الحوثيون-يخسرون-ثاني-أهم-معاقلهم.html
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/3/30/الجيش-والمقاومة-يستعيدان-مواقع-مهمة-بالجوف-وعدن
http://www.alquds.co.uk/?p=508547
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