中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2019年04月

スレイマニ司令官の米との交渉反対(イラン)

米のイラン原油全面禁輸の期限がもうすぐきますが、米イラン両国は全面対決の道を歩んでいる感じがします。

確か先日イラン軍参謀長が、イランはホルムズ海峡を閉鎖する力を有していると警告したことは、報告したかと思いますが、今度は例のコドス部隊(革命防衛隊の対外作戦特殊部隊)のスレイマニ司令官が、米国との交渉は、米国の威嚇と圧力に対する屈服であるとして、米国との交渉に反対であることを表明したとのことです。

これは、スレイマニが29日治安関係者の会合で述べたところを、革命防衛隊系の tasnim 通信が報じたところとのことですが、この発言はザリーフ外相(ロウハニ大統領系の穏健派とされる)が、イランと米国が双方の逮捕者を釈放のために交渉する用意があると発言したことに反発したものの由。

また議会の議長も米国との交渉は誤った作戦であるとして非難した由。

これを報じるal arabiya net などは、米国との関係を巡り、イラン体制内で亀裂が拡大しているとコメントしているところ、このザリーフ外相さえも、米国の圧力に対しては、イランはNPT核拡散防止条約からの脱退も辞さないと強硬発言をするなど、両国の対立は深まっているように見えます。
取り敢えず。

リビア情勢と外国の介入

リビアの情勢は相変わらず不透明と言うか流動的な模様ですが、同時に外国の介入の報道が増えています。
アラビア語メディアから、取りあえず次の通り。
  • トリポリを巡る戦いは、その後も基本的に(市街地を含む)市の南部で激しく戦われている模様ですが、haftar軍に近いメディアは、haftar軍 は優勢に作戦を進め、市の中心に向かっていると報じています。
  • これに対して統一政府に近いメディアは、同軍の反撃が功を奏して、haftar 軍は1勸幣絽綢爐靴燭畔鵑犬討い泙后またこれまでも統一政府軍の主力はミスラタ民兵だった模様ですが、29日更に新たな増援部隊がミスラタから到着し、陣容が強化されたと報じています。
  • またこれまでは(現在でもそうか)空爆を行っているのは、主としてhaftar軍と伝えられてきましたが、29日には統一政府軍が2回の空爆を行った由。
  • 他方外国の介入については、al jazeera net が、現地目撃者の談として、エジプトがhaftar軍に支援物資等を続々と送り込んでいる報じています。リビア国境に近いマルサマトルーフ近郊にエジプトが一大軍事基地を建設したことは前に報告の通りで、この基地がエジプト機やUAE機のリビア空爆の拠点として使われていることも何度か報告の通りです。目撃者によると、この基地からリビアに向かって、装甲車を含む、武器弾薬類の車列が送り込まれ、両国の国境は車列の通過する間閉鎖されたとのことです。また、この基地からはリビアの統一政府軍攻撃のために、UAEのドローンが飛び立っている由。(この話が事実であれば、UAEはイエメンのhothy軍からドローンでアブダビやドバイを攻撃するとの威嚇を受けていることもあり、忙しいことです。)
  • 他方、haftar軍報道官は同じく29日、トルコが統一政府軍にドローン及びその操縦要員を供与している確かな証拠があると非難した由。(今のところ統一政府がドローンを使用したという報道はないが、ついにリビア内戦もドローンの相互使用という近代戦?になるのでしょうか。)
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/libya/2019/04/29/المسماري-تركيا-تبنت-جناح-الاخوان-الخاسر-.html
https://aawsat.com/home/article/1700681/%C2%AB%D8%AD%D8%B1%D8%A8-%D8%B4%D9%88%D8%A7%D8%B1%D8%B9%C2%BB-%D8%AC%D9%86%D9%88%D8%A8-%D8%A7%D9%84%D8%B9%D8%A7%D8%B5%D9%85%D8%A9-%D8%A7%D9%84%D9%84%D9%8A%D8%A8%D9%8A%D8%A9
https://www.aljazeera.net/news/politics/2019/4/29/%D8%AF%D8%B9%D9%85-%D8%B9%D8%B3%D9%83%D8%B1%D9%8A-%D9%85%D8%B5%D8%B1%D9%8A-%D9%84%D8%AD%D9%81%D8%AA%D8%B1-%D9%88%D8%A7%D8%B4%D8%AA%D8%A8%D8%A7%D9%83%D8%A7%D8%AA-%D9%85%D8%AA%D9%88%D8%A7%D8%B5%D9%84%D8%A9-%D8%B9%D9%84%D9%89-%D8%AA%D8%AE%D9%88%D9%85-%D8%B7%D8%B1%D8%A7%D8%A8%D9%84%D8%B3
https://www.alquds.co.uk/%d9%84%d9%8a%d8%a8%d9%8a%d8%a7-%d8%a7%d9%84%d9%88%d9%81%d8%a7%d9%82-%d8%aa%d8%b9%d8%b2%d8%b2-%d9%85%d9%88%d8%a7%d9%82%d8%b9%d9%87%d8%a7-%d8%a8%d8%b9%d8%af-%d9%88%d8%b5%d9%88%d9%84-%d9%82/

