中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2017年08月

警察署に対するテロ(アルジェリア)

アルジェリアの過激派テロに対する警戒については、先に報告しましたが、案の定と言うか、本日朝早速警察署に対する自爆攻撃があった模様です。
al qods al arabi net は、31日早朝アルジェリア西部のtiyarat で、警察署を襲撃しようとしたテロリストが、警官に止められ、自爆し、警官2名が死亡し、1名が負傷したと報じています。
犯人の身元等は不明で、現在の所犯行声明はない模様です
http://www.alquds.co.uk/?p=781868





過激派テロに対する警戒レベルの上昇(アルジェリア)

al arabiya net は、アルジェリアが、その南部および東部国境地帯(マリ、ニジェール、リビア、チュニジア)における軍の警戒態勢のレベルを引き上げたと報じています。
29日の地元紙によると、これはアフリカの11か国(アルジェリア、モロッコ、チュニジアを含む)での、IS関連及びアルカイダ系統のテロの脅威が増しているとの、西側の情報に基づくものの由。
またアルジェリア軍はリビア国境に近い南部の油田、ガス田の警備レベルも引き上げた由。
なお、アルジェリア治安当局は過去数日間で、石油施設に対する2件のテロ事件を阻止した由(この事件の詳細は不明)
また、このところリビアとサヘル地域におけるテロリストの活動が活発化している由
アルジェリは、過去数年間で数万人の兵士を、南部ではマリとニジェール、東部ではリビアとチュニジア国境に配置している由

他方、アルジェリア国防省は、30日朝、マリ国境に近い南部で、テロリストの隠した武器弾薬を発見したと発表した由。
発見されたのはカラシニコフ銃や機関銃、RPGの他対戦車ミサイルが4発と弾薬多数のよし
国防省によると、これまでも何度も武器の隠し場所を発見したが、テロリストは国境内に武器弾薬を運び込み、一時隠したうえで、警戒が手薄になた時に内陸から北部に運搬するのだとのこと。
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2017/08/30/الجزائر-تضبط-أسلحة-بينها-صواريخ-مضادة-للدبابات.html
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2017/08/30/الجزائر-تعزّز-أمن-الحدود-والمنشآت-النفطية.html
確かアルジェリアでは、日本人もガス精製工場で、確か10名もが犠牲になっており、アルジェリアの治安問題は他人事ではありません。



ISのデリゾルへの移送(有志連合の空爆等)

シリア・レバノン国境地域からのIS戦闘員のデリゾルへの移送に関しては、イラク政府始め多数がこれを非難し、正直言って未だにその当事者であるヒズボッラーの真意は不明ですが、有志連合空軍は彼らのデリゾル到着を阻止するために空爆をした模様です。
若干の関連記事次の通り

・有志連合は30日、これらIS戦闘員のデリゾルへの到着を阻止するために空爆したと発表した。
同連合報道官は、阻止のための空爆で、小さな橋を破壊し、道路も破壊したとした由。
またシリア人権網も有志連合がデリゾルの南で空爆したと発表した
(IS戦闘員お死傷者の有無については不明)
連合報道官はさらに、これら戦闘員は正当な攻撃対象で、有志連合は今後とも彼らの動きを監視していくとしたうえで、合意を非難するとともに、レバノン軍がISの移動をなんら阻害しようとしなかったことをも非難した。
そして、この事件は、シリア政府軍とヒズボッラーがISと闘っているというのが単なる口先だけのことであることを示したと激しく非難した。

・他方イラクのサドル師グループの国会議員は、この合意を激しく非難し、仮にこのためにイラク人の血が流れるとしたら、シリア政権は地獄へ落ちるべきであると語った。
またイラク西方の部族もこの合意を激しく非難した。

