中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2019年01月

イラク国旗の取り違え(スペイン国王のイラク訪問)

1548856560510345000[1]政治的に重要な問題ではありませんが、国際政治では国旗の取り扱いが重要なことを示した事件を一つだけ。

スペイン国王は、イラク駐留のスペイン兵士たちを慰問するために30日イラクを訪問したのは良かったのですが、軍服で航空機から降りてきたのは良かったのですが、彼の乗ってきた特別機は、両国国旗を掲げていたが、そのうちイラクの国旗は、星が3つあるバース党時代の古い国旗だったとのことです(現在の国旗はその代りにallah akibarという文字がある)。

このため折角熱烈歓迎するはずだったムードが冷えてしまったとのことです。

国旗がころころと代わると国際礼譲にも問題が生じるという例でしょうか?

腐敗摘発キャンペーの終了(サウディ)

サウディでは、2017年皇太子のイニシアティブで、腐敗摘発の大キャンペーンが行われ、多数の王族、実業家、元閣僚等が、リヤドの高級ホテル・リッツカールトンに軟禁され(中には厳しく拷問されたものも少なくないと報じられた)、厳しい摘発が行われ、多くのものが解決金として多額の金銭を支払ったと報じられてきました。

最近は流石に、この問題に対する報道もなくなりましたが、haaretz net とal sharq al awsat net は、サウディ王宮庁が、この問題については4,000億リヤル(約1,060億ドル)の資金を回収し、作業を終了したと31日発表したと報じています。

それによると、381名が召喚され、そのうち87名が腐敗に関係したことを告白し、金銭的解決に同意したが、まだ問題解決に至ってないものも若干残っている由。

そのうち56名は犯罪に関係したので、検察庁が解決に反対し、8名は腐敗関係を否定した由。
反腐敗キャンペーンが突然終了した背景は不明ですが、推測すればkhasshoggi事件で、皇太子に対する国際的風当たりが非常に強くなったことと無縁ではないと思われます。

皇太子としても、これまで通りに国王の委任を受けたとして、完全な独裁体制で、やりたい放題にやることは、当面慎まざるを得なくなったというところでしょうか?

それにしても、金銭的解決の総額が1,060億ドルと言うのはある意味で桁外れの額であり(当初もしかすると桁を間違えたと思ったくらい。これらの資金は国家財源に組み入れられたとされているが、そのうちのいくばくか、もしかするとそれ以外にも相当の金が皇太子等に流れているのではないかとの疑念もあろう)、また、このような本来司法的問題で、検察が担当すべき問題が、王宮庁の発表と言うあたりにサウディ体制の特異な所が見て取れます。

イランのミサイル開発(風刺画)

cartoon6-5-2018New-[1]トランプは、イランは核合意にについては違反していないとの、米情報組織による報告には不満のようですが、イランの核開発に関する風刺画です。

左上の題は「イランのミサイル開発」です。
左から順にミサイルに書いてある文字は、ヒズボッラー、hothy、そして宗派的民兵です。

イランの保有するミサイルは容易には使えない抑止力(あんなものイスラエルなどにぶっ放したらものすごい反応が来るでしょう)で、おそらくこの風刺画の通り、イランにとって、その影響力拡大の、より有効な手段はこれらの民兵組織ではないかと思います。

シリア民主軍等クルド人に対するテロの横行

al arabiya net は、このところシリア民主軍の支配地域で、テロが横行しているが、犯人はISの休眠細胞と思われると報じています。
記事の要点次の通りですが、それにしても(その期間は不明ですが)、183名の戦闘員及び文民の暗殺というのは、すごく多く、まだ治安が安定していないことをうかがわせます。

・シリア人権監視網によると、最近ハサカの南部とデリゾルで、ISの残党によると思われるテロが横行しているところ、30日にもまたテロがあった
・一つはオートバイに乗った2人組の何者かが、デリゾルの道路障害物のところで、シリア民主軍兵士に銃撃をし、複数の負傷者がでた。犯人はisの休眠細胞と思われる由
もう一つはハサカの南部で、何者かが民主軍の制服を着て銃撃し、このため民主軍治安部隊兵士2名が死亡した由。
・このため、アレッポ、ハサカ、デリゾル、ラッカの4県とmanbijでの、テロの被害者は183名に上った由。
文民の死者は石油関連施設職員、行政関連職員、その他の住民である
・その他数十名が負傷し、また有志連合メンバー4名も死亡した由
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2019/01/31/سوريا-عمليات-اغتيال-متجددة-تستهدف-سوريا-الديمقراطية.html












スーダン情勢(情報局長の警告)

スーダン情勢は現在のところ収拾の見通しは立っていない模様ですが、al qods al arabi net は、スーダンの情報・安全局長が、30日、スーダンの混乱に乗じて5つの軍隊が、介入すべく、その時を待っていると警告したと報じています。
これは同局長が、安全関係士官候補生の卒業式で、語ったところで、今や5つの軍隊(どの国かは明言しなかった由)が、スーダンの混乱を利して、破壊と殺戮と盗難をするために首都カルツームに進攻しようとしているとした由。
彼はまた、左翼勢力と陰謀家は、権力を引き継ごうと狙っているとも警告した由
彼によるとスーダンの一部勢力は、複数の外国勢力と、関係を保っていて、連j日のようにそれらの大使館に避難していると語った由
彼は、政府は彼らの動きを密接にフォローしており、彼らが外国に隷属する関係を築こうとしていることをつかんでいるとも語った由
https://www.alquds.co.uk/%d9%85%d8%af%d9%8a%d8%b1-%d8%a7%d9%84%d9%85%d8%ae%d8%a7%d8%a8%d8%b1%d8%a7%d8%aa-%d8%a7%d9%84%d8%b3%d9%88%d8%af%d8%a7%d9%86%d9%8a-5-%d8%ac%d9%8a%d9%88%d8%b4-%d8%aa%d9%86%d8%aa%d8%b8%d8%b1-%d8%b3/
国名が明示されてないので、彼がいかなる国を念頭に置いているのかは不明だが(想像をたくましくすれば、南スーダンとかダルフールとか、スーダンの内外には、現政権に恨みや敵意を抱いている勢力を探すことは難しくないと思うが)、これまでのところスーダン騒擾に関する外国からの介入の動きに関する報道等は見当たりません。
大体、中東やアフリカで、国内の騒擾を外国の使嗾の所為にすることは珍しくはなく、口実に使われることも少なくないような感じがします。
勿論、今回のスーダン情勢に関連して、果たして外国勢力が介入しようとしているのか否か、その辺は不明ですが、外国の介入という話が出てくると、きまって騒擾がさらに血なまぐさいものとなる可能性もあり、要注意です
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