中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2017年06月

アラブの対立(風刺画)

29qpt777[1]アラブ人と思しき人物が引っ張っている荷車にはアラブの対立と書かれた石?が大量に乗せられ、人間のほうが持ち上がっています
疲れたような彼の顔が傑作です。
http://www.alquds.co.uk/?p=746190

サウディ皇太子の交替(アラビアメディの記事)

先日サウディの皇太子が交替した背景については、種々の憶測が出るだろうとは思っていましたが、やはり出ました。
尤も、この話は相当際物的な話で、もちろん真偽のほどは不明ですが、サウディ王室に相応しいと言ったら申し訳ないが、宮廷の陰謀話のようなお話です。

昨日あたりから、若干のアラビア語メディアで、前皇太子が自宅軟禁されているとか、その噂は全くの事実無根の話であるとかの記事が見受けられましたが、al qods al arabi net は、ny times とguardian 紙が、ナアイフ殿下はジェッダの宮殿から外出を禁止されているとのニュースを報じていると伝えています。
かなり詳しい話ですが、記事は同時に、この話は全くの事実無根の話で、前皇太子は自由に行動しているとの説もかなり詳しく伝えています。
どちらが事実なのかは、全く不明ですが、最近このメディはかなりカタール寄りで、サウディに対して批判的な記事が多くなっています…もちろんだからどうだというのではありませんが・・・・

「ny times とguardian は29日、皇太子から退いたナアイフ殿下が、ジェッダの宮殿から外出させられなくなっていると伝えた。
前者は、4人のサウディ王室と近い米政府関係者の話として、後者はサウディ王室がニュースソースだとのこと。
これまで15年もサウディの治安に責任を有してきたナアイフに何が起きたのか、説明はないが、殿下はその警備兵が突然交代させられていて、また娘たちも外出を禁止されている由。
ny timesの質問に対して、サウディ情報省は事実無根としている由
他方、guardian のほうは、ナアイフ殿下の西側との関係は、新皇太子よりはるかに深かったことが背景の一つではないかとしている由。
同紙はさらに、若い王子は性急に権力を欲し、それが先輩王子の気に入らなかったところで、交替は滑らかに行われなかった。このため、後退させられた前皇太子が、米国等に行って、サウディ王室内の問題をさらけ出すことが懸念されたともしている由」。
新皇太子を支持する勢力は若返りを歓迎して、サウディの新しい進路に期待しているが、他方多くの王子がポストから外されることになったと感じている由。
また多くの米国関係者はナアイフ殿下が米国のよく友人であったと考え、今回の交替に不安の念をしているが、サウディとの関係を考えて公には発言していない。
事実、2015年サルマン国王の就任以来、現在の皇太子は外交軍事のみならず、「2030年のサウディビジョン」で、サウディ経済の多角化を提唱し、ナアイフ殿下はその陰に隠れた存在になっていた。
他方サウディ責任者(だれかは不明)は、このようなナアイフ殿下軟禁説には全く根拠がないと指摘している。
http://www.alquds.co.uk/?p=746098






























南部イエメン問題

イエメン問題は益々複雑になってきました。

hadi 大統領は29日、ハドラマウト、スコトラ、シャブワの南部の3県の知事を更迭しましたが、これに対して南部の「移行評議会」が30日早々に、南部の人民の意向を受けない、このような移動は受け入れられないとして、元に戻すように要求したとのことです。
これはal qods al arabi net の報じるところですが、記事は、この「移行評議会」はこの3月hadiが解任した、前アデン知事を議長として、南イエメン運動がhothy連合から解放された南部の地域を統治するためとして設立した組織とのことです。
(確かそのことは報告したかと思いますが、そもそもこの評議会の性格がよくわからずその後報道もないことから、そのままになっていたものです)
さらに、記事はこの南イエメン運動というのは、2007年に前大統領によって軍を追われた元軍人(おそらくは南出身の軍人と思われる)が復職を要求して組織したものだが、その後すぐ南イエメンの独立を求める組織になったとしています。
(彼らと、旧南イエメン共和国の指導者達…大部分が欧州等に亡命している…との関係は不明ですが、アルベイド元大統領などが指導しているように思われますが、最近彼の名前を聞きません)
移行評議会は、サウディ等のアラブ連合軍のhothy連合に対する作戦を支持し、これに感謝しているとしていますが、近くイエメン内で会議を開き、今後の具体的な方針を検討するとしている由
http://www.alquds.co.uk/?p=746386
この記事のおかげで、南イエメン運動なるものの性格と、最近の南部での動きとの関係が少し理解できたような気もしますが、本当の仕掛人がだれなのか(アルベイドか?)、どの程度の影響力を有する運動なのか、いわゆる抵抗勢力との関係は、部族勢力との関係は?等わからないことばかりです。

