中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2017年02月

北部シリアの勢力図の変更?

先ほどはトルコがシリアとの国境地帯に大規模な部隊を増派しているというニュースをお伝えしましたが、この動きとおそらくは関係があるのではないか、と思われるのが、北部シリアにおける政府軍の前進です。

al jazeera net は、過去1週間の間に政府軍とその同盟者(ヒズボッラーか?)が、al babの南の20の村落を占拠し、manbijのクルド(シリア民主軍)占拠からアレッポに伸びる、回廊を支配し、トルコ軍と自由シリア軍がラッカ方向に南下するのを阻止する体制を作ったと報じています。
記事はこの方面では、ISは政府軍に対して、抵抗らしい抵抗もせずに、地域を明け渡したとしており、政府軍はトルコ軍等の接近を防ぐために、さらに活動を強化していると報じています(ISが抵抗しなかったのが事実として、その背景は不明。一部のアラブ紙ネットは、政府軍と提携してトルコ軍の攻勢を阻止するためとしているものもあるが、若干読みすぎの意見か?)
記事は、この政府軍の侵攻で、西部のシリアの政府軍支配地域から北部の、YPG支配地域まで回廊ができたと報じています。
また、この点に関してはシリア民主軍のクルド筋も、クルド勢力と政府軍の衝突は、おそらくないだろうとしている由。
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/2/28/النظام-السوري-يسعى-لتغيير-خريطة-المواجهات-قرب-تركيا
おそらく明日以降になれば、上記トルコ軍の動きと合わせて、このあたりの状況ももう少し、明らかになってくると思いますが、とりあえず










イエメン情勢(hadi大統領のUAE訪問等)

イエメンでは、紅海沿岸地帯をhothy連合から奪還するとの、政府軍の作戦は、モカを奪取し、一部はさらに首都サナアの外港のホデイダ目指して前進中とのことです。
なお、この作戦はアラブ連合の空軍と海軍に支援されている由
しかし、モカ周辺では、いまだにその北部方向、および東部方向への作戦が続いて伊rて、政府軍はモカに増援部隊を派遣した由。

他方、マアレブではhothy連合が、マアレブの町に対して、地対地ミサイルを発射したのを、アラブ連合のパトリオット・ミサイルが捕捉した由
なお、この地域ではかこhothy連合が10発のミサイルを発射しているがいずれも捕捉されている由(捕捉率が100%…事実であれば…というのもすごいが、いくら潰しても、潰しても、ミサイルがなくならないというのは、やはり太い武器密輸のパイプがあるからでしょうかね?)
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/yemen/2017/02/27/الشرعية-تتقدم-في-جبهة-المخا-على-الساحل-الغربي.html
http://www.alquds.co.uk/?p=681130
しかし、本日のイエメン関係で最も注目される、というか興味深いのが、hadi大統領の突然のUAE訪問です。
これを報じるal qods al arabi net の別の記事は、大統領はUAE訪問後、サウディを訪問し、サウディ関係者と協議をしたと報じています。
記事はさらに、(先に報告したアデンにおける大統領警備隊と安全地帯警備隊の衝突とUAEの介入に関して触れて)この訪問は、先の衝突でUAEが空港警備隊を保護した問題で、両国関係が緊張したことを受けて行われたものとコメントしています。
それによると、空港警備隊が給料の支払い遅延に抗議したところ、大統領の息子が率いる大統領警備隊が、これに対抗し、衝突になったが、大統領が大統領警備隊を後退させて収まったよし。
大統領に近い筋は、今回の訪問の目的は、両警備隊の権限の明確化、連絡方法の明確化等にあるとしている由。
なお、UAE部隊はアラブ連合軍の中で、サウディに次ぐ第2の兵力で、主としてアデン、ラハジェ、アブヤン、ダリヤ地域を担当しているよし
(以上が記事の要点ですが、どうも察するに、hadiは先日の衝突について、UAEから非難され、呼び出されて善後策を協議に行って、その帰りに最大の「株主」のサウディの了解も取り付けるためにリヤドに立ち寄った、というところが真相ではないかと思われます。
何しろ、自分だけでは・・というよりも圧倒的なアラブ連合空軍の支援を受けてさえ・・・hothy連合を鎮圧できないhadi政権にとっては、アラブ連合軍の第2の主力であるUAEを怒らせたままではおけなかったのでしょう。
とにかくイエメン情勢は複雑というか、怪奇ですね)
http://www.alquds.co.uk/?p=680871







