中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2016年10月

レバノン大統領選出問題

レバノン大統領の選出問題は、朝の時点ではミシェルアウンがヒズボッラーとハリリ等の支持を得て、本日選出されそうな報道でしたが、レバノン議会は選出に失敗したとのことです。
今回は議員定員128名中127名が出席し(1名は辞職した模様)、、投票まで行ったが、アウンの獲得票は82、反対36票、棄権6票で、必要な出席議員の3分の2の賛成を得られなかったとのことです。
アラビア語メディアは、事前の票読みでは、彼は90〜95票を獲得するとみられていたとしています。

いずれにしても、議会ではすでに第2回投票が始まっていて、第2回投票では必要獲得票数は65(要するに過半数か)とのことですので、明日起きた頃には、アウン大統領が誕生していると思います
彼は第1回投票後、議員の前で就任宣誓式を行い、就任演説を行う予定であった由。
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/10/31/برلمان-لبنان-يبدأ-جلسة-انتخاب-الرئيس
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2016/10/31/بدء-جلسة-انتخاب-ميشال-عون-رئيسا-للبنان.html
http://www.alquds.co.uk/?p=622191
速報を目的としないはずのこのブログで、こんな中途半端なことを書くのは若干気が引けますが、何しろ朝時期尚早のニュースを流した責任もあるので、取りあえず

メッカに対するミサイル攻撃(イラン反政府派の発言)

hothy連合が、メッカ方面に地対地ミサイルを発射した事件については、先日報告しましたが、サウディ政府はイスラム諸国会議等多くの場を使って、イスラムに対する冒涜だとの宣伝を行っていますが、今度はこの事件は、イラン最高指導者の指令に基づくものだとのイラン反政府派の発言です。
これはサウディ系のal arabiya net が報じるところで、それによるとイラン抵抗国民評議会議長(女性)が、この事件はイランお最高指導者ハメネイの指令によるもので、、発射したのはイラン革命防衛隊のコドス部隊だとして、これはすべてのムスリムに対する攻撃だと激しく非難したとのことです。

そもそも反政府派がそのような情報をどこから入手しうるかの問題もあり、この非難は事実に基づくものというよりは、反イラン政府宣伝の一部と見る方が正確だろうと思われます。
またこのような反イラン宣伝を大きく、自国の系統のメディアで流させるサウディ政府は、この事件を対イラン(反イスラムのイランとして)の宣伝に全面的に利用しようとしているように思われ、シリアにしろイエメンにしろ、湾岸一般の問題にしろ、当面両国の関係の改善は望めないどころか、更に先鋭化する可能性もあるかと思われますので、ご参考まで
https://www.alarabiya.net/ar/iran/2016/10/30/مقاومة-إيران-صاروخ-الحوثيين-على-مكة-أطلق-بأمر-من-خامنئي.html

エジプトの洪水(政府に対する不満)

先日お伝えしたエジプトの紅海沿岸の被害は死者26名、70名に上った由ですが、al jazeera net は、この災害に対するエジプト政府の用意のなかったこと及びその後の対応が真剣でないことに対して、民衆およびマスコミの怒りが大きくなっていると報じています。
これを報じているのは、al jazeera net で、al jazeera はエジプト政府とは長いこと敵対関係?にあるので、その報道は割り引いて見る必要性はありそうですが、何しろエジプト政府は92年だったかのカイロの大地震の時にも、救援活動はあまりに大きく後手に回り、その間ムスリム同胞団関係者が医療、救出、資金の貸し付け等で大活躍し、その後の同胞団の躍進につながったこともある国ですから、政府の対応が極めて貧弱だったことは十分あり得ることだと思います。

記事によると、影響を受けたのは、南シナイ県、スハージュ県、紅海県、ケナ県の4県で、人的被害の他に道路切断、農場が流されたこと等で、数百万ポンドの被害が出たとのことです。
エジプト気象台長は、気象台としては秋の初めから、大雨、洪水の可能性について4回の警告をすべての政府関係者及び県庁に出したとしている由。
これに対して、地方大臣は議会で、政府は自然災害に対して怠慢であったかもしれないと述べたとのことで、議会は調査委員会を設けることとした由。
またエジプト紙は、現地視察に赴いた首相は、紅海県で抗議する群衆によって視察を妨げられた、と報じてい居る由。
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/10/31/اتهامات-للحكومة-المصرية-بالتقاعس-في-مواجهة-السيول
取り敢えず

IS関係テロリストの逮捕(サウディ)

