中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2017年03月

アラブ首脳会議と現実のアラブ世界の悲劇(風刺が)

24646f1c-e0f8-4441-aecd-808b21802eaf[1]アラブ首脳会議については、一応義務的に報告はしましたが、アラブでも私と同じ印象は強いらしく、ずいぶん痛烈な風刺画です。
TVのアナウンサーが「中断して、アラブ首脳会議についてお伝えしましたが、またシリア、イラク,リビア、パレスチナの虐殺事件に戻ります・・・」と話していて、それを聞いている小父さんとおばさんの表情が何とも言えません。
要するにアラブ世界には、悲劇がいっぱい起きているのに、アラブ首脳会議は、単なるエピソードくらいの価値しかない、という意味なのでしょうね。
http://www.aljazeera.net/news/caricature/2017/3/31/كاريكاتير-انتهت-القمة

次の目標はホデイダ港?

米国がホデイダ港に対する攻撃を検討しているというニュースは、既に報告しましたが、イエメン政府もアラブ連合軍の次の攻撃目標はホデイダ港だとしているとのことです(紅海沿岸をモカからホデイダまで攻略する作戦はずいぶん前に始まっていて、、本来ならば今頃アラブ連合空軍の支援を受けた政府軍が、ホデイダなど制圧しているはずですが!!イエメン政府というのは、どこまでも外国頼みですね)。
これは、al arabiya net が報じるところですが、イエメン政府は先に国連が現在イエメンの救援物資の受け入れ港とされているホデイダが、戦闘の舞台になる可能性があるとして、アデン等の代替港を検討していると伝えられたことを歓迎して、アデン、マカッラ等の港およびサウディ国境からの陸路輸送は安全で、hothy連合が物資を横取りする心配もないと表明した由(マカッラであれば、むしろアルカイダなどが心配だが!)。
また先日政府軍が攻略したモカ港は政府およびアラブ連合が修復している由。
そしてホデイダ港は、アラブ連合軍の次の攻略目標とみられるとしている。
この点に関して、アラブ連合軍報道官は、ホデイダ向けの物資輸送をジブチでチェックしている国連の検査は不十分で、hothy連合は未だに、同港から武器その他の密輸品を入れていると批判した由。
そして(同港に対する)軍事行動は、hothy連合が国連やGCCの決議を完全に実行したときまでは止まらないとした由
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/yemen/2017/03/31/التحالف-العربي-هدفنا-المقبل-استعادة-الحديدة.html


















リビア情勢 2(イスラム勢力のカッダーフィ残党に対する秋波)

リビア情勢の2ですが、al arabia net は、イスラム勢力がカッダーフィの支持者を取り込もうとしている、との解説記事を載せているところ、真偽のほどを判断する能力はないが、最近のトリポリでの戦闘等確かにイスラム勢力には陰りがみられ、また元カッダーフィ支持者の一部釈放等、なるほどと思われる状況もあり、とりあえず記事の要点のみ、次の通り
ただし、ちなみにal arabia はサウディ系で、昔から同胞団を含むイスラム勢力には批判的だったと思うので、その点はあるかと思われる。

「最近のトリポリおよびリビア西部での、イスラム主義勢力のカッダーフィ支持者との接近は、彼らが政権をとるために隠しておいた、この切り札を使おうとしているのか、という疑惑を生じさせている。
現に28日には、イスラムグループの指導者でal hodhba 刑務所を管理している男は、治安関係者を含むカッダーフィの支持者14名を釈放した。
昨年半ばから両者の接触は頻繁になってきており、カイロに亡命している元保健大臣は、ドーハ(カタール・・・確かムスリム同胞団支持だったと思う)でムスリム同胞団を含むイスラム勢力と会議を開いたと認めている。
その直後に上記刑務所から、カッダーフィ支持者8名が釈放されている。
チュニジアのメディア筋によると、ナハダのガンヌーシ党首が両者の接近を支持しており、リビアの情勢が変わったので、すべてのリビア勢力が協力する必要があるとしている由
(アラブの春の一つの象徴のガンヌーシが旧勢力との和解を働きかけているとすれば、まことに皮肉だが!!)
ちなみにリビアのイスラム勢力は、このようなガンヌーシの動きを隠そうとしていない由。
また釈放された人物を見ると、政治的に民衆の支持を受けそうなものや、部族で影響力のあるものが慎重に選ばれていて、カッダーフィ政権の抑圧の象徴であったような人物は避けられている由。
これはおそらくイスラムグループが、2014年選挙を失い、その後「リビアの暁」やシュルーク等の民兵の活動も成功せず、その後ミスラタ民兵がこれら勢力を攻撃し、分裂が深まっていることにも関連していると思われる由。
さらに彼らに反対する群衆のデモがある等、彼らは軍事的、政治的に包囲されつつある。
彼らはいわゆるリビア軍とその指導者haftar 歓迎のプラカードを持っていた。
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2017/03/30/تيار-الإسلام-السياسي-بليبيا-يستنجد-بأنصار-النظام-السابق.html