・これらの非難に対して、ナスラッラー書記長は声明で、これら戦闘員はシリアの地域(al qalamoun)から他のシリアの地域(デリゾル)に移されたもので、レバノンからイラクに移されたものではない、として、戦闘意欲を失った高々310名の戦闘員の移動が大きな意味を持つものではないと弁護した由。
さらに同書記長は、背景としてISに捕まっているレバノン兵士の運命と言う、人道的かつ国民的問題があり、彼らの関する情報を得て、その返還を実現するためには、交渉が唯一の方法であったとした由
http://www.alquds.co.uk/?p=781447
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2017/08/30/التحالف-يقصف-قافلة-لداعش-خارجة-من-لبنان-إلى-دير-الزور.html
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2017/08/31/التيار-الصدري-ردا-على-حزب-الله-ليذهب-النظام-السوري-للجحيم.html

上記ナスラッラーの弁明はいかにも弁明に聞こえ、あまり説得力がないのではないかと言う気がします。
おそらく、捕虜となったレバノン兵士は生存していないという情報位はつかんでいたはずで、ISの残存兵が「戦意」310名程度であれば、激しい攻撃で捕虜を捕まえ、遺体のありか等を聞き出すことは可能だったのではないでしょうか?
それとも何人かは生存しているという情報でも持っていたのでしょうか?
いずれにしても、シリア政府とヒズボッラーは、ISと闘うよりは、とにかく反政府軍が誰であれ、反政府軍をテロリストとしてこれを制圧することが主たる目的であるという見方は、前から流されていましたが、今回の事件はそのような見方を確認したものでしょうか?











UNIFILのマンデート延長

本日(31日)任務の期限が来る、レバノン南部の国連PKOのマンデートが昨日安保理で全会一致で1年間延長されました。
このUNIFILについては、米国が(おそらくイスラエルからの要請もあり)国連代表を通じて、何度か、単なるマンデート延長は支持できず、決議案ではヒスボッラーの武器密輸等に対してより有効な(強力な)措置を取ることができるものとすべきであると主張してきました。
このため、決議案(UNIFILの最大の派遣国の仏の提出によるもの。単純な延長案)の採択の最後まで、各国の協議が続けられたが、結局は単純延長となった模様です。

当然のことながら?イランはマンデート強化に強硬に反対していたと思われ、これをロシアと中国が支持したという構図だったかと思いますが、レバノンもその内閣の構成(ヒズボッラーを数人含み、大統領もその支持者)からしても消極的、欧州諸国も米国を支持してマンデートの更新が危なくなることには消極的と言うことで、米国は孤立し、結局は単純延長に応じたものかと思います。
この延長問題は日本ではほとんど報じられていないかと思い、それ自体大きな影響があるわけではないと思いますが、おそらくはトランプ政権の国際社会における孤立、中東に対する効果的な政策の欠如を端的に反映するものではないでしょうか?
トランプがどのくらい重要性を置いているかは不明ですが、もし彼に冷静な目があれば、中東、世界における米国の地位の低下と影響力の低下を実感できるはずです。
尤も、彼は現在米国南部の洪水被害を抱え、中東どころではないと思います。
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2017/08/31/مجلس-الامن-يمدد-مهمة-قوة-الامم-المتحدة-بلبنان-لمدة-عام.html
http://www.alquds.co.uk/?p=781507
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/8/30/خلافات-في-مجلس-الأمن-بشأن-التمديد-ليونيفيل-بلبنان



ロヒンギアの虐殺(風刺画)

29qpt777[1]ロヒンギアの悲劇と政府の無視、と題した風刺画です。
ミヤンマールでは、軍部がムスリムのロヒンギアを虐殺しているのに、文民政府’(スーチーさんが代表か)は、彼女のノーベル平和賞受賞の写真をかざして、現実の虐殺を無視しているという構図です。
これはミャンマールとバングラデシュでの話で、勿論中東の話ではありませんが、画面で血まみれの鎌をもって、ムスリムを威嚇しているのが仏教の僧侶として書かれているのが気になるところです。
これまでアルカイダとかISとかのイスラム過激派は十字軍としてキリスト教徒を目の敵にしてきましたが、仏教徒も大規模テロの対象などにしたりしないでしょうね!!
何しろ、相手が相手なものですから、こんな風刺画でも気になるご時世です。
http://www.alquds.co.uk/?p=780999
livedoor プロフィール
最新コメント
記事検索
  • ライブドアブログ