中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2018年02月

東ゴータ情勢 2

東ゴータについては、朝方ロシアの5時間停戦が始まった直後から、停戦が破られた、ということを報告しましたが、al qods al arabi net とal jazeera net は、停戦が大幅に破られ、当事者の双方が相手を激しく非難していると報じています。
また反政府軍がかたうち式対空ミサイを所持しているというロシアの主張と、北朝鮮が化学兵器作成の材料をアサド軍に供与したとの報道もあるので、まとめて報告しておきます

なお、昔から「ゴータ」と呼び慣れてきたので、そう書いていますが、一部の方から「グータ」と表記すべしとの指摘があり、もし多くの方がゴータでは耳障りだと思われたら,訂正することも考えますので、念のため。


・東ゴータでは27日から28日の朝にかけて、その周辺で政府軍と反政府勢力の激しい戦闘が続いた。東ゴータの中では比較的静かであった。
・しかしduma ,ハラスター、ジスレインでは政府軍の砲撃のために、児童2名を含む4名が死亡した。またジスレインに対しては空爆もあった。
hoshe al zawahir ,reihan ,shaifukha 等に対して爆発物が投下された。

・この間、ロシアとアサド政府対反政府派は、互いに市民の退去を妨げているとか、彼らを人間の盾として使っているとかの非難の応酬を繰り返した。

・国際赤十字は、この地域への人道支援物資の搬入を試みているが、5時間の停戦では安全にこれら人道支援物資の搬入はできないと声明した。

・ラタキアのhamimim 空軍基地のロシア軍は、ネットで、反政府派が米国製のかたうち式対空ミサイルtowを保持していると非難して、反政府派のこの種ミサイルの保持は、この地域の紛争を拡大させる可能性があるとして、米国を非難した。

・他方、NYtimes によれば、化学兵器禁止条約機構の専門家委員会は北朝鮮がアサド政権に対して、化学兵器製造の資材を供与したとの証拠を有していると語ったと報じている
また国連の専門家チームによれば、北朝鮮のミサイル専門家が、アサド政権の責任者とともにいるのが見られている由
英国外相は、アサド政権の化学兵器使用が証明されれば、シリアに対する攻撃を支持すると語った。
http://www.alquds.co.uk/?p=888446
http://www.alquds.co.uk/?p=888758

北朝鮮の化学兵器製造物資のアサドへの供与については、米大統領府も非難したとNHKのニュースも伝えているところ、これまでもシリア政府(アサド父の時代から)と北朝鮮との関係があることは多くの報道があり(確か2007年だったかにはシリアの核開発に北朝鮮が協力していたとの多くの報道があった…ユーフラティス河畔の施設はイスラエル空軍が空爆で破壊した)、自分の化学兵器を廃棄した(ことになっていた)アサド政権ととにかく金が欲しい北朝鮮の利害が一致したのだろうとみられるが、もちろん事実関係の真相は不明

















サウディ軍首脳等の入れ替え

アラビア語メディアは、サウディ国王が26日、サウディ軍参謀長、陸軍司令官、防空軍司令官、ミサイル部隊司令官等の軍幹部を更迭したと報じていました。
何しろ秘密主義、特に政府や軍、治安機関等の幹部の人事については、厳しい情報統制を行ってきて、人事異動があっても、ありきたりの説明しかしないサウディのことですから、特段の説明もなく、もう少し様子を見ようかと思っていましたが、本日のal qods al arabi net とal jazeera net は、今回の人事異動に関する若干のコメントをしています。

双方とも、アラブ人や英米等の専門家の意見等を紹介していますが、今のところ所詮は外部からの観測というやつでどの程度核心を突くものかは不明だが、双方とも基本的なところでは一致しています。
それによると、異動の背景はイエメン介入とそれに関する内外からの批判、皇太子の更なる権力集中のため、若く新しい血を導入したというところですが。
双方ともタイミングとして、皇太子の英米仏(皇太子となって初の外国訪問の由)の直前であるとコメントしています(その理由については明記していないが、イエメン介入に関する欧米の批判を意識してのもの、皇太子の留守の間の国内の安定確保のため、の2の動機が考えられる)

軍幹部の大幅移動ですから、当然現在サウディが遂行しているイエメンでの軍事活動に関連していると見るのが常識的でしょうが、双方ともイエメン問題でサウディ軍お介入が確たる成果を上げておらず、サナアの奪還すら未だ実現していないこと、及びサウディ内の人道支援団体からさえ、サウディ軍の介入及び封鎖が、イエメンお窮状をもたらしているているとの批判があるとしています。
更に軍関係でも、皇太子としては、これまでの停滞を打破して、より強力かつ先進的な軍を目指し、その一つが軍事産業の促進であるとしています。

さらに今回の異動が、軍のみならず、政府や地方幹部の異動までも含んだことを踏まえ、今回の異動は、更に皇太子に実権を集めるためのもので、皇太子の昇格は早くなったと見るものが多いとしています(しかし、サウディで国王死亡前に権力が委譲したことはなく、日本の天皇のように、まだ元気なうちに引退されることはないのではないか?)。
ttp://www.alquds.co.uk/?p=888448
http://www.aljazeera.net/news/reportsandinterviews/2018/2/27/ماذا-وراء-التغييرات-العسكرية-الأخيرة-في-السعودية
https://asianlite.ae/2018/top-news/king-salman-makes-changes-to-the-saudi-army

