中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2017年04月

イラン系実業家の暗殺(イスタンブール)

朝方アラビア語メディアは、29日夜イスタンブールでイラン人二人の乗った車が4輪駆動車に待ち伏せされ、車から降りた覆面の男(複数)の銃撃を受け、2人とも死亡したが、何か怪しげな裏がありそうな事件であると報じていました。
それだけでは一体何の事かさっぱり不明で、書かないで置いたところ、先ほど読んだhurryiet net とal arabiya net は若干詳しい情報を載せていて、特に後者は事件は政治的なもので、背後にはイラン政府がいるとの見方を流しています。
双方ともに合っているところは、殺されたのはイラン生まれの英国実業家で、ペルシャ語TVのGem TVの持ち主と言う点で、前者はさらにもう一人の男は彼の仕事上のパートナーのパキスタン人で、彼らの襲撃に使われた車は焼かれて見つかった(証拠隠滅のために?)が、警察の当面の見方では事件は金がらみであろうというものであるとしています。
これに対して、後者の方は明らかに事件は政治絡みで、暗殺の背後にはイラン政府(と言うよりはイラン体制と言うべきか?)があるとの見方を示しています。
記事によると彼の父親はムジャーヒディ・ハルク(確か社会主義イスラムとかいう独特のイデオロギーの集団で、イラン革命の当初はホメイニ等と協力していたが、途中から対立し、イラクに亡命して、イラク・イラン戦争の時にはサッダム・フセインと協力してイランを攻撃していた)のメンバーで、イラク・イラン戦争の際に体制側により殺されていて、彼は父親の死亡後スイスに逃れて、そこで政治亡命を認められ、その後ロンドンを本拠地にして、Gem TVの活動を開始した由。
そして、イラン革命裁判所は、欠席裁判で先の3月に、イランの安全を害した罪で、懲役6年の判決を下した由。その理由は彼のTVがムジャーヒディ・ハルクの活動に関する文化的、社会的番組を流したからの由。
http://www.hurriyetdailynews.com/iranian-origin-british-owner-of-production-company-and-business-partner-shot-dead-in-istanbul.aspx?pageID=238&nID=112568&NewsCatID=509
https://www.alarabiya.net/ar/iran/2017/04/30/هل-تقف-إيران-وراء-مقتل-مدير-قناة-جم-في-اسطنبول؟.html

取り敢えず、この不思議な事件に関する報道は以上ですが何しろal arabiya net はイランと対立するサウディ系の衛星放送で、また事件が政治的なもので、暗殺の背後にはイラン政府があるとの見方は、被害者の友人等の言によるものなので、どこまで信頼できるものか、不明です。
しかし、確かに昔は、イラン政府が、海外で反政府グループの暗殺等を行っていた(やったのはコドス部隊とかその手先のヒズボッラーとされている)と言う噂が、広く流れていたので、その点からすれば、全くあり得ない話ではないようにも思われます。
しかし、一応はロウハニ大統領の下で欧米との関係改善をめざし、またトランプ大統領のイラン敵視政策に神経をとがらせるイラン政府が、何故現時点でそのような危ない手段を取る必要があるのか、疑問のあるところです。
全くのがさネタの可能性はあるも、とにかく不思議な事件なので、取り敢えず



シーシを支える4本脚(風刺画)

28qpt777[1]このところシーシ大統領はトランプ政権からの受けもよく、法王の訪問もあり、オバマ時代のぎくしゃくした立場から回復しつつあるやに見えますが、彼に関する風刺画です
題は「エジプト政権を支える柱」で、シーシが寝ている大きな椅子の4つの脚には、軍、司法関係者、メディア、議会と書いてあります。
それから、小さい絵で見難いと思いますが、彼はベッドから落ちないように(落とされないように)自の腕を椅子の腕に手錠で結びつけています。
http://www.alquds.co.uk/?p=711436






