中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2018年03月

イエメン情勢

忘れられた戦争とも呼ばれるイエメン内戦ですが、アラビア語メディアから見るところ、このところ戦況は激しくなっているように思われますが、大きな戦略的な構図には変化はなさそうです。
アラビア語メディア(サウディ系のものも含む)を見る限り、北部でhothyグループのサウディに対する弾道ミサイルの発射が激増している模様で、これに対してアラブ連合空軍が、首都サナアやhohtyの本拠地サアダを激しく空爆しているようですが、南の方では、疾うに政府軍が奪還したはずの臨時首都アデン県の隣のラヘジュ県で、hothy部隊の攻撃があったり、またアデンとタエズを結ぶ幹線道路が爆破されたり、どうも南では政府軍が支配地域を広げているというよりは、これまで制圧した地域を維持するためだけでも、大いに苦労しているように見られます。
また中部でも戦闘は激しくなっているようで、また首都攻略戦がいつ始まるのかも不明です。

・本日のal arabiya net は、その様な状況を反映してか、マアレブはじめイエメンの複数の県に、数千名のアラブ連合軍兵士が到着したと報じています。
それによると、彼らとともに数百台の戦車、装甲車、大砲や車両、更に地雷除去の専門部隊、特殊部隊等が到着したとのことです。
おそらく、彼らの到着は現在進んでいる戦闘激化に対応するものでしょうが、数千名もの増援部隊の到着ということは、政府軍がまたtくあてにならないことの証左かもしれません

・もう一つの焦点はサナア等への補給港であるホデイダですが、同港に対する攻略作戦は、その後あまり進展していないやに見えますが、al arabiya netは、ホデイダからhothy連合が沿岸で海上封鎖中のアラブ連合艦艇(複数)に向けた発射した対艦ミサイルが爆発して、大火災が生じて、多数の被害が生じたと報じています。
他方、この事件と関連あるのか否か不明ですが、al qods al arabi net は、ホデイダで国連の支援物資(主として食糧の由)の貯蔵庫で、大爆発と火災が発生し、多くの支援食糧が消失したと報じています。

・他方最近南部地域で、米軍の攻撃(ドローンと思われる)で、アルカイダの要因が殺害される事件が増えている模様です
http://www.alquds.co.uk/?p=907777
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/3/31/الحوثيون-يهددون-سندمر-النفط-السعودي
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/yemen/2018/03/31/تعزيزات-بآلات-الجنود-من-التحالف-تصل-اليمن.html
https://www.alarabiya.net/ar/saudi-today/2018/03/31/اعتراض-وتدمير-باليستي-أطلقه-الحوثي-على-نجران-.html





米軍のシリア撤退?

トランプ大統領が、「米軍はごく近く」シリアから撤退すると発言した事は先に報告しましたが、どうやらこの問題は米政権内、サウディ等で既に問題となっているにかかわらず、トランプはその方向で動き出した感じがします。
関連の情報、取りまとめ次の通り

・トランプは、米国の2億ドル以上のシリア再建資金の凍結を命じた。
これはwall street journal  が30日報じるところで、トランプがメディアで米国がシリアの再建援助に参加する計画であるとの記事を見て、国務省に命じたものの由。

・他方、al qods al arabi net は、ロイターを引用して、トランプ政権の高官2名(氏名不詳)が、トランプが近くシリアから撤退すると彼の顧問たちに伝えたと報じている。
それによると、オハイオにおけるトランプの発言は、政権内部における、この問題の検討を反映したもので、政権としてはまだ決定はしていない由
トランプは、ISがほぼ制圧されたのであれば、その後の治安回復等は地域の国々に任せて、米国は自国のことに遷延すればよいと考えているが、安全保障補佐官たちは、限定的な数の米軍は今後少なくとも2年はシリアにとどまるべきだとトランプに伝えた由。

・訪米中のサウディ皇太子は、time誌に対して、シリアがこれ以上イランの衛星になることを防ぐためにも、米軍はシリアにとどまるべきで、アサド政権をと明日必要はないが、アサドはこれ以上イランの操り人形になるべきではないと語った由。
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/3/30/ابن-سلمان-الأسد-باق-وعلى-الأميركيين-عدم-الانسحاب
http://www.alquds.co.uk/?p=907430
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2018/03/31/ترمب-يجمد-تمويل-الجهود-الأميركية-في-سوريا.html

