中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2017年07月

カタール問題(マナマ会議)

先に報告の通り、カタールと断交したアラブ4国は29,30とマナマで外相会議を開いていましたが、どうやら会合は新しい提案とかはなく、先にカタールに要求した13項目の実施を更に要求していくことを確認した模様です。
さらに、会議後の記者会見で、エジプト外相は、カタールの4国要求に対する回答の期限はつけられていないとして、カタールに対する4国の断交措置が長引くことを示唆した模様です。
なお、会議後の記者会見等をつたえるal arabiya net (サウディ系)の記事の表題には、4国は更にカタールに対する追加的措置をとる可能性があるとしていますが、本文中には詳しい説明は見当たりません。
また、バハレン外相は、4国が受け入れる調停はクウェイトのものだけであると語った由(この意味がトルコとか米国務長官の調停は受け入れない、という意味か否かは不明) 
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/gulf/2017/07/30/وزراء-خارجية-الدول-الـ4-يبحثون-في-المنامة-أزمة-قطر.html
http://www.alquds.co.uk/?p=762717
その他、カタール巡礼者の受け入れ問題で、サウディとカタールの間で確執があるやで、サウディ外相は巡礼者の受け入れその他の手続きを国際化しようとのカタールの意図を非難したとのことです。
これに関してカタール政府はそのような意図はなく、カタール政府の誰もそのような発言をしていないと否定し、サウディの情宣を非難した由。
もし記憶に間違いなければ、イラン革命後、イラン巡礼者がメッカでホメイニ革命を唱道するデモを行い、サウディ官憲と衝突し、100名以上の犠牲者が出た事件があったかと思うが、その後イラン政府は一時巡礼者の受け入れ、保護等の一連の任務はサウディ政府ではなく、国際的なイスラム機関が行うべきであると主張して、、サウディと鋭く対立していた経緯があったかと思います。
その意味で、巡礼の国際化はサウディにとってred line の問題で、仮にカタール政府がそのような問題を提起したとすれば、サウディと正面からの衝突を考えていることになると思いますが、カタールが否定している通り、少なくとも現時点でそのような事実はないのでしょう。
それにしても、この問題、「何時まで続くぬかるみぞ」の感じがします








米艦の警告射撃

先に25日だったか、ペルシャ湾革命防衛隊の舟艇が米艦に異常接近し、米艦が警告射撃をしたことを報告しましたが、27日にまた同様の事件が発生した模様です。
これはal arabiya net とy net newsが、イラン革命防衛隊の情報をイラン通信が報じているとして伝えるものですが、今回は報道が事実であれば、空母ニミッツとその随伴艦が警告射撃をしたとのことで、前回よりも深刻な可能性があります。
尤もy net news の伝えるイラン通信の報道では、米空母等がイラン沖合の石油プラットフォームに接近したとのことで、それならばなぜ米空母が発表したのか不思議ではあります
米海軍よりは今のところ特段の発表はない由
http://www.alarabiya.net/ar/iran/2017/07/29/حادث-جديد-بين-سفن-أميركية-وزوارق-إيرانية-بالخليج.html
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4995799,00.html
じつはal arabiya net の記事は数日前のものですが、ごく短いもので、他に類似の報道もなく、最近サウディとイランお関係がますます悪化している(それを言えば米国ともだが)こともあり、情宣の可能性無きにしも非ず考え、そのままにしておいたら、本日ynet news の方にも若干詳しい記事があったので報告しておきます。

