中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2016年08月

エジプトの新税(複数)(風刺画)

30qpt777[1]エジプトの新税金に関する風刺画です。
題は「エジプト政府の国民に対する新税金(複数)」です。
画面では、エジプト官憲が、もう何も入っていない貧乏な国民のポケットをさらに絞っているところでしょう。
http://www.alquds.co.uk/

シリア情勢(ホムスとmaadhamiya)

シリアでは、ダマスの近郊のダリア(厳しい包囲を受けていた)から反政府戦闘員と家族、住民が総て撤収して、政府軍が同市を受け取りましたが、どうやら同様のことが、同じく厳しい包囲を受けていたホムスのal waar地区とダマス近郊のmaadhamiyaでも、合意された模様です。
火器はal jazeeraの特報のようで、他には類似の報道は見られませんが、事実として、これらの動きを見ていると、シリアでは益々すみわけが進み、将来の分割に向かっているような気がします。

・ホムス市のal waar地区は、最近ロシア空軍、政府軍の激しい空爆を受けていましたが 、al arabiya net によると同市の住民と政府との間で、次の条件で空爆停止の合意が成立したとのことです。
条件としては;
第1段階で、300名の反政府戦闘員とその家族が、イドリブの反政府軍支配地域に撤収する、これと引き換えに政府軍が食料搬入の回廊を開く
第2段階で、500名の戦闘員とその家族の撤収と引き換えに、収容所に入っている市の住民を釈放する
第3段階で、300名の戦闘員とその家族の撤収に合わせ、収容されていた囚人に関する情報を提供する
第4段階で、反政府軍は占拠していた政府庁舎等を引き渡す
第5段階で政府軍が地区全体を掌握する
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/8/31/اتفاق-بين-أهالي-الوعر-والنظام-السوري-لوقف-القصف
・maadhamiya に関しては、消息筋によれば、反政府軍を含む同市の住民と政府との間で、同市を政府軍に引き渡すことで合意ができたとのことです。
合意は来週実行されるが、何時までに終了するか等は不明の由なるも、合意にはロシア人将校が立ち会った由。
合意では、反政府軍は総ての火器(重火器、中火器、軽火器も含め)を政府軍に引き渡すことになっているが、それに反対の戦闘員はイドリブに撤収できる由。
政府軍は、住民に対して、この提案に反対である場合には、ロシア軍ー政府軍は、女性子供の退去のための回廊を開いて、周囲一帯を軍事地域と宣言し、総攻撃をかけると警告した由。
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/8/31/اتفاق-على-تسليم-المعضمية-للنظام-السوري

過激派の温床となったチュニジア

かって穏健な国民性で知られていたチュニジアは、アラブの春の革命後、多数の過激派を輩出したことで知られており、確か、一般的には3500名のチュニジア人が、IS等のテロ組織のメンバーとなってシリアやイラクで戦っているとされてきました。
この問題について、al arabiya net は、最近の国際的報告(複数)では4〜5000名がイラクやシリアで戦っているとしています。
同ネットは、さらに、前首相al habib al syedが政府の引き継ぎ式で、彼の政府は18000名のチュニジア人が、イラク、シリア等のような緊張し、テロリストの巣窟となっている地域に赴くことを禁じたと発言したと報じ、この数字は非常に大きいが、この過激派テロリスト予備軍は行政的にも治安上からも監視されていない危険な存在の可能性がrとしています。
記事はさらに、チュニジアが直面するもう一つの過激派問題は、海外で戦闘に従事していた数千人の帰還者(兵)をどう扱うかの問題があるとしていて、彼らの多くが人道上の犯罪にかかわった可能性があるとしています
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/tunisia/2016/08/31/تونس-تمنع-18-ألف-عنصر-من-القتال-مع-الارهابيين-في-الخارج.html
チュニジ人過激派の問題は今に始まった問題ではなく、何故今回特にal arabiya net が大きく取り上げているのかは不明ですが、おそらくは前首相の発言がきっかけかとも思いますが、取り敢えず