エジプトのガソリン等燃料の値上げ

いや驚きました。
本気でやる気があるというのか、大胆というのか、エジプトは29日ガソリン等の大幅値上げを発表しました。
何しろ、昨年11月にこれら製品の大幅値上げをして、不評嘖嘖だったばかりです(もっとも値上げをして評判がよくなることはまずないが・・・)
その時は値上げ率が30〜47%だったのですが、何しろ今回はモノによっては100%というものすらあります。
石油大臣によれば、これはIMFとの合意に基づく補助金削減策とのことですが、エジプト庶民の反応はどうでしょうか?
何しろ、最近シーシ政権の支持率も下がっているようで、エジプトの安定性に対する影響が懸念されます。もちろんエジプト経済の大きな癌が巨額の補助金ですから、経済学的には当然の措置ではあると思いますが・・・・

al arabiya net によると、92オクタンガソリンが3・3から5EPへ   43%の増
国民に最も需要のある80オクタン ガソリンが2・35から3・65EPへ  55%の増
国際価格に近い95オクタン ガソリンは6・25から6・60  5・6%の増
車用ガスは25%の増
もっとも増大幅の大きいのが、家庭の調理用ガス(ブタガス)で、15から30EPへ   100%の増
(おそらくこの家庭用のガスが、庶民用というのでもっとも補助金が大きかったのだろうと思いますが、100%とはいかにも思い切ったものです)
(そのほかにもいろいろと値上げをしたものがあるようですが、これ以上詳しいことは、例えばal aharam の英語版等に出ているのではないでしょうか?)
https://www.alarabiya.net/ar/aswaq/economy/2017/06/29/مصر-ترفع-سعر-البنزين-55-وغاز-الطهي-100-.html
領土問題(アカバ湾入り口の2の島の領有権問題)で、反対党や識者などが呼び掛けた、ラマダン期間中の抗議運動はほとんど盛り上がっていない模様ですが、この値上げ問題が持ち上がるとどうなるのか・・・
エジプト内政も要注意ということでしょうか?






シリア南西部での戦い(クネイトラとダラア)

シリアのクネイトラ方面で政府軍と同盟の民兵が反政府軍と激しい戦闘を続けていて、その飛来弾がイスラエル占領地に落下し、イスラエルが確か4回にわたって、政府軍陣地を砲撃したことは何度か報告しましたが、どうやら反政府軍と政府軍、革命防衛隊、ヒズボッラーの戦いは、このクネイトラと、それに近いダラアで激しく続いているようで、アラビア語メディアは、双方の戦場で、政府軍側は大きな損失を被ったと報じています。
(反政府軍の損失は不明ですが、航空優勢で・・というか独占し…大火力を有する政府軍との戦いで当然反政府軍も大きな損失をこうむっているかと想像します)
まったくの想像でしかありませんが、もしかすると米国がアサドが化学兵器を使用する直前であった非難したというのは、この地域のことかもしれません。何しろ、これらの数字が話半分としても、政府軍にとっては、極めて重大な損失だろうと思われるので・・・・もちろん単なる想像で、根拠はありません。


al arabiya net は、反政府軍の話として、クネイトラをめぐる戦いはまだ続いているが、そのうちal baath市での戦いで、政府軍側に少なくとも100名の死者が出たとしている。
この戦いはクネイトラからダラアにつながる一連の戦いの一部で、政府軍はこの地域が非戦闘地域(ロシア・トルコ・イランの合意)に当たるにもかかわらず、反政府軍を包囲しようとしている。

他方ダラアの反政府軍合同作戦本部は、ダラアの戦いで政府軍、革命防衛隊、イラン人民兵に対して、甚大な損失を与えたと発表した。
これを伝えるal qods al arabi net によると、死者は325名に上り、そのうち士官が97名含まれている由。
士官には3名の准将、6名の大佐等の高級将校も含まれている由。
政府軍の方では、反政府軍の攻撃を撃退し、逆に大きな損失を与えたとしてるが、中には政府軍側の損失も大きいことを認め、その背景としてダラアの戦略的重要性をあげる者もいる。
確かに政府軍は48時間攻撃を中止したが、その言い分は、停戦を確実にするためということであった。
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2017/06/29/أنباء-عن-مقتل-100-من-قوات-النظام-في-مدينة-البعث-بالقنيطرة.html
http://www.alquds.co.uk/?p=746096














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