2020年09月

コーカサス紛争　３

2020年09月30日 23:26

トルコ機がアルメニアのSU25機を撃墜したという話は、トルコが否定していることはお伝えしましたが、そのごの hurryiet net は、大統領府はこれを否定し、２機のSU２５機が接触して山に墜落したと表明したと報じています（写真）

今のところ真相は不明ですが、他方al arabia net (サウディ系でトルコには批判的）は、アルメニア首相が米紙とのインタビューで、トルコのアゼルバイジャン支援を非難するとともに、これまでの戦闘でアゼルバイジャンは数百の死者を出し、１００両の戦車を失い、複数のドローンを喪失したと語ったよし。
これに対して、アルメニア側も数十名の兵士を失い、２００名の負傷者を出した由
（何しろ米紙に対するインタビューだから、かなり宣伝的要素があるとは思われるも・・・・）

https://www.hurriyetdailynews.com/azerbaijan-armenian-jets-crashed-into-mountains-158717
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2020/09/30/أرمينيا-و-أذربيجان-أرمينيا-تتهم-تركيا-بتهديد-الأمن-الدولي

コーカサス紛争　２

2020年09月30日 18:13

どうも時局問題はタイミングが難しく、先ほどナゴルノカルバッハを巡るアルメニアとアゼルバイジャンの戦いは、これまでのところ大きく拡大している兆候は見られない、などと書いた直後ですが、トルコのhurryiet net は、トルコの戦闘機がアルメニア戦闘機を撃墜したとのアルメニアの主張には根拠がないと否定したと報じています。
これはトルコ大統領府の報道官が２９日、アルメニアがトルコのF16戦闘機がアルメニアの戦闘爆撃機SU２５をナゴルノカルバッハ上空で撃墜したとのアルメニアの主張は全くの虚偽であると語ったと伝えています。
今のところ、アルメニア側が具体的にどう主張しているのかふめいですが、何しろナゴルノカルバッハはアルメニアの西部で地理的にトルコにも近く、国境に近いので、アルメニア空軍がそこで活動していて、これに対してトルコ機は国境侵犯の恐れあるとして迎撃して、不測の事態が生じる可能性は常に存在するので、今後の続報が注目されます。

他方al arabiya net は、アルメニア首相が３０日、ロシアの仲介によりアゼルバイジャンとの和平会談を持つことは時期尚早で、アルメニアとしてはナゴルノカルバッハの独立を承認することを検討する積りであると語ったと報じています。
記事は又、ロシアのinterfaxが、激しい戦闘が続いている現在、ロシア、アルメニア、アゼルバイジャンの首脳会議を議論することは時期尚早で、先ずは平和解決のための環境が必要であると報じていると伝えています。
（これらの報道が何を意味するかは不明だが、もしかするとアルメニアは交渉の材料として、ナゴるノカルバッハ
の独立から、問題の国際かを狙っているのかもしれない）
https://www.hurriyetdailynews.com/turkey-denies-shooting-down-armenian-wa-158708
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2020/09/30/أرمينيا-و-أذربيجان-أرمينيا-لسنا-مستعدون-لخوض-مباحثات-سلام-مع-أذربيجان-بوساطة-روسيا

コーカサス紛争

2020年09月30日 16:29

ナゴルノカrバッハ等を巡るアゼルバイジャンとアルメニアの衝突は、かなり派手に報じられていますが、現在までのところは大きな国際的関与もなく、衝突や死傷者の劇的拡大には至ってない模様です。
アラビア語メディアから取りまとめると・・・・

・国連安保理は３０日、当事者に対して即時停戦を要請した
これは安保理の緊急非公式協議を受けて、安保理が発表したもので、全理事会の支持を受けて、安保理として運送の激化に懸念を表明し、即時停戦と事態の平静化を求める事務総長の行動を支持するというもの
（記事には安保理が即時停戦を要求したとしているところもみられるが、この声明と言うのは、強制力を伴う安保理決議ではなく、安保理の要望の表明程度のもので、勿論強制力はない…・強制力を伴う停戦決議となると、６７年や７３年の中東戦争の時のように、時限を切って停戦を要求するもので、両方とも攻勢に出ていたイスラエルが、停戦前までに、少しでも有利な地位を築きたいとして、前線でも国連でも熾烈な戦いがあった。現在の国連にはそのような決定的影響力はなさそうである。
おそらくは安保理声明にもかかわらず、紛争当事者が戦闘を止めたいとなるか、ロシアやトルコの圧力がない限り、今後とも戦闘は続くと思われる）