イラン大統領の国民への警告

イランでも大統領選の候補者のTV討論会があったことは既に報告しましたが、その後も選挙運動は熱を帯びつつある模様です。

アラビア語メディアは、ロウハニ大統領が29日、yazd市の集会で、イラン国民に対して、今回の選挙で彼ではなく、保守派を選んだ場合には、イランはこれまで以上の強権政府に直面することになると警告したと報じています。
彼の演説はTVで流されたがその中で大統領は、イラン人にとって最も重要な問題は、自由の問題であると強調し、大統領がイラン情報省に対して、個人の問題に介入しないように命じたと語った由。
またイランは今回の選挙で、暴力と過激思想と圧力の政治は過去のものとなったことを示すべきであるとした由。
これを伝えるアラビア語メディアは、ロウハニは2人の保守系候補と争っているとしていて、その一人が最高指導者にも近いriisi (多数の死刑判決を出したことで知られる由)で、もう一人が元革命防衛隊司令官でテヘラン市長のqalibafの由。
また、現在のところロウハニは青年等の支持に支えられ、保守派の候補よりは優位にあるとしています
(この辺の所がいかなる根拠によるのか…世論調査などないはずなので・・・不明)
http://www.alquds.co.uk/?p=711949
https://www.alarabiya.net/ar/iran/2017/04/30/روحاني-يحذر-الناخبين-من-عودة-التطرف-إلى-إيران.html

ローマ法王のミサ

faa91b3e-661a-4ae2-aac0-0e5b51c2ec55[1]ローマ法王は、厳重な警戒のした(中央治安部隊や特殊部隊更に爆発物処理班や警察犬等を含む)カイロの空軍競技場で、ミサを執り行ったとのことです(写真)
このミサにはエジプト 全土から約3万名のキリスト教徒が参加した由。
何はともあれ法王の訪問中コプト教徒や教会に対するテロがなかったようで、エジプト政府の警備が奏功したのでしょう
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2017/04/29/بحضور-30-ألف-بابا-الفاتيكان-يقيم-قداسا-في-مصر.html



反IS部族連合の結成(シナイ半島)

シナイ半島では、これまでエジプト政府のシナイ半島軽視に反発した部族がISに協力し、遊牧民が大きな人的資源となってきたとされていますが、最近その関係に大きな変化が生じ、部族の方では反IS部族連合を結成したとのことです。
仮に、この部族連合が重要な役割を果たしていくようなことになると、「ISの聖地」であったシナイ半島も大きく変わる可能性が出てきたように思われます。
この部族のISに対する反発に関しては、数日前からだったか、アラビア語メディアでも、捕まえたIS要員を焼殺するビデオが流されていましたが、どうも何しろ遊牧民ですから、今後のISと部族の戦いは、峻烈なものとなる可能性がありそうです。
どうやら事の発端は、al trabeen部族とISの対立のようですが、現在のところ、何が両者の関係悪化を招いたのかは不明です。

「ISがal trabeen部族の根拠地を焼き、複数の部族員を誘拐したことに対して、複数のシナイ半島部族が、ISと闘う為の部族連合に参加すると表明した。
複数の部族が29日、会合を開き、ISと闘うための部族連合を結成することに合意した。
参加する部族はal trabeen,al taiyaha,al ramilat,al sawarikaである(すべてアラビア文字からの訳)、その目的はエジプト軍と協力して、シナイ半島全域からISを掃討することである。
部族連合は声明で、シナイ半島の部族はエジプトの一部であり、血液であり、外部からの勢力がエジプトに混乱を持ち込むことに対しては、実力で対抗すると宣言した由。
ISと部族の対立は、al trabeen族とISの衝突から始まり、ISは部族員3名を誘拐し、彼らの車両を破壊した。
これに対して、部族の方でもラファアの市場を閉鎖し、IS戦闘員3名を誘拐し、そのうちの1名を焼殺し、そのビデオを流した」
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2017/04/29/قبائل-سيناء-تتوحد-في-تحالف-قبلي-لمحاربة-داعش-.html







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