ISのイラク聖地等攻撃計画の阻止

al qods al arabi net は、イラク情報機関が、イラク各地の聖廟等を攻撃しようとする、ISのテロ計画を未然に阻止したと報じています。
記事によると、イラク内務省の情報、対テロ総局長が30日、地元紙に語ったところによると、ISはカルバラ、ナジャフ、サマラの聖廟、クーファとバスラのモスク及びシーア派の指導者シスターニ師の爆破を計画していた由。
これらの計画は国外から(シリアのことか?)指導され、3つの独立した作戦として計画され、多数のオートバイと数十人の自爆者からなり、彼らは人間や物の移動を容易にするために密輸業者を利用していた由。
情報局長は、これらの情報が正確であることを確認した後、イバーディ首相等と協議し、テロリストが実行に入る数時間前に彼らの拠点をF16で空爆する等して、彼らの計画を未然に防いだとしている由
攻撃したのはシリア内のmayadeen(ここでは7つの大きな目標…車両か?と多数のオートバイを破壊し、国境のal qaim も攻撃したが、このためISは甚大な被害を組むった由
http://www.alquds.co.uk/?p=762365
それにしても、これだけの数の聖廟やモスク、更にシーア派指導者の自宅の破壊を図るとは、ある意味では壮大なテロ計画ですが、どうして彼らの勢いも落ち目になっている今になって、こんなことを考えたのでしょうか?
矢張りヤケのヤンパチというやつかなのでしょうか?
勿論、他に類似の報道も見当たらず、真偽のほどは不明ですが・・・

東南アジア諸国と豪州などの対過激派協力

本日のBBC等は豪州で航空機爆破を計画していた4人組が逮捕された(どうやらイスラム過激派に影響された模様)ことを報じていますが、al jajeera netはインドネシアで開かれていた東南アジア等6国(インドネシア、マレイシア、フィリピン、ブルネイ、豪州、NZ)の大臣(内務大臣か?)及び治安専門家は29日、フィリピンのマライで起きているISとの戦闘は、東南アジアが過激派の脅威に面している証左であるとして、過激派対策での地域協力に合意したと報じています。
彼らは外国人過激派戦闘員の脅威に関するセミナーを開き、SNの会社等と、これらの過激派に関する情報問題で協力することに合意した由。
特に豪州検事総長は、マライの事件は、地域が直面している脅威の証左であるとして、シリアとイラクで勢力を失いつつあるISが東南アジア等で、影響力を拡大しようとしていると警告した由。
このセミナーは豪州とインドネシアの警察が共催して8月に開かれる予定の由
また中東からもトルコなどが参加して、過激派対策で協力することになっている由
http://www.aljazeera.net/news/international/2017/7/29/تشكيل-منتدى-لمواجهة-المقاتلين-الأجانب-في-آسيا
フィリピンのマライでのISとの戦いについては、このブログのコメント欄にもご意見をいただきましたが、日本までの拡散の可能性はともかく、とにかく東南アジアや豪州等にとっては、ISの脅威は差し迫ったものだろうと思います。







クルド自治区の住民投票(キルクークの参加)

クルド自治区が、その将来に関し9月25日だったかに住民投票を計画していますが(イラク政府は勿論のこと、トルコ、イラン、シリア・・いずれもクルド住民を少数派として抱える国・・・政府も反対を表明していたと思う。米国も懸念を表明していたと記憶)、この住民投票に関し、キルクークの知事(najm din krimおそらくクルド人か?)は、同県も住民投票に参加すると発表した由。
これはワシントンでのクルド問題に関するコンフェランスでの発言の由で、知事は、クルド人の立場を統一し、クルド議会を活性化するためにはキルクークも立場を明確にする必要があると説明した由
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2017/07/30/محافظ-كركوك-سنشارك-باستفتاء-الانفصال-عن-العراق-.html
イラク政府の反応は入っていませんが、当然反対でしょう。
それにしても、そもそもキルクークがクルド人居住区とされるべきか否かについてはイラク内でも大きな議論があるようで…確か、その昔はクルド人が多数派をなしていたが、サッダムフセイン時代に、イラク政府の政策としてアラブ人の移住が進められ、現在ではかなり接近した比率にあるのではないでしょうか?・・・キルクークが、クルド自治区と一緒になって住民投票をすることになると、イラク国内の民族対立を更に激化させる可能性が強いように思います
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