中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2016年11月

イスラエル機のダマス西方での空爆?

どうもシリアにおけるイスラエル機の活動が活発になってきた模様です。
先日は、イスラエル機がゴラン高地のISを空爆し、4名だったかを殺害したことを報告しましたが、al qods al arabi net とal arabiya netとy net news は、シリア政府に近いメディアが、30日未明、ダマスの西方のダマスーベイルート道路沿いで、4回の爆発があったが、これはイスラエル機の空爆によるものであると報じていると伝えています。
そのうち一部の対象はシリア軍の弾薬庫で、物的損害はあったが、人的損害はなかった由。
残りはベイルート―ダマス道路の近くを走っていたヒズボッラーの車列を狙ったものの由。こちらの方の損害の程度等は不明だが、イスラエルが政治的、軍事的幹部を狙ったものではないとしている由
イスラエル軍は、この事件について(いつものことながら)否定も肯定もしていない由
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4886313,00.html
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2016/11/30/أنباء-عن-غارة-إسرائيلية-على-موقع-للنظام-السوري-.html
http://www.alquds.co.uk/?p=638104
どうも詳細も背景も、更には事実関係も不明な事件(もっとも通常のIDFのやり方からすると、事実に反する場合には否定するので、否定も肯定もしないということは事実であった可能性が強い)ですが、取りあえず

今朝は授業があったのでやっつけ仕事で2ほど記事を書きましたが、今晩は珍しくも、この老人の家に客がある(別に妙齢の女性ではなく、酒の好きな友人だが)ので、本日はこの程度でお茶を濁しておきます。
明日は二日酔いでなければ、真面目に書きます。




 









hothy連合の政府樹立(若干の反応)

hothy連合が内閣を組織したことは昨日報告しましたが、予測された通り、イエメン政府は激しく反応していて、大統領府はhothy連合の内閣設立は、いかなる平和も対話も不可能にするものだと表明した由。
また、GCC(湾岸諸国)も、この内閣設立は、イエメン問題の平和的解決を阻害するとの声明を発し、アラブ連盟に至っては、この内閣設立は何の価値もない、と事務局長が表明した由。
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/11/29/رفض-واسع-لإعلان-الحوثيين-حكومة-بصنعاء
http://www.alquds.co.uk/?p=637797
これら反応は半ば予測されたものでしたが、問題は国連特別代表が調停活動を再開し、特にhothy連合代表団と会談した直後の設立(もっとも、hothy グループとサーレハ陣営の割り当て比率とか人選とか、設立の準備そのものは、かなり前から進められていたのではないか?)のひょうめいで、hothy 連合の思惑が気になります。
これまでのところ、その辺に関する報道はありませんが、hothy連合が国連調停による和平を否定した背後に何があるのか?例えば、戦場で有利になりつつあるので、このあたりで妥協しないとのシグナルを送るとか、イランの意向とか、hothyグループとサーレハ・グループの不仲が伝えられるところから、陣営の引き締めを図ったものか?等々考えられますが、これだという情報もなく、今のところ様子を見守るしかなさそうです











シリア情勢(アレッポからの住民の避難等)

本日も授業ですので、取りあえず一言だけ

・東アレッポでの戦闘が激化し、政府軍の制圧地域が拡大しているところ、29日国際赤十字によれば、過去48時間で20000人の住民が、避難したとのことです。
これまでの40000人が避難していて、これで避難した住民は60000になる由
(ということは未だ未だ多数の住民が現地に残っていることになり、安否が危惧されます)

・他方、昨日だったか、仏がアレッポ情勢等シリア問題協議のために、至急安保理を開催するように要請しましたが、これに対してロシアの国連代表は、英仏が用意した決議案(アサド政権が化学兵器を使った等の理由で、制裁を課す内容の由)は通過させないと発言した由
(要するに、仮に決議案が上程されたら拒否権を行使するという意味でしょう)
仏代表によると、安保理審議の日程については、現在議長と協議中の由
http://www.alquds.co.uk/?p=637800
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/11/29/موسكو-لن-نقبل-بمعاقبة-نظام-الأسد-بمجلس-الأمن




