中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2016年09月

米ロによるシリアの分割(風刺画)

85c06e25-b1b8-4a6a-827d-b0edee64158a_4x3_296x222[1]シリアに関する米ロのr停戦合意は結局は両者の対立に至っていますが、両者のシリア政策に対する風刺画です。
オバマとプーチンがシリアと書かれたステーキを切り取って、お互いの口に運んでいます。
米ロによるシリア分割作戦という訳でしょうか?
http://www.alarabiya.net/

haftar将軍の統一政府参加拒否?(リビア)

リビアでは何事も、スムーズに動かないようで、先日カイロでセラージュ首相やトブルク議会議長等が集まって、エジプトの仲介で種々の会合が開かれ、セラージュ首相は最大の難問のhaftar 将軍の取り扱い振りについて、彼が政府に参加するように呼びかけたと報じられていました。
しかるにal arabiya net は、haftarがリビアは軍事的能力を有する指導者が必要であるとして、セラージュ首相の呼びかけを拒否したと報じています。
これはhaftar将軍部隊の石油地帯占拠以降、彼の立場が強化され、セラージュの立場が弱くなったことの反映かと思いますが、記事はさらにセラージュは来週パリで、トルコ、仏、エジプト、GCCその他の諸国の参加するリビアの今後に関する会議に参加し、統一政府に対する支持を呼びかけることになっていると報じています。
更に国連のリビア特別代表はジュネーブに陣取って、関係国に対して統一政府に対する支持取り付けにあたっているとも報じています。
http://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2016/09/29/حفتر-ليبيا-بحاجة-لزعيم-بمستوى-عال-من-الخبرة-العسكرية.html
http://www.alquds.co.uk/?p=605658

どうもリビアの話は断片的に入ってくるばかりで、何がどうなっているのかわかりにくいことばかりですが(そういえばシルト攻防戦が最終的に政府軍の勝利に終わったという話も報じられていません。まだ戦闘が続いているのでしょうか?)、上記から見ると、セラージュ率いる新統一政府の影響力が弱まり、haftar が新しいカッダーフィ(リビアの軍事独裁政権という意味)として浮上しつつあると言ったら悪いが、どうやら彼の力が上昇していることは事実のようです。
なお、上記2の記事が報じていますが、ロシア外務省及びhaftar に近い筋が、彼がロシアに対して武器供与を要請したとのニュースを否定したと報じています。
火のない所に煙は立たぬ?

副検事総長の暗殺未遂(エジプト)

エジプトではこれまでもカイロ等で、治安当局を狙ったテロが起きているところ(もっとも有名なのは2015年の検事総長の暗殺)、29日今度は副検事総長に対する暗殺未遂事件が起きました。
場所はヘリオポリスで、彼が自宅を出てからのこととのことで、彼は無傷であったが、通行人1名及び護衛2名が負傷した模様。
現在のところ犯行声明は出ていない模様で、詳しい事情は不明なるもとりあえず
http://www.alquds.co.uk/?p=605607
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2016/09/29/سماع-دوي-انفجار-في-القاهرة-الجديدة.html

シリアをめぐる米ロの対立の深刻化

アレッポ状況をめぐる米国とロシアの対立は、アラビア語のメディアを読んでいる限り、ますます深刻化し引き返しのできない方向に向かっている感じさえします。
このような状況に対して、国連の人道援助担当者は安保理で、アレッポ情勢は現在シリアが目にしている人類最大の悲劇であると指摘した由。