どうやら戦線が膠着している一方で、双方に対する外国からの支援もあり、今後戦闘がトリポリの中心に近づけば、民間人の被害もさらに増える危険が強いですね。

IS首領のビデオ放映

先日イラクの情報筋の話として、IS首領のal baghdadi がイラクに潜入しようとしているとの報道をお伝えしたかと思いますが、今度は本人のビデオが28日、ISのメディアで流されたとのことです(この話は日本でもすでに報じられていたと思います)
同人は、al baghuz(シリアの IS最後の拠点)の戦いは終わったが、神はキリスト十字軍と戦うことを求めているが、総ての戦闘で勝利することを求めている訳ではないとしつつ、ISは今後とも全世界で戦いを続ける考えであると語った由。
また先日のスリランカでのテロはalbhaguz の戦いに対する反応であるとした由

これに対し、米国務省はビデオの男が本人であるか否か確認を続けるとしつつ、ISとの戦いは続くとした由。

ビデオの像が本人か否か最終的確認の問題は残っていて、またこのビデオがいつどこでとられたものかの問題も残っているが、彼がbaghuz やスリランカのことに言及しているとすれば、少なくも最近の映像であると思われます。場所は不明
この問題について、washington post は、最終確認お問題はあるも、彼がシリアでの敗戦から逃れ、重大な負傷等は負っておらず、一見極めて健康で元気そうであるとして、彼の居場所はシリアかイラクの砂漠地帯であろうとしています。
https://www.alquds.co.uk/%d8%b8%d9%87%d9%88%d8%b1-%d8%a7%d9%84%d8%a8%d8%ba%d8%af%d8%a7%d8%af%d9%8a-%d9%81%d9%8a-%d9%81%d9%8a%d8%af%d9%8a%d9%88-%d8%ac%d8%af%d9%8a%d8%af-%d9%84%d8%aa%d9%86%d8%b8%d9%8a%d9%85-%d8%a7%d9%84%d8%af/
https://aawsat.com/home/article/1700611/%D9%84%D9%84%D9%85%D8%B1%D8%A9-%D8%A7%D9%84%D8%A3%D9%88%D9%84%D9%89-%D9%85%D9%86%D8%B0-2014-%D8%A7%D9%84%D8%A8%D8%BA%D8%AF%D8%A7%D8%AF%D9%8A-%D9%8A%D8%B8%D9%87%D8%B1-%D9%88%D9%8A%D8%B9%D8%AA%D8%B1%D9%81-%D8%A8%D9%80%C2%AB%D8%A7%D9%86%D8%AA%D9%87%D8%A7%D8%A1-%D8%A7%D9%84%D9%85%D8%B9%D8%B1%D9%83%D8%A9%C2%BB-%D9%81%D9%8A-%D8%B3%D9%88%D8%B1%D9%8A%D8%A7
https://www.aljazeera.net/news/politics/2019/4/29/%D8%A7%D9%84%D8%A8%D8%BA%D8%AF%D8%A7%D8%AF%D9%8A-%D8%A3%D9%85%D9%8A%D8%B1%D9%83%D8%A7-%D8%AA%D9%86%D8%B8%D9%8A%D9%85-%D8%A7%D9%84%D8%AF%D9%88%D9%84%D8%A9
スリランカの大規模テロで、未だISが消滅しておらず、世界的な規模で過激思想を蔓延させる力と、テロを支援する能力を有していることを示し、世界中が緊張した中で、その首領のビデオ放映とは、未だに広報宣伝のISの能力を見せつけたもので、、今後とも世界規模でのISとの戦いが必要になることを示したものでしょう。
取りあえず








世界3位の軍事(費)大国 サウディ

確か邦字紙も報じているかと思いますが、al qods al arabi net は、スウェーデンの平和研究所SIPRIが29日に発表した、2018年の世界の軍事費でサウディが第3位となったと報じています。

第1位は(当然のことながら)米国で、2位が中国で、それ以下では4位がインド、5位が仏となっています。

また世界全体の軍事費はこの30年間で最高の水準に達したという、甚だきな臭いことも書いています。
記事の要点のみ
  • 2018年の世界の軍事費は6.2%の増加で、8兆ドルに達したが、これは世界中の一人当たり239ドルの支出に相当する。軍事費が増大した要因は、トップ3国(米、中国、サウディ)の軍事費増である。
  • 1位の米国は6490億ドルで、これは世界全体の軍事費の36%にあたる。また対前年比4%の増である。
  • 2位の中国が約2500億ドルで、世界の軍事費の14%にあたる。その増加率は対前年比5%であった。
  • 3位のサウディは667億ドルで、対前年比6%の減であった。
  • その後はインド、フランスと続くが、インドはパキスタンや中国との緊張もあって、5年連続の軍事費増であった。

エジプトのシュンムルナシーム(薫風祭)

580[1]確か昨日だったか、コプト教会のイースターにアズハリ総長が大聖堂を訪問し、祝意を述べたことは報告したかと思いますが、この日はエジプトでは数千年間も続く・・・要するにファラオ時代から…シュンムルナシーム(日本語にすれば薫風祭となるか)のお祭りの日で、人々は自然(と言っても砂漠ではなく、水辺とか公園とか緑のあるところ)に行って、香しい春の風を嗅ぐ日になっています(写真)
今年は天気も良く大勢のエジプト人が自然と親しんだようですが、これを伝えるal jazeera net は、この祭りにはfasikhと言う塩漬けの魚を食べることになっているが(これがくさやの干物とまではいわないが、非常に臭いので有名)、その製法をインチキにした製品が横行し、死者も出たので、最近はその習慣も下火になっていると報じています。
事実なら誠に残念ですね。懐かしい味です
https://www.aljazeera.net/news/lifestyle/2019/4/28/شم-النسيم-طقوس-متوارثة-في-مصر-تثير-البهجة
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