リビア情勢 1

al arabiya net はリビアについて2の解説記事を載せているところ、1は何故haftar将軍はチュニジア訪問を拒否しているのか?というもので、もう一つはリビア、特にトリポリのイスラム勢力がカッダーフィの支持者を取り込もうとしているというもので、両者間に直接の関係はないが、どうもどこか背後で、リビア問題とイスラムの関係がのぞける感じもするので、双方の記事の要点のみ紹介します。
若干長いので、別々にします。

何故haftarはチュニジア訪問の招待を無視しているのか?
「チュニジアは現在、ほかの周辺国と同じように、リビア問題の政治的解決を目指して、リビア政局に影響力のあるすべての勢力と接触し、彼らに相互妥協をさせようと努力していて、その中には実力者であるhaftar将軍も含まれている。
しかし、haftarはエジプトとかのアラブ諸国、さらにはほかの国も訪問して、指導者らと会談しているが、チュニジアからの度重なる招待は無視していて、訪問しようとしていない。
その一つの理由は、チュニジアがリビア情勢に与える影響力の小さで、haftarとしては、まずは影響力の強い国を優先して接近しているとみられている。
しかし、理由はそれだけではない。
専門家筋は、話はチュニジアの革命直後のトロイカ時代(確かナハダ党が中心となった、3党が連立した政権だったので、トロイカと呼ばれたかと思う)にさかのぼり、当時チュニジア政府はトリポリの「リビアの暁」とその他のイスラム勢力を支持し、その後も基本的にその傾向が続いていることを指摘している。
その後もチュニジア政府がトリポリのギュエイル政権(選挙で敗れたイスラム勢力が担ぎ上げた政権)を支持したことから。haftar1および彼を支持する勢力との関係は凍結され、連絡もなかった。
また当時シブシー大統領も、このような政策を正当化して、チュニジアは現実に影響力を有して、その利害に関係する勢力と協力すると発言していた。
しかし、これは地政学的に見て、経済的にも、社会的にも、チュニジアにとって重要なのは、リビアの西部(要するにトリポリ地域)であって、東部ではなかったことからの必然的結果でもある。
現在では、チュニジアもエジプトやアルジェリアと同じように、すべての政治的勢力と連絡を保とうとしている
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2017/03/30/لماذا-يتجاهل-حفتر-دعوات-تونس-لزيارتها؟.html





















新疆におけるイスラム習慣に対する規制

先日は中国の新疆地域に多数居住するウイグル人が多数、アルカイダやISに参加してシリアやイラクで戦っているという話を報告しましたが、al qods al arabi net 等は、英紙independentの30日の報道を引いて、中国当局が新疆で、女性に対してブルカやニカーブの着用を禁止し、男性に対しては通常よりも顎鬚を伸ばすこと(預言者ムハンマッドが顎ひげを伸ばしていたというので、過激派の間では長い顎鬚がトレードマークになっている)を禁止したと報じています。
この措置は1日から実施されるとのことで、警官や政府職員が飛行場、駅等の公共施設の入り口で監視にあたることになっている由。
またこの法律は、住民に対して、宗教的戒律ではなく、法律を順守することを要求している由。
http://www.alquds.co.uk/?p=696740
かっては、中国内でもウイグル族の抗議行動(一部はテロ活動)が時々起こっていましたが、最近は少なくとも報道ではあまり見ませんが、彼らの若者のISへの参加等に当局としては神経質になっているのでしょうね




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