中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2017年11月

ハリリの仏誌とのインタビュー

アラビア語メディアはいずれも、ハリリ首相の仏誌パリ・マッチ(30日発行)とのインタビューの内容を掲載していますが、それぞれ若干違うところがありますが、取りまとめ次の通り。
それにしても、非常に率直な発言で、こんな発言をしたら、またもやアサドかヒズボッラーから命を狙われるのではないかという気がするくらいです。

・ハリリはインタビューで、彼の生命に対する脅威はあるかとの質問に対して、未だにシリア政権から狙われていると発言した。
彼は、彼に対しては、シリア政府を含む敵がその命を狙ってきたが、アサド政権は彼に対する死刑を宣告していたと語った。
・彼はヒズボッラーのアラブ諸国に対する干渉が、レバノンに高くつくことになることを恐れていると繰り返した。
・彼は先日の彼の辞任表明は、世界に対して、レバノンはヒズボッラーの湾岸への介入(すなわちイエメン)を認めるわけにはいかないというメッセージであったと説明した。
この点に関し、湾岸地方には30万人のレバノン人が居住していて、ヒズボッラーの介入がもたらす影響に責任を持てないとのメッセージが理解されたので、辞任問題は近く解決するだろうと語った。
(要するに撤回するという意味か?)
・シリア内戦でアサドが勝利をしたのか、との質問に対して、勝利したのはアサドではなくプーチンとロウハニであると答えた
・、またイスラエルがシリア内でイランとヒズボッラ―の権益を攻撃した場合にどうするのか、と問われ、これはシリアの問題であり、レバノンとしては何もしないと答えた。
・他方ヒズボッラーについて、レバノン内でヒズボッラーの政治的役割はあり、彼らは武器を有しているが、レバノン内では使っていないし、彼らが武器を使用しないことがレバノンの利益であると答えた
http://www.alquds.co.uk/?p=836132
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2017/11/30/الحريري-أخشى-أن-يكلفنا-دور-حزب-الله-في-المنطقة-غالياً.html
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/11/30/الحريري-اللبنانيون-اختاروا-الحوار-لمصلحة-بلدهم

これはハリリの仏誌とのインタビュー記事の孫引きになるので、正確さの問題はあるかもしれませんが、大きくはずれてはいないでしょう。

それにしても、彼のサウディにおける辞任表明から、多くの人が盛んに彼の離任はサウディに強制されたもので、彼はサウディに軟禁されていたなどという話を、さももっともらしく流していたのは、一体どういうことなのでしょうか?
彼が暗殺されたハリリ父の息子で、初めからヒズボッラ―とのバランスをとるために首相に据えられたことは周知の事実でしたが、彼自身からこのような発言があったのちも、その様な発言をした人は自説に固執するのでしょうか?







元エジプト首相の出国禁止(UAE)

エジプトの元首相で同じく前大統領選の候補者であったahamad shafiqは、29日次期大統領選に出馬する意向を表明しましたが、その直後に、ロイターやal jazeera に対して、UAE当局が彼の出国を禁止したと語ったとのことです。
彼は録音の中で、エジプト国民に対して、大統領選出馬の意向を述べるとともに、エジプトに近々帰国する予定であったが、残念ながら出国を禁止されたと語った由。
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2017/11/29/شفيق-رئيس-وزراء-مصر-الأسبق-يعلن-خوض-الانتخابات-الرئاسية.html
http://www.alquds.co.uk/?p=835778
彼がどういう資格でUAEに滞在していたかは知りませんが、仮に政治的亡命の扱いであれば、ホスト政府は政治的活動の禁止という条件を付けることは、通常のことだろうと思います。
いずれにせよ、UAEとしてはエジプトのシーシ大統領を支持する立場から、今回の措置をとったものでしょう。
今後どう動きますかね?

サナアの衝突

朝方イエメンの首都サナアでのhothyグループとサーレハ支持派の衝突を報告しましたが、その時には死傷者数などは判明しませんでしたが、al jazeer net 派双方で14名が死亡した(負傷者数は不明)と報じています。
それによると、サーレハ側の死者は5名(うち1名は病院に運ばれて死亡)、hothy側の死者が9名死亡した由。
衝突の原因は、hothyグループが預言者の誕生日に祝典を開くため、サナアで最大のサーレハモスクを引き渡すように要求し、サーレハ側がこれを拒否して衝突となりそれが拡大した由
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/11/30/14-قتيلا-باشتباكات-بين-الحوثيين-وأنصار-صالح
取り敢えず以上ですが、モスクの明け渡し云々もさりながら、どうもその背景はかなり深そうです(双方が相手を非難する言葉は、これまでも随分聞いていたが、どこまで深刻なものか、判断できなかった)。
最大の関心は、この事件が今後hothy連合にどう影響し、ひいてはイエメン内戦にどう影響するかです

パレスチナの和解(風刺画)

29qpt777[1][和解」と題した風刺画です。
多分パレスチナのPLOとハマスの関係の皮肉でしょう。
表では和解したとしながら、その実、本音では罵り合っているというところです。
何しろ和解したというニュースが流れたら、また喧嘩しているという状況で、真面目にフォローする気もないので、現在どうなっているか不明です。
http://www.alquds.co.uk/?p=835891



3月間でのシナイ半島鎮圧命令(エジプト)

エジプトの北シナイ半島で、スーフィ派のモスクをISが襲撃し、305名を殺戮した事件がありましたが(負傷者も128名の由)、エジプトのシーシ大統領は、29日預言者の誕生式典で、国防大臣と内務大臣に対して、シナイ半島の治安回復に3月の余裕を与えるとして、あらゆる手段を動員してテロリストを掃討するように命じたとのことです。
シーシはその中で、本来平和の宗教であるイスラムで、その信者を名乗る者たちが、子供や老人を殺戮するなど悪魔の仕業で、エジプトは現在アズハリ等に象徴される光と、ISに象徴される暗黒の勢力が全面的な戦いを戦っていると強調した由。
シーシは更に悪魔の思想はエジプトの前進と安定と繁栄を疎外しようとしているとして、それを防ぐ責任は軍と内務省の肩にかかっているとした由。
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2017/11/29/السيسي-يمهل-الجيش-والشرطة-3-أشهر-لاستعادة-الأمن-بسيناء.html
あれだけの殺りくがあった直後ですから、大統領がこのような発言をするのも当然でしょうが、「全面的戦争」とか「あらゆる手段「」を使ってと言う意味はおそらく、今後軍とか警察は、軍事力を総動員して、過激派の掃討作戦を行うということでしょうから、巻き込まれたりする人も増えたり、相当激しく過酷な軍事作戦が予想されるということでしょう。
それにしても、これまで1説には警官軍人1000名の犠牲を出しながら、完全鎮圧できなかったシナイ半島の過激派を3月で掃討するというのは、かなり無理な要求に聞こえますが・・・・
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