どうもまだ不得要領のところがあり、申し訳ないが取りあえず













シリア情勢(イスラエル紙の分析)

東ゴータの状況については、アラビアメディアは、ロシアの5時間停戦発表の直後に、早速政府軍機の空爆で児童1名が死亡したと報じています。
また米国中央軍司令官が、ロシアは地域の不安定化の役割を果たしており、火付け人と火消し人の役割を同時に演じていると非難したとも報じています
(ちょっとジャーナリスティックな表現ではあるが、ロシアのしている行動を説明するには,言い得て妙かと思います)

他方y net news は元IDF軍情報部長のシリア情勢は、本格的な地域紛争に拡大する危険をはらんできた、との分析を掲載しているところ、特に新しい情報という訳ではないが(もっとも、彼の言う、ロシアのステルス機の配備が事実であれば、これまで報じられていなかった新事実か!)、彼の言う2018年はシリア内戦のお終わりではなく、新しく危険なページの始まりである、という説には(残念ながら)何処か非常にもっともらしいところが多いように思われるので、記事の要点のみ、次の通り

「多くの人はISの掃討は、シリアの平和の始まりと考えたが、現実は逆に、古い紛争…その演者は、アサド、ロシア、イラン、トルコ、米国等・・・が表面出でてきた
外交的、軍事的動きが停滞したのを見て、アサド政府は多数の住民の住む東ゴータ地域地域を野蛮に猛爆撃し、世界は悲しいことにこのような情勢に慣れっこになり、国連停戦の無視を黙認している。
このためシリア内戦はこれまでの制限された代理戦争から、主要プレイヤーの直接の衝突の方に向かいつつある。

アサド軍のユーフラティスの東への進出の試みで、米軍はロシア傭兵を含む300名を殺害したが、ロシア政府はこの事実を押し隠している。しかし、ロシアはISの掃討後米軍の存在は非合法であるとの主張を強め、そのステルス機の配備のニュースもある。
またロシアはIDFの活動にも挑戦している。
米ロの緊張はまた米国がアサドが化学兵器を使用していると非難しているところからも来ている

トルコは内戦お最初から関係してきて、アサドの追放という主張はロシアとイランから拒否されたが、トルコにとり国境地帯にクルド(YPG)の自治地域ができることはred mine である
YPGが長年のライバルであったアサド政権から支援を受けることになったため、この地域の情勢はさらに複雑化した。
トルコ・米関係では、米のYPG支援が最大の問題で、トルコがユーフラティスの東を攻めることになれば、米兵の死傷の可能性も出てくる。

10日のIDFとアサド軍・イランの衝突は、ゴラン高地方面での危険な状況を象徴している。
イスラエルはイランのプレゼンスを否定しようとし、イランはその存在を増そうとしている。

シリアでのすべてのプレイヤーは、がけっぷちまで行きそれを超える用意さえあるように見える…軍事力を行使し、安保理の停戦や調停を無視し、自己の利益を増進しようとしている
これほど多くのプレイヤーがそのライバルに対して直接行動する用意があることを示している2018年は、シリアは新しい危険な段階に入った可能性がある。
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5135189,00.html









https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2018/02/27/المعارضة-السورية-موسكو-تسعى-لتهجير-سكان-الغوطة.html
http://www.alquds.co.uk/?p=888289

東ゴータの停戦とロシア(風刺画)

26qpt777[1]大火災の起きているところには東ゴータと書いてあります。
その上を飛んで停戦と書かれた爆弾を次々に落としている戦闘機にはロシアとかかれています。
説明は不要でしょう
http://www.alquds.co.uk/?p=887796

afrin 侵攻作戦

5a94fff52269a2303093ea67[2]hurryet  net は、トルコ軍の発表として、afrin侵攻作戦は当初の目的を達し、afrin地域とazaz地域を結ぶ国境地帯からクルド勢力を駆逐し、トルコ国境地帯は連続して、トルコ軍及びその同盟の自由シリア軍の支配下にはいったと報じています(地図参照)
同記事は更に、作戦開始以来、トルコ軍と自由シリア軍はYGP戦闘員2083名を中立化(殺害、負傷、捕虜)としたと報じています。
また同紙の別の記事は、副首相によれば、作戦の第2段階用に、トルコ軍は憲兵隊の特殊部隊(市街戦用に特別に訓練された由)の投入の準備を進めている由。
これまでの作戦が主として人口の少ない丘陵、農村地帯であったのに対して、第2段階はより人口の稠密な市街地を対象とする由。
また、記事はトルコ軍によれば、トルコ空軍機は、これまで通りafrin地域で活動を続けている由
(記事はトルコの立場として、この作戦はトルコの自衛権の行使なので、安保理停戦決議の対象ではないとしているが、その様な口実はともかく、現実の問題としては、ロシアがトルコの空軍機の活動を黙認し、いわば青信号を出しているということだろうと思われます。
問題は果たして、トルコ軍がafrin市そのものの攻略 に向かうか否かで、そうなるとYPGのみならず住民にも多大の被害が出ることが予測されます)
http://www.hurriyetdailynews.com/turkish-govt-signals-new-phase-in-afrin-operation-127929
http://www.hurriyetdailynews.com/turkey-reconnects-opposition-held-areas-in-northern-syria-127949
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