中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2019年03月

ブーテフリカ取り巻き実業家の逮捕(アルジェリア)

アルジェリアに関しては、軍がブーテフリカを見捨てた(参謀長が、憲法第102条を適用し、大統領は職務遂行不能を宣言することを呼びかけた)と見られていますが、現実にブーテフリカ排除の動きが始まった模様です。

勿論、現時点で公式の確認はありませんが、最近の軍参謀長の発言等からすると、十分あり得ることではないでしょうか?

al qods al arabi net とal jazeera net は、ブーテフリカの取り巻きで、大統領の弟とも近い関係にあったアルジェリア最大の実業家団体の長であった ali haddad がチュニジアとの国境で逮捕されたとのアルジェリア紙を引用して報じています。

それにょると、彼は国外に出ることを禁止されていたがチュニジアとの国境近くで陸路、国外に出ようとして午前3時ころ逮捕されたとのことで、TVも彼は目下調査を受けていて、首都に送られるだろうと報じている由。

また他の実業家及び複数の政治家も出国禁止を命じられている由。

また数日前にはアルジェリア実業家所有の航空機11機が国外への飛行を禁止されたとの報道があったが、今のところ確認はされていない由。

公務員の給料引き上げ(エジプト)

アラビア語メディアは、エジプト大統領シーシが30日、公務員の最低賃金等の引き上げを発表したと報じています。

それによると、主な内容として、公務員の最低賃金は、月額1200エジプトポンドから2000ポンド(ドル換算69.44ドルから115.74ドルへ)に引き上げられる由。

また、全公務員は年7%の給料引き上げが認められ、また物価高に対応するために、特別措置として150ポンドが支払われる由。

これらの措置は、女性の日に発表され、新年度予算開始の7月1日から適用される由。

これに対して、エジプト政府に批判的なal jazeera net は、これらの措置は、諸物価値上がりに対する庶民の苦情に応えるものだが、昨年ガソリンや燃料が2回にわたり値上げされ(補助金の削減により)、これが諸物価の高騰をもたらし、本年もさらに燃料がさらに値上げされることが予定されていることから、これらの措置が庶民の生活を改善するとは考えにくいとの専門家のコメントを伝えています。

記事は更に、この措置は憲法改正案が議会で取り敢えず承認され、国民投票にかけられることになっていることから、公務員の数が5.4百万人に上ることからも、彼らを政治的に買収する行為であるとのコメントをしています。

https://aawsat.com/home/article/1657571/%D8%A7%D9%84%D8%B3%D9%8A%D8%B3%D9%8A-%D9%8A%D8%B9%D9%84%D9%86-%D8%B1%D9%81%D8%B9-%D8%A7%D9%84%D8%AD%D8%AF-%D8%A7%D9%84%D8%A3%D8%AF%D9%86%D9%89-%D9%84%D8%A3%D8%AC%D9%88%D8%B1-%D8%A7%D9%84%D8%B9%D8%A7%D9%85%D9%84%D9%8A%D9%86-%D8%A8%D8%A7%D9%84%D8%AF%D9%88%D9%84%D8%A9
https://www.alarabiya.net/ar/aswaq/economy/2019/03/31/هذا-ما-تتحمله-الموازنة-بعد-رفع-الحد-الأدنى-للأجور-بمصر.html
https://www.aljazeera.net/news/ebusiness/2019/3/30/%D9%85%D8%B5%D8%B1-%D8%A7%D9%84%D8%B3%D9%8A%D8%B3%D9%8A-%D9%8A%D8%B9%D9%84%D9%86-%D8%B1%D9%81%D8%B9-%D8%A7%D9%84%D8%AD%D8%AF-%D8%A7%D9%84%D8%A3%D8%AF%D9%86%D9%89-%D9%84%D9%84%D8%A3%D8%AC%D9%88%D8%B1-%D9%84%D9%84%D8%B9%D8%A7%D9%85%D9%84%D9%8A%D9%86-%D8%A8%D8%A7%D9%84%D8%AF%D9%88%D9%84%D8%A9

