中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2018年06月

シリア内戦の政治的解決(風刺画)

cartoon2-657367568368[2]現在シリア南部で政府軍の前進が目立つようですが、シリア内戦の政治的解決問題に関する風刺画です。
溺れかかっている腕には「政治的解決」と書いてあり、これに爆発物を与えている手にはシリア政権とあります。
要するにシリア政府が政治的解決を妨害しているという意味でしょうか?
https://aawsat.com/home/cartoon/1315821/%D8%A3%D9%85%D8%AC%D8%AF-%D8%B1%D8%B3%D9%85%D9%8A

ゴラン高原のPKO任期延長

al qods al arabi net は、国連安保理が29日、ゴラン高原のPKO(UNDOF)の任期を6ヵ月延長することを全会一致で、決定したと報じています。
この決議は米ロの作成になるもので、決議はまた兵力引き離し地帯(シリア領とイスラエル占領地の間)には、UNDOF以外の武装組織の存在を認めないとして、同地域における戦闘の継続を厳しく非難し、総ての武装組織の撤収を求めている由。

http://www.alquds.co.uk/?p=964611

現在、戦闘が激化しているのはダラア等のヨルダンに隣接する南部シリア地域であるが(国連によると、この地域からの避難民は16万人に達している由)ゴラン地域は、この南部シリアから近く、イスラエル軍も厳戒態勢をとっている地域です。

かっては、UNDOFは最も安全な国連PKOとの評価があったかと思いますが、どうも状況はかなり悪化しているようですね。

https://www.alarabiya.net/

移民100名の遭難?(リビア沖)

アラビア語メディアは、いずれもリビア当局によれば、リビアから欧州に向かう移民(最近は難民という言葉ではなく移民という言葉が多く使われていますが、欧州に向かうアフリカからの人の移住の背景に変化があったのでしょうか?)を載せた舟艇が転覆し、100名に上る移民(大部分がアフリカ人の由)が遭難した可能性があると報じています。

http://www.alquds.co.uk/?p=964246
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/6/29/فقدان-عشرات-المهاجرين-قبالة-السواحل-الليبية
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2018/06/29/ليبيا-مخاوف-من-غرق-100-مهاجر-قرب-سواحل-طرابلس.html

リビアから欧州に向かう移民の問題については、つい最近も100名規模の人が遭難したㇼ、またNGOが救助した移民を載せた船の入港をイタリア政府が拒否したりして大きな問題となっており、確か29日にEUで移民対策の会議があり、移民受け入れセンターの設置などで合意したと報じられていますが、玉虫色の合意とのコメントもあり、これから夏に向かう地中海では今後とも、アフリカからの移民問題は、EUにとって頭痛の種でしょう。

因みにal arabiya net は、2014年のリビア体制の崩壊で、リビアを経由して欧州に向かう難民、移民の数が激増し、これまでに65万人が地中海を渡ったとしています。

ナハダ党首の大統領選出馬?(チュニジア)

先日トルコの大統領選挙ではエルドアン大統領が再選されましたが、それに影響されたのかどうか知りませんが、今後1年内にあるとされるチュニジアの大統領選挙でも、穏健イスラム勢力として、アラブの春の際には大きな影響力を発揮したナハダ党のガンヌーシ党首の立候補の可能性が、取りざたされている模様です。

al qods al arabi net は、ナハダ党の幹部の間で、まだ時期尚早としつつも、ガンヌーシ党首の立候補の可能性についての議論が起きていると報じています。
同党の報道官は、ガンヌーシ党首は大統領として必要な素質をすべて備えているとしつつも、党としてまだ公式にその立場を決めたわけではないとしている由。

http://www.alquds.co.uk/?p=964254

アラブの春の際のイスラム3人男と言えば、エジプトのムスリム同胞団とトルコのAKPとチュニジアのナハダでしたが、そのうちエジプトの同胞団はムルシー前大統領が投獄されていて、今のところシーシに対する不満は広がっているものの、政権の基盤が揺らいでいるとまでは言えないと思います。
その中でエルドアンに続いて、ガンヌーシがまたもや政治の表面出でてくるのか、今後注目されます。

ガザ情勢

ガザでは29日(金)も、イスラエルとの境界へ向けての行進があり(これで第14週目にあたる由)、IDFの射撃で児童1名を含むパレスチナ人2名が死亡し、数百名(al arabiya net によれば300名)が実弾でまたは催涙ガスで呼吸困難になる等で負傷したとのことです。
更にヨルダン川西岸でも、各地でガザ行進に合わせて行進すべしとにょびかけがあり、ヘブロンからラマッラーにかけての西岸一帯の各地で衝突があった由。
http://www.alquds.co.uk/?p=964256
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2018/06/29/غزة-مقتل-فلسطينيين-اثنين-وجرح-300-بنيران-إسرائيلية-.html
ガザでは、、一時境界へ向けての行進では犠牲が多すぎるということもあってか、焼夷凧をイスラエル領へ飛ばす方向に向かっていましたが、またハマス等の作戦が変更されたのでしょうか?
いずれにしても、ガザでは14週間連続で抗議が続き、100名以上の青年たちが死亡しましたが、この抗議運動でイスラエルやアラブ政府や、国連等に大きな変化が起きた形跡は見当たりません。
ハマスやパレスチナ活動家にとっては、抗議活動をつづけたところで、状況の転換の見込みもない手詰まり状況ではないでしょうか?
他方イスラエルとしても、ガザ情勢を抑える作戦を見出しておらず、このままではIDFが境界線に張り付き、武器を持たない青年たちを射撃するという、まともな軍隊としては最低の政策を続けざるをえなそうです。
もうすでに14週目に入ったということですが、今後このような状況がいつまで続くのか?そのうちいずれ状況が爆発して、またもやガザを巡る大規模衝突もけねんされます。
又こんな状況で、(パレスチナ側から見たら)明らかなイスラエル寄りの米調停案を提示することなど、真面目に考えたら、現実的な政策なのでしょうか?
同もガザ情勢を見る限り、当面パレスチナ問題については悲観的にならざるを得ません
livedoor プロフィール

abu_mustafa

最新コメント
記事検索
  • ライブドアブログ