米国は、ロシアの東アレッポ空爆を野蛮で、国際法違反だと非難し(米国連代表によると、ロシア軍機と政府軍機のアレッポ空爆は1700回に達し、その犠牲者は1000名に達し、ロシア機の空爆は政府軍機のそれよりも酷い由)、ロシアが空爆を中止しない限り、シリアに関するロシアとの協力、交渉は中止せざるを得ないと警告し(特にケリー長官が)ています。
このような米国の立場は英仏独等にも共有されている模様で、いずれもロシアの空爆は国際法違反で野蛮であるとしているようです。
それに対してロシア側では、米国との交渉を続ける用意があるとしつつも、シリアでの米国の行動がテロリストの活動に何らかの関係があると非難し、ロシア兵が標的とされることに警告を発し、空爆を停止する用意は全くないと表明しています。
このような中で、オバマ大統領は、ロシアとの協力から停戦を経ての政治的解決という従来の政策路線を見直し始めた模様で、al jazeera net は、大統領が彼の安全保障関係者らと何度も、この問題について協議を始めていて、大統領は、大規模な米兵の派遣を除くその他の全ての選択肢を検討することを指示したとしています。
安保理等の国連を通じた解決は相手がロシアという常任理事国だけに、当面問題外だろうと思われますが、選択肢と言っても、米軍の大規模派遣を除くとすれば、反政府派に対する支援等位しかなさそうな気がしますが、ロシア国防相が特にロシア兵士を標的とすることに対して警告したのは、その辺の意味があるのかもしれません。

いずれにせよ、現在BBCやCNNもペレスの葬儀関連その他のニュースを追うのに忙しいせいか、シリアに関して本日はあまり詳しいニュースもなさそうで、上記アラビア語メディアの報道も、若干先走っている可能性はあると思いますが、非常に気になったので取り合ず
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2016/09/29/سوريا-مأساة-حلب-على-طاولة-مجلس-الأمن-اليوم.html
http://www.aljazeera.net/news/international/2016/9/30/تصعيد-روسي-أميركي-غير-مسبوق-بشأن-سوريا
http://www.alquds.co.uk/?p=605902
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/9/29/أوباما-يبحث-عن-بدائل-لإنهاء-الحرب-بسوريا


ペレス元大統領の逝去

ペレス元大統領の葬儀に世界各国から、元首、政府首脳等が参加しています(もっとも顕著なのは米国で大統領、副大統領の他クリントン前大統領、その他多数の政治家が参加の由)が、(私から見て)最も注目されるアラブ諸国からの出席者は、al qods al arabi net とy net newsによれば、アッバス議長を除いては元首または政府首脳の参加はなく
パレスチナからは   アッバスパレスチナ暫定政府議長
エジプトからは     外務大臣
ヨルダンからは     副首相(未確認の由)
モロッコからは     国王顧問
オマーンからは     スルタンの代理
が出席する模様です。
またバハレン外相が弔意を表明したことは先に報告しましたが、そのことが議論になっている模様です。
またヨルダン国王はイスラエル大統領に対して弔電を送った由。
http://www.alquds.co.uk/?p=605662
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4861579,00.html

これらアラブ諸国はいずれもイスラエルと国交があるか,実際に友好的関係を有している国ですが(あえて言えば、1990年代の末にイスラエルとの和平に熱心であったカタールとチュニジアが入っていない)、弔問外交という観点からすれば、タカ派の最たるネタニアフに対して、最後まで和平を求めていたペレスの葬儀に、大規模かつよりハイレベルの代表を送ることで、中東紛争に関するアラブ諸国の熱意と、ネタニアフに対する拒否の意向を具体的に表せたのではないかという気がしますが、アラブの春を経て、ISの脅威の拡大、シリア内戦の激化、イエメン内戦の長期化等、アラブ諸国をめぐる状況は大きく変わってきて、今やパレスチナ問題どころではない、ということなのでしょうか?
尤もアラブにそのような国際感覚とセンスがあったならば、ここまでイスラエルに押しまくられて、追いつめられることなく(このままでいけば西岸のほとんどの地域にイスラエルの入植地ができてしまい、パレスチナ国家の建設など夢のまた夢になりそう)、もっと有利な条件で和平を獲得できたと思うのですが…・これも死児の齢を数える類でしょうね。
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