中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2018年01月

ガザ封鎖(風刺画)

30qpt777[1]皮肉な風刺画です。
題名は「ガザを死より救え」とあり、ビニールの袋の中の魚(ガザ住民のことか?)は空気が入らないので酸欠で死にそうです。
袋の口を閉めている紐には、イスラエルとアラブ(エジプトのことでしょう)の封鎖と書いた札が下がっています
http://www.alquds.co.uk/?p=870902




イラン通貨の下落

al arabiya net は、イラン通貨(リヤル)が、闇相場で29日、対1ドル46000リヤルを超える大幅な下落をしたと報じています。
リヤルは対ユーロ及び英ポンドでも下落し、それぞれ1ユーロ5750,1ポンド6670の値をつけたとのことです(この数字は変で、おそらく一桁間違っているかと思います)
記事はさらに、活動家は、このようなイラン通貨の下落は、核合意を巡る米・イラン間の緊張、ロウハニ政権の政策の拙劣さと腐敗防止の失敗、さらにイランがシリア、イエメン等への介入で、ヒズボッラーも含めて中東で多額の資金を消費していることにあるとしていると報じています。
また、この下落は、ロウハニ大統領が先週TVで、イラン通貨の下落は政府が誘導したものとのうわさを否定し、イラン通貨はすぐ安定するであろうと語った直後に起きたとコメントしています。
https://www.alarabiya.net/ar/iran/2018/01/29/العملة-الإيرانية-تهبط-إلى-أدنا-مستواها-خلال-عمر-الثورة-.html

このメディアは、イランと敵対するサウディ系のものですが、まさか通貨相場に関して嘘は書かないでしょう。
それにしても、12月だったかの全国的な抗議デモの発端が、経済問題であっただけに、このような状況が続けば、民衆の不満がまた噴出する可能性はありそうです
その国の通貨が下落すると、輸入品から始まって、諸物価が上昇するものですから・・・









最高指導者の富(イラン)

先ほど読んだal qods al arabi net に、ハメネイの富が2000億ドルを超えると出ていたので、いくら何でもおかしいと思って中身を読んだら、彼が支配する財団等の資金の話のようです。
しかし、いくら大産油国でも数字が大きすぎるのでは?と思ったら、この数字はどうやら反体制派の数字のようです。

しかし、記事は同時に、イラン国会で議員の石油からの収入の使い道についての質問に対して、議長が予算審議のなかで答えたところでは、イランの石油からの収入の32%がハメネイの支配下にあり、その使い方については彼の承認が必要とのことです。
議長は、さらにこの部分については、ロウハニ大統領がハメネイと協議して、予算の中に盛り込んでいるが、そこは最高指導者の承認を得たものであるので、議会としては云々できないとしている由。
これに対して、議員は、それであればその分を一般予算に盛り込むのは不適当で、その分は削除すべきではないかとした由。
議長の説明は不明

この数字とやり取りは、イラン議会のものとのことですから、ネットが嘘でも書かない限り、信頼できるものかと思いますが2000億ドルの話は、民主主義(複数)防衛機関・・どこの如何なる組織か不明・・・の数字のようで、それらはムスタザファ財団、astan qods nadwa財団、ホメイニの命令実行機関の3つの機関が2000億ドル以上の資金を有し、イラン経済の大きな部分を支配している由。
前2者はこれまでも数千億ドルの資金を投資してきていて、その対象はドイツの企業や韓国のダエウが含まれる由。
そして、この民主主義防衛機関はハメネイが所有する146企業のリストを所持している由。
3番目の財団は950億ドルの資産を有し、そのうち100億ドルは韓国の石油や不動産に投資している由

http://www.alquds.co.uk/?p=870988

上記記事のうち、石油収入に対する最高指導者の支配力に関する記事はともかく、彼が支配するという2000億ドルという巨額の資金問題については、そもそもその数字の信憑性も確認できませんが、最高指導者という絶対的な権力を持つものが、ほぼ何のコントロールを受けない仕組みでは、財政にしても不透明な、闇の部分が膨れ上がることは、十分考えられることだろうと思います。
国民が不満を持つわけです





アデン情勢(イエメン)

アデンの情勢は、その後大きく動いた模様で、どうやらUAE軍が空、陸で、暫定評議会の民兵を支援し(大砲、戦車をも使用した模様)、政府軍(大統領警備隊と称する)を制圧した模様です。

どうも事情が良く分かりませんが、昨日遅くUAE軍機が政府軍最大の兵力である第4旅団の基地を空爆したとかなり詳しく報じていたal jazeera net (なにしろ、UAEとは激しく対立しているカタール系のメディですし、夜分だったので、本日再度確認の上報告しようと思っていた)が、本日は、戦闘などのことは殆ど報ぜずに、国連がアデンの治安と住民の安全に対して、重大な懸念を表明したと報じています。
サウディ系のal arabiya net は、(まあ立場上そうなるのかもしれないが)アデン情勢については、治安本部が住民に平静を呼びかけたなどということ程度しか報ぜず、むしろサナア情勢とかイエメンの他の地域の状況を報じています。
これに対してal qdos al arabi net が、2つの詳しい記事で戦闘やその後の状況を報じています。
これらアラブメディアの報道ぶりからも、アラブ諸国、の混乱というか、困惑ぶりが見て取れるような気がしますが、イエメン介入の主導者であるサウディの立場が、どうにも良く分かりません。
事態がここまでくると、どうやらサウディとしては、自分では手を出さないが、UAEを使嗾して、イエメンの実質的分裂(またはその大幅な弱体化)を図っているような気がしますが、本当にそうなのか?サウディとUAEで意見の差はないのか?アラブの一国によるイエメンに対するかなり露骨な干渉(もちろんアラブ連合軍の関与そのものが、イエメン問題に対する干渉と言えば、その通りだが、こちらの方にはあくまでもhadi政権という正統政権を助けて安保理決議等を守らせるという、一応の大義名分はある)に対して、アラブ連盟やその他のアラブ諸国がどう考えているのか、その辺がさっぱり分かりません。