イラク情勢

イラク情勢につき、断片的ながら、取りまとめたところ、次の通り

・モースル解放作戦そのものは、まだ始まっていないが、イラク軍はその周辺で、al qiyara等重要な拠点を占拠してきました。
このモースル(イラク第2の都市)の解放については、これまでイラク政府は、今年末までには実現するとして、米軍の中ではその見方は楽観的過ぎるとの見方もあった模様ですが、al arabya net は30日、米中東軍司令官がモースルは今年末までには奪還できるであろうと語ったと報じています。
同司令官は、モースルの奪還は、イラクに於ける決定的な戦いとなるであろうが、ISとの戦いは激しく、厳しいもので、ISh多数の爆発物を仕掛けまた民間人を盾とするだろうと警告した由
(モースル解放作戦については、最近イラク政府とクルド自治政府、ペッシュメルガとの対立等が報じられ、またそもそもイラクの国防相が議会により罷免される…議会議長の汚職問題での彼の証言に対する報復とみられる…等、イラク政府側の足並みの乱れが連日報じられていたが、取り敢えずは米軍もイラク軍の準備体制等を評価したものであろう)
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2016/08/31/توقعات-أميركية-باستعادة-الموصل-خلال-4-أشهر.html
・他方、これまで長いこと多くの地域で激しい戦闘の続いてきた、アンバール県では、未だ戦闘が続いていて、イラク空軍は30日ラマーディ(県都)の東北部を空爆した由
なお、これまで激しい争奪戦が続いてきたal khaldia 島については、イラク首相が完全に奪還したと宣言した。
・これに対してISは、アンバール県の国境地帯のイラク軍を攻撃し、激しい戦闘で双方に多くの死傷者が出ている由。
・イラク軍は、シーア派民兵、部族兵(スンニ派)に支援されて、アンバール県のヨルダン、シリア、サウディ国境と接する国境の砂漠地帯からISを駆逐する作戦を行っている由
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/8/30/قتلى-لتنظيم-الدولة-في-غارات-واشتباكات-بالأنبار

混乱するシリア北部情勢

トルコと自由シリア軍のjarablus 侵攻後、自由シリア軍は制圧地域を広げていましたが、その後トルコ、自由シリア軍とPYDとの間に、停戦が合意されたか否かについて、米軍筋とトルコとの間で、公然たる意見の差が生じている模様です。

米中東軍報道官は、トルコとYPGとの間で2日間の停戦が合意されたと発表し、同軍司令官及び米大統領府が、この停戦を歓迎したとのことです。
これに対して、トルコは外務相が、停戦合意を否定するとともに、トルコの作戦はその安全保障に対する脅威がなくなるまで継続されると発言したとのことです。
また現地からの報道でもトルコ、自由シリア軍の作戦は続いているとのことです。
他方、クルド側では、manbij軍事評議会報道官は、実際に停戦が合意され、30〜31日の深夜12時から2日間停戦が実施されていると確認した由。
更に、彼によると停戦に合意したのはjarablus の軍事評議会で、manbij軍事評議会もこれに同意したとのことです。
また彼によると、ユーフラティス河東岸に撤収したのはYPGの部隊であって、上記2の軍事評議会の部隊は現地にとどまっている由
(これらの軍事評議会の性質や実質的な支配者等は不明だが、シリア民主軍と同様に、結局はYPGの別動隊であろうか?おそらくトルコは、両評議会の部隊が撤収していないことをもって、PYGは東岸に撤収していないと主張しているものとみられる)
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2016/08/30/تركيا-تنفي-أي-هدنة-شمال-سوريا-وتواصل-عمليتها-العسكرية.html
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/8/30/واشنطن-تؤكد-التوصل-لهدنة-تركية-كردية-بسوريا-وأنقرة-تنفي
取り敢えずのとこらは以上で、どうも状況は錯そうしていて、何がどうなっているのか良く解りませんが、トルコと米国と言う同盟国が、公の立場で真っ向から異なる事実認識を流すというのは、両者間の溝の深さを示すようです。
livedoor プロフィール
最新コメント
記事検索
  • ライブドアブログ