中東の面する2つの脅威(風刺画)

cartoon31-3-2019-[1]中東(と言ってもアラブのことか?)の直面している2つの脅威に関する風刺画です。

中東と書いた男が必死でワニの口の中で踏みとどまろうとしていますが、口の片方にはイランとあり、もう一つにはイスラエルのマークがあります。

もっとも朝方書いたアラブ首脳会議の話などからすると、アラブの本当の敵は、アラブ自身ではないかと言う気もします。

ガザ情勢 2

30日のガザ情勢については朝方報告しましたが、この種の話ではよくある話ですが、アラビア語メディアの大部分とイスラエルの報じるところではかなりの差があります。

事実関係としては、30日夜ガザからイスラエル南部に対して5発のロケットが発射され(イスラエル側に被害はなかった由)、これに対して31日早朝イスラエル国防軍(IDF)の戦車がガザのハマス拠点に対して砲撃を加えた(こちらも被害はない模様)。

ここまで読むと、矢張り30日の抗議デモは抑制されずに、今後とも衝突が繰り返されるのだろうという印象を受けますが、haaretz net は、IDFは30日の抗議デモの際に、ハマス要員が抗議デモ隊が境界線フェンスに近づかせず、またタイヤを燃やさせなかった(この部分の報道は極めて迫真性があり、タイヤを燃やされるとガザ内で何が起きていて、フェンスの近くまで抗議隊が来ているか否かも識別できなくなり、IDFの狙撃手が抗議隊の脚を狙ったりして、最小の出血で衝突を止めることができなくなるので、タイヤを燃やさないようにエジプトの斡旋団を通じて要求していた由)ことを評価しているので、30日〜31日のロケット弾の発射等にもかかわらず、これに対して相応の扱いをすることにして、31日にはパレスチナとの検問所(Kerem Shalom と Erezの2ヵ所)を再開し、ガザの近海での漁の再開を認めることにしたと報じています。

アラビア語メディアの中でもサウディ系のal arabiya net はエジプト斡旋団が、両者の間に立って事態の鎮静化のために努力していると報じています。

しかし、haaretz net もIDF筋の話として、もしイスラムジハードや他の過激派が、さらに強硬措置をとる場合にはIDFとしてもこれに対する対応策をとることになるとして、今後どうなるかは事態の推移如何としています。

トルコとクルド問題

トルコでは確か本31日、地方議会選挙が行われていて、最近のトルコの経済情勢(特にトルコ通貨の下落とインフレ)がどう投票に影響するかが注目されていますが、トルコにとっての安全保障上最大の問題はクルド問題(対シリア政策を含む)です。

こちらに関しては、トルコ紙のhurryiet net に3つの記事が出ているところ、地方選挙後にトルコ軍に大きな動きがありそうな感じがするので、記事の要点のみ。

  • 一つはエルドアン大統領が30日、「トルコはシリア問題(どうやら国境地帯のクルド勢力の問題をさす模様)を明確に解決する方針で、それは交渉ではなく、現地において行われる(軍事作戦をさす模様)が、地方選挙が終わった最初の仕事となろう」と語った。トルコは既に2度シリア内で軍事作戦を行っているが(ユーフラティスの盾作戦とオリーブの枝作戦)、この作戦がそのフォローアップとなる。
  • トルコ軍は、今後のユーフラティス川東岸での作戦の本部となる、作戦センターを30日、トルコ南部のŞanlıurfaに開設した。開設には国防相及び参謀長が出席し、同地方のトルコ軍を視察するとともに、トルコ軍はイラク北部のPKKを攻撃していて、甚大な被害を与えたと語った。
  • トルコ空軍はこのところイラク北部のクルド地域のPKK拠点を攻撃していて、その幹部等に甚大な損害を与えたと発表しているところ、30日もQandil山地を空爆したと発表した。
http://www.hurriyetdailynews.com/turkish-jets-hit-pkk-in-n-iraq-142275
http://www.hurriyetdailynews.com/turkey-opens-center-to-manage-op-east-of-euphrates-142292
http://www.hurriyetdailynews.com/turkey-to-solve-syria-issue-on-the-field-after-polls-erdogan-142281
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