それはともかく、上記アラビア語メディアからアデン情勢を取りまとめた所、次の通りです
・政府軍は、UAE軍が分離主義勢力を支援して、彼らがアデンを制圧するのを助けたと非難している由。
それによると、UAE軍は戦車、大砲のみならず、戦闘機まで繰り出して、大統領警備隊の最大の基地である、第4旅団を攻撃し、それを制圧し、占拠した
・さらにUAE軍に支援された分離主義軍は、官庁街の中にある大統領宮殿をも制圧した。しかし、大統領宮殿そのものは攻撃せずに、その周囲を包囲している模様
・このためイエメン首相その他の閣僚等は、大統領宮殿内に閉じ込められている模様
彼等は九電が制圧される直前に、サウディに向けて脱出したとの報道もあるが、政府報道官は、首相以下はアデンにとどまり、今後の情勢に対応するための会議を続けており、アラブ連合軍に対して分離主義者の陰謀を取り除くために介入することを呼びかけた
(その分離主義者を支援しているのが、アラブ連合の有力勢力のUAE軍であることを考えると、極めて皮肉な話ではあるが)
・その大統領宮殿にはサウディ軍もイエメン政府とともにいるとalqods al arabi net の一つの記事は伝えているが、その規模や装備…戦車等の重火器も含むのか等・・等は不明で、また仮にそれが事実として、彼らが何をしているのかは不明
(まさかサウディ軍とUAE軍が戦ったことはないと思われ、おそらくサウディ軍は分離主義者が、首相以下を攻撃することがないように、PKO的な働きをしようとしているのではないか?それにしても不思議な話ではある)
・保健省によると、2日間の戦闘で21名が死亡した。
・国連事務総長報道官は、アデンの情勢に対し重大な懸念を表明し、イエメンや地域の関係勢力が交渉のためのテーブルに着くことを呼びかけた
また国連としては、アデンでの戦闘のために、人道支援の活動を中止した由。
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/yemen/2018/01/30/أمن-عدن-قواتنا-ملتزمة-بتأمين-المرافق-العامة-والخاصة.html
http://www.alquds.co.uk/?p=870507
http://www.alquds.co.uk/?p=870818
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/1/30/قلق-أممي-إزاء-العنف-بعدن-ودعوة-لحماية-المدنيين







トルコのafrin 侵攻

afrin 侵攻に関するニュースアラビア語メディア、hurryiet  netから、断片的ながら次の通り

・国全体として、どの程度の影響のある話か分かりませんが、トルコ内でもafrin 侵攻に対する反対の声が起こっている模様です。
hurryiet nnet は、進攻に反対したトルコ医師協会の中央評議会メンバー11名が逮捕されたと報じています。
彼らは戦争というのは、医療問題でもあるとして、「戦争反対 平和を」と訴えたとのことです。
エルドアン大統領は彼らの行為は反逆行為であるとして、また保健大臣は医師協会にそのような宣言をする権利はないとして、彼らを協会から除名するようにとの訴えを起こした由。
他方最大野党のCHP党首は、このような政府の対応を、反対の声を弾圧するものとして、非難した由。

・他方現地情勢としては、トルコ軍と自由シリア軍は、30日も前進を続けているが、30日にはafrin 市の周辺の複数個所で激しい戦闘が生じた由。
・トルコ軍によれば、30日までに、YPGの戦闘員649名を中立化(殺害、負傷、捕虜等)した由

(先日シリア政府軍とその同盟者が、トルコ軍の隊列を攻撃したとの報道をお伝えしたが)
シリア軍筋は、29〜30日にかけて、アレッポの南で政府軍が、トルコ軍の隊列に大砲とミサイルで攻撃をかけたと語った。
トルコ側の損失については不明の由
また自由シリア軍も、アレッポの南で政府軍とヒズボッラーがトルコ軍隊列に攻撃をかけたが、損失はなかったと語った由。
・上記事件とは別のものと思われるが、トルコ軍によれば、30日イドリブに向けてトルコ軍停戦監視要員を運んでいたトルコ軍隊列が、クルド勢力に攻撃され、兵士1名死亡し、複数が負傷した由。
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2018/01/31/أنقرة-مقتل-شخص-بهجوم-على-قافلة-تركية-في-إدلب.html
http://www.alquds.co.uk/?p=870826
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/1/30/الجيش-السوري-الحر-يواصل-تقدمه-في-عفرين
http://www.hurriyetdailynews.com/11-members-of-turkish-medical-associations-central-council-detained-over-afrin-operation-remarks-126483














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