セラージュ首相のロシア訪問

ロシアはシリアではトルコ、イラン等とともに、アスタナ会談を開いて、停戦の監視にもあたっていますが、どうやらリビアでもロシアの出番のようです。
alarabiya net は、リビアの統一政府首相のセラージュが、彼とhaftar将軍との間の氷山を溶かすため(ロシア訪問なので、なかなかうまい表現を使う!)にロシアの仲介を頼んで、モスクワを訪問すると報じています。
それは彼とhaftarのカイロでの会談が実現しなかったため、ロシアの要人に会うためである由。
haftarは2度モスクワを訪問しており、また先日リビアに寄港したロシア空母艦上では、ロシア軍人等とも会談しているところ、セラージュは彼とhaftarの意見の差を縮めるうえで、ロシアの役割を期待すると語っている由。
記事はさらに、ロシアはリビアの政治的解決を支持するが、当面はISとの戦いを最重要と考えていて、協力相手としてはhaftarを好んでいるとコメントしています
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2017/02/28/السراج-يزور-موسكو-للمساعدة-في-دفع-جهود-الحل-في-ليبيا.html
記事にもあるが、彼とhaftarがわざわざカイロまで出かけて行ったにもかかわらず、会談が実現しなかった経緯があるが、さらに先日はエジプトーチュニジアーアルジェリアの3国外相がリビアについて協議したが、何の具体的な成果もなかった模様で、やはりここでも「実力を有する」ロシアの出番、ということになるのでしょうか?
これも一つには、リビア情勢で最も影響を受ける欧州連合が、brexit やウクライナ問題や対トランプ問題やら、多くに加盟国の選挙で(オランダ・・あの自由主義のオランダで・・や仏などでは、極右政権の出現の可能性が出てきている)求心力を失っていることが、大きな要因かと思われます。
尤も、口で何と言おうとも、もしょせん、彼らにとって最大の関心は、リビア経由の難民、避難民の流入問題で、気候の悪い冬にはその流入が減少しているので、関心が高くないのかもしれない。








 
















シリア情勢(とくに北部情勢)

・シリアでは政府軍機とロシア軍機が、イドリブ、ダマス、ホムス等を空爆し、住民にかなりの死傷者が出ている模様です。

・しかし、何といっても今後大きな動きがありそうなのは、北部シリアで、特にal bab からアレッポ、manbij ,ラッカ方面の動きが激しくなりそうです。
al bab 方面では、自由シリア軍とトルコ軍がようやく同市を完全に制圧し、住民も戻りつつある模様ですが、その間tadef 等からISが撤退したことに乗じて(ISの戦意は低下している由)政府軍が、al bab の南、南東の地域を占拠し、YPGを中心とするシリア民主軍の制圧地域に近づきつつあり、シリア人権もうでは自由シリア軍とトルコ軍の前進を止めることになるとみている由です。
他方、ほかに類似の報道はないが、al qods al arabi net はトルコ軍がシリアとの国境方面に、大量の部隊を増派してるとのことで、どうも上記政府軍の動きとの関連で、この方面でトルコ軍等の何か大きな動きが、起きそうな気がします。
ということで、al qods al arabi net の記事の要点のみ次の通り紹介しておきます。
もちろん、仮にこの報道が事実であっても、その意味するところは必ずしも明確ではないので、念のため

「27日、トルコ首相は突然イスタンブールで国防大臣と参謀長と会談したが、その数時間後には、イスタンブール滞在中のエルドアン首相が彼らを集めて会議を行った。
これらの会議については何の発表もない。
トルコ軍は、それに先立ち、24,25日と、シリア国境に面する地域に、トルコ各地から各種増援部隊が送り込まれていたが、27日には、戦車、装甲車等を含む増援部隊が到着した。
さらに、27日には国境の町ガジアンテップに、22両のAPCを含む大規模な増援部隊が到着した」
http://www.alquds.co.uk/?p=680883
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/2/27/قتلى-في-غارات-بريف-إدلب-وتقدم-للنظام-شرق-الباب






ISのアルジェリアでのテロ

al qods al arabi net とal arabiya net は26日、アルジェリアのqasantina (仏語や日本語ではコンスタンティーヌ。首都アルジェから東に450卉賄澄砲如■稗咾砲茲襯謄蹇覆泙燭魯謄輒た襦砲あったと報じています。
ISのアアマーク通信は、その戦闘員が同市の警察本部で自爆しようとしたと報じたとのことですが、地元紙等は自爆ベルトを着けた男が警察本部に入ろうとしたが、警官がこれを阻止したとしている由。
さらに、同日は同じ町の国家治安本部の支部を爆破しようとするテロも阻止されたとのことです。
これを報じるal qods al arabi net は、コンスタンティーヌでは、これまで大きなテロ事件というのは起きていなかったこともあり、アルジェリアで衝撃が走っていると報じています。
さらに、最近アルジェリア治安当局がal bouraで14名の過激派を逮捕する等、複数の町で、テロ対策の成果を上げていたこともあり、過激派の力を誇示する意味があったとコメントしています
http://www.alquds.co.uk/?p=680869
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2017/02/27/جرحى-في-تفجير-انتحاري-استهدف-مقرا-للأمن-شرق-الجزائر.html
アルジェリアの過激派といえば、例のアイン・エミナスだったかのガス田施設に対する攻撃(日本人10名も犠牲になっている)などのように、どちらかというとansar al sharia とかアルカイダ系が強いという印象がありますが、やはりここでもISの手が伸びている模様です。
もしかすると、シリア、イラクでの退潮を受けて、ISがリビアから北アフリカあたりでの活動を活発化させるという動きの一環かもしれません。
確かに最近、チュニジアだったかと思いますが、リビアのIS対策につき、チュニジア、エジプト、アルジェリアの3国外相が協議したばかりです。






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