サウディもアルカイダの時代から「腐敗した王政」として過激派のテロの標的になってきましたが、al arabiya net は、サウディ内務省が30日、サウディ内で2のIS関連細胞を摘発し、サウディ人からなる細胞と、ジェッダでのサウディ―UAEのサッカー試合でテロを計画していた非サウディ人の細胞を摘発し、サッカー試合の方は大参事を未然に防いだと報じています。
・サウディ人からなる細胞の方は、shaqlah 県を根拠地として、ISと連絡を取りつつ、治安関係者を狙っていたとのことです。メンバー4名はいずれもサウディ国籍
・もう一つの細胞は、パキスタン人2名、シリア人1名、スーダン人1名で、こちらの方もISの指令を受けつつ、ジェッダのサッカー競技場で行われるサウディ対UAEの試合を狙っていた由。
犯行には自爆車を使う予定であった由。
https://www.alarabiya.net/ar/saudi-today/2016/10/30/السعودية-احباط-عملية-إرهابية-تستهدف-ملعب-الجوهرة-بجدة.html
確か昨年だったかのパリでのISのテロでも最初はサッカー競技場を狙っていたかと思いますが、サッカー場を狙うというのはISの一つの手口になったのでしょうか?

シリア情勢(アレッポ等)

アレッポ等意リア情勢に関する落穂ひろいを続けます

・アレッポでは反政府軍の攻勢とそのロケット攻撃が報じられていますが、ロシア国防省はロシア機と政府軍機は、この13日間アレッポ上空を飛行していない(すなわち攻撃していない)と語った(ただし、一部にはシリア政府筋の話として、これを否定し、シリア機は東アレッポに対する攻撃を続けていると主張したとの報道もある)
・このロシア機の空爆停止にも助けられてか、反政府軍はアレッポの南で、東アレッポ封鎖の重要な拠点である軍事学校軍に接近している由。
さらに、西アレッポにも侵入し、一部の地域を占拠し、政府軍の反攻を撃退した(反攻が成功したとの報もある)由。
西アレッポでは市街戦が続いている模様
・(反政府軍が政府軍拠点に対して大量のグラッド・ミサイルを発射したことは既に報告済みだが)国連のシリア特別代表は、反政府軍が西アレッポの住宅地に大量のミサイを無差別に発射したことを非難した。
代表は、信頼すべき情報によれば、このため多くの児童を含む住民多数が死傷したとして、西アレッポに対する攻撃は、東アレッポに対する包囲に対抗するものだとの主張は、正統性がなく、このような無差別攻撃は人道法違反の犯罪に該当する可能性があると非難した由
(これまで欧米は、ロシア機と政府軍機の東アレッポに対する大量無差別空爆が、人道法違反の犯罪行為に当たるとして非難してきたが、これで反政府軍も人道法違反を犯している可能性が出てきて、アレッポの戦い、というかシリア内戦そのものが如何に、人道的にひどいことになっているかを、改めて示すものと言えよう)
・反政府軍の中のファタハ軍(旧ヌスラ戦線か?)は、アレッポの戦意で、自爆車等の攻撃で、複数のイラン兵を殺したと発表した。
革命防衛隊筋も、革命防衛隊のアドバイザー及びバシージ(その補助民兵)の隊員各1名が死亡したと発表した。
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/10/31/المعارضة-السورية-تعلن-مقتل-مسلحين-إيرانيين-بحلب
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2016/10/30/سوريا-المعارضة-تواصل-التقدم-في-معركة-فك-الحصار-عن-حلب.html
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/10/30/دي-ميستورا-يهاجم-المعارضة-السورية-المسلحة
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2016/10/29/المعارضة-باتت-على-مشارف-أكاديمية-الأسد-العسكرية-في-حلب.html
・al jazeera のレバノン特派員によれば、アレッポの戦闘が激しかったこともあり、ヒズボッラーの10月のシリアでの戦死者は31名に上った由
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/10/30/31-قتيلا-لحزب-الله-في-سوريا-خلال-أكتوبر
・イランの革命防衛隊副司令官は、政治的解決を決めるのも所詮は戦場での実力関係で、戦場で優位にあるものに第1の発言権があると指摘した。
この関連で、彼はシリア政府等を含む「抵抗戦線」(こんな言葉はあまり聞いたことがない、通常シリアで抵抗勢力というと、、反政府軍の方だと思うが…)は、戦場でも優位に立ち、政治的にも優位であり、この優位な状況がひっくり返る心配はないであろうと語った
(イランはイデオロギー過剰の国というイメージが強いが、結構現実主義的な考えを持っているものです。
この「戦場が交渉というか政治的解決の行方を決定する」という考えとか現実は、国連で特にアラブ・イスラエル紛争をフォローしていて、実感させられたものです)
http://www.aljazeera.net/news/international/2016/10/30/جنرال-إيراني-الحل-السياسي-بسوريا-يفرضه-الميدان
livedoor プロフィール
最新コメント
記事検索
  • ライブドアブログ