歴史的寒さ(サウディ)

095b7b4d-6cca-448e-a766-f9beac814afc[1]何処か日本の景色に似ていますが、サウディです。
確か昨日だったかタブークで雪が降ったことをお伝えしましたが、サウディの南部はその後もこれまでにない厳しい寒さと雨が降って、氷が張っているとのことです。
そういえばl京都もこの2〜3日寒い日が続いています。
皆様風邪など召しませんように。よく行く近くの内科医でも、このところ風邪で大入り満員の状況です

https://www.alarabiya.net/ar/saudi-today/2016/04/24/بالصور-العربية-نت-ترصد-برد-بلًلسمر-جنوب-السعودية.html





シーア派民兵とPKKの提携?

モースル攻防戦で、シーア派民兵はその西のテルアファルを抑えて、モースルとシリアのラッカの間の連絡を遮断し、ISを閉じ込め、補給路を断つことを任務としているところ、テルアファル周辺の複数の村落を奪取し、更に占領地を広げるべく部隊の増強を行っている由。
但し、ISの側でも民兵の占拠した村落2を奪い返したとしている由。
テルアファルの町そのものの攻略には、イラク軍及び連邦警察が当たることになっていて、現地イラク軍司令官はスンニ派とトルコマン(シーア派)からなる3500名からなる部隊がこれにあたるとしている由。
しかし、例のマリキー副大統領(要するにそもそもモースルを失った当の責任者!)は、テルアファル攻略にシーア派民兵が参加するのは当然だ、としてイバーディ首相をけん制している由。
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/11/29/الحشد-الشعبي-يعزز-قواته-في-تلعفر
この問題についてal qods al arabi net は、シーア派民兵とクルドの共産勢力PKKとの間で協力合意ができ、トルコとクルド自治政府を遠ざけ、イランのためにイラクからシリアへの回廊を開くことになるとの記事を載せています。
そのソースは独自ソースということで、またいかにイランがシーア派民兵を使ってシリアへの回廊を欲していても、イランにとってもクルドのPKKはr天敵のはずで、にわかには信じがたい記事です。
また記事の通りなら、クルド自治政府をいたく刺激するはずで、どうも信じがたいところが多すぎます。
しかし、何しろあの辺の状況は錯綜していて、種々の勢力が絡み合っているので、もしかするともしかする可能性もあり、また仮に事実ではないとしても、このような記事fが出てくる背景がいろいろと想像され、興味の尽きないところです。
取りあえず記事の要点のみ次の通り紹介しておきます。

「テルアファルで,躓いた・・上記2村落失陥のことか?・・シーア派民兵は、PKKがシンジャ―ル地域で、土地と基地を与えてくれるとのことで、作戦を変えることとなった。
我々のソースによれば、シーア派民兵(長いので以下hashad と書く)は、テルアファルでの失敗の後、PKKとの合意に従い、一部の兵力をシンジャ―ルのPKK支配地域に移して、そこからテルアファルを狙うこととした。
ソースによるとhashad の指導者hadi alamri は先に、シンジャ―ルに赴き、PKKの指導者と協議し、イランとシリアを結ぶ回廊の開設で合意した由。
この新しい枢軸の狙いは、トルコを北イラクから遠ざけ、クルド自治政府軍ペッシュメルガの影響を抑え、イランからの補給等が北部イラクを通り、北シリア、更には首都までつながることを目標としている由。
この合意は、モースル作戦の後、、作戦をシリアにまで拡大するために、2月間にわたった交渉の結果であり、イラク政府がPKKの給料や兵器、弾薬等を負担することになっている由。
またhashad は、テルアファル等の管轄権をモースルから切り離してhasha に与えるように圧力をかけている由。
PKKとしては、この合意で間接的にイランとつながり、地域内におけるその影響力拡大のためにイランお支援を受けることができることとなる由。
http://www.alquds.co.uk/?p=637271




















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