今後トランプがその撤退意思を実行するか否か注目すべきではあるが、america first を掲げて、米国は世界の問題で重荷を負うべきではなく、自国のことに遷延すべしとしてきた、彼の考えからすれば、米軍の撤退は十分あり得る選択かと思われる。
問題は米軍が撤退した後のシリアでは、イランとロシアの影響力がさらに、というか決定的に大きくなることで、それが米国の利益になるのか、イスラエルの立場もあり、その様な状況が中東全域を紛争に巻き込み、米国としてかえって巨額の戦費を払うことにならないか、ということではないかという気がします。
勿論サウディ皇太子の見方も狭く、アサドはイラン、ロシア、特にイランの庇護がない限り存続できない存在で、アサドが存続するということはイランお影響力が拡大するということだという点を見逃しているように思われます。










サウディの砂嵐

d597f30f-e1a1-44b5-a6d2-b4ce13880e65[1]昨日だったか、エジプトがハムシーン砂嵐の季節に入ったと紹介しましたが、サウディも各地で激しい砂嵐に見舞われている模様です
https://www.alarabiya.net/ar/saudi-today/2018/03/30/شاهد-الغبار-المرعب-يجتاح-مناطق-سعودية-وتحذيرات-طبية.html

サウディ・イラン関係

サウディや湾岸諸国とイランの関係の緊張が続いているところ、関連の報道2つほど・・・・

・al qods al arabi net は訪米中のサウディ皇太子が、10年くらいの間にはサウディとイランの間で戦争が生じる可能性があると警告したと報じています。
それによると、皇太子はwall stret journalとのインタビューで、国際社会がイランに対して、政治的、経済的に圧力をかける必要があるとして、イランの行動を変えさせる上では制裁が重要であると指摘した由。
皇太子は更に、これらの圧力が失敗した場合には、今後10〜15年の間に、サウディとイランの間で、戦争が生じる可能性があると警告した由。
この点でイエメンに対するサウディ等アラブ連合の介入は、最善の選択であると述べた由

・このイエメンだが、同ネットの別の記事は、hothyグループの再興革命評議会議長が、30日、同グループとしては今後ともARAMCOを含むサウディの重要視施設に対して、弾道ミサイルの攻撃を続けると表明した由。
もっとも彼は、これらのミサイルはロシアや北朝鮮製のミサイルを改造したものや、イエメンで製造されたもので、イラン製ではないと否定した由
(ただし、これまでサウディ内で回収された残骸からは、多くのイラン製部品が確認されていて、上記説明は明らかに事実に反しているが、報道のまま)
http://www.alquds.co.uk/?p=907421
http://www.alquds.co.uk/?p=907274

まあ、10〜15年と言えば、中東ではかなり長いスパンで、イラン体制やサウディでさえ、現在の体制が続いている保証は全くないが(そもそもハメネイは前立腺癌にかかっていると報じられていた)、現時点でそのような警告を発すること自体が両国の緊張を物語っていると思われます。
更に言えば、これらミサイルはイラン製ではないといくら強調しようとも、サウディや米国がイラン製と考えていることは否定できず、仮にサウディの迎撃システムがアラムコの重要施設へのミサイルを撃ち漏らし、石油の生産輸出等に重大な支障が出るようなこと、またはリヤド等で重大な被害が出るようなことがあれば、そく戦争とまで行くか否かは分かりませんが、、それに近い緊張状態を招きそうです













ガザ情勢   多数の死傷者

作30日はガザで、イスラエルとの境界目指して抗議行動が続き、IDFが狙撃手を多数配置する等、緊張が高まっていましたが、残念なことに、矢張り大規模な衝突となり、IDFの発砲及び催涙ガスでの窒息で、16名の若者が死亡しました(これはアラビア語メディアの報道もy net news の報道も一致している)。
更に、ガザの保健省によると1416名が負傷したとのことです。
なお、y net news は、2名のパレスチナ過激派がIDFに対し銃撃し、IDFは銃及び戦車砲等で、ハマスや過激派の拠点を攻撃したと報じています。

また、西岸各地でも抗議デモがあり、IDF等と衝突した模様ですが、こちらの方では今のところ死傷者のニュースはありません。

他方、アラビア語メディアは、クウェイトの要請で、安保理が緊急会合を開くこととなり、取りあえずの非公式協議がいつでも開かれる状況にあると報じています
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/3/30/جلسة-طارئة-لمجلس-الأمن-حول-غزة
http://www.alquds.co.uk/?p=907211
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2018/03/30/في-ذكرى-يوم-الأرض-مقتل-فلسطيني-بقصف-إسرائيلي-على-غزة.html
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5211604,00.html

上記の負傷者のどれくらいのものが重傷を負ったのか等、詳細は不明ですが、死者の数も多ければ、負傷者が1000名を超える惨事となり、今後ガザでは緊張がさらに高まり、過激派等は当然?イスラエルに対する報復を考えるでしょうから、当面パレスチナから目が離せない状況になってきたかと思います。
取りあえず






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