・現地情勢に関しては、紛争拡大の危険が迫りつつあるとの報道はあるが、具体的に戦闘及びその地域が大きく拡大したとの報道は見られない
・ロシア、トルコ等周辺国はいずれもこれまでの立場を繰り返しているが、トルコに関しては（おそらくはアルメニア側の宣伝として）シリア傭兵の導入などの報道はあるも、少なくとも大量の傭兵の導入は今のところなさそうである
ロシアも、大統領府等が声明を出す等、関心のレベルはアップしているが、内容的には即時停戦と周辺国（要するにトルコ）の介入を戒めるもので、これまでと同様

・他方、ロシア通信はアルメニア首相が、平和維持軍（国連とかEUとかか？）の導入は検討していないと語ったと報じており、ナゴルノカルバッハ地域で、どちらかが占領地を大きく拡大したというようなことはないことを示しているように思われる

https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2020/09/30/أرمينيا-و-أذربيجان-مجلس-الأمن-يطالب-بـ-وقف-فوري-للمعارك-بين-أرمينيا-واذربيجان
https://www.alquds.co.uk/%d8%a3%d8%b1%d9%85%d9%8a%d9%86%d9%8a%d8%a7-%d9%84%d8%a7-%d8%aa%d8%af%d8%b1%d8%b3-%d9%86%d8%b4%d8%b1-%d9%82%d9%88%d8%a7%d8%aa-%d8%ad%d9%81%d8%b8-%d8%b3%d9%84%d8%a7%d9%85-%d9%81%d9%8a-%d9%86%d8%a7%d8%ac/
https://www.alquds.co.uk/%d9%85%d8%ac%d9%84%d8%b3-%d8%a7%d9%84%d8%a3%d9%85%d9%86-%d9%8a%d8%b7%d8%a7%d9%84%d8%a8-%d8%a8%d8%a7%d9%84%d9%88%d9%82%d9%81-%d8%a7%d9%84%d9%81%d9%88%d8%b1%d9%8a-%d9%84%d9%84%d9%82%d8%aa%d8%a7%d9%84-2/

リビア情勢（ロシア人傭兵の演習）

2020年09月29日 17:06

最近リビアに関しては、双方の軍関係者のエジプトでの会合とか、トルコによるシリア人傭兵の引き上げとか、緊張緩和の方向に向かっているかと思われるニュースをお伝えしましたが、未だ未だ戦闘準備はされている模様で、決して安心はできないというニュースを一つ

これはal jaeera netの伝える、ロシアの安全保障会社wagner社の傭兵の演習等の動きですが、このメディアは親トルコであり、何処までが事実で、どの程度宣伝か疑念はありますが、取りあえず

現地筋によると、先週wagner社は、リビア中部のal jufra（ここは中部リビアで最大の空軍基地で，次の戦闘があるとすれば、こことシルト地域だろうと見られている）でロシア人傭兵の実弾を使った演習を行った。
演習にはロシア人操縦のMIG機も参加した由。
この空軍基地では、wagner者が周囲３０㎞の防衛線を強化し、兵器弾薬等の倉庫等が強化され、また滑走路等の整備も行われている由
また過去数週間にわたり、シリアのロシア軍基地から、軍輸送機で武器弾薬が運び込まれている由。
さらに同基地ではwagner社の傭兵及びシリア人傭兵がhaftar軍の訓練を行っているのが目撃されている模様。
また統一政府軍によると、haftarg軍はエジプト内のリビアに近い基地で、地雷の敷設角訓練を行っている由
https://www.aljazeera.net/news/politics/2020/9/29/%d8%a7%d8%a7-164

アルメニア・アゼルバイジャンの衝突

2020年09月29日 11:59

コーカサスのアルメニアとアゼルバイジャンとの紛争は、２日目を迎え、さらに激しさを増している模様です
BBC等は民間人を含め、９０名以上が死亡したと報じていたかと思いますが、al sharq al awsat net も５８名の兵士を含む６７名が死亡したとしていますが、その後この数字はさらに大きくなっていそうです。

欧州各国や米国ロシア等はいずれも、即時停戦と平和的解決をよびかけていますが（安保理も非公式協議をする由）、その中でトルコは、アゼルバイジャンに対してあらゆる支援をする用意があるとしています。

この点に関し、al qods al arabi net は、トルコはシリアやリビアと同様に、トルコ製のドローンを多数投入し、大きな戦果を挙げていると報じています。
もっとも、記事は、ドローンの使用に関し、トルコは沈黙していて、使用しているのがアゼリ軍かトルコ軍かは不明であるが、公表された写真によっても、ドローン等の空爆により、武器弾薬庫、戦車を含む戦闘車両等が多数破壊されていて、更にドローンはアルメニアの有するロシア製の新型対空兵器をかなり制圧し、これが戦場におけるアゼルバイジャン軍の優勢をもたらしたとしています。
また、al sharq al awsat net はトルコは、ここでもシリア人傭兵を送り込んでいるとのアルメニア側の主張を伝えています
https://aawsat.com/home/article/2534881/%D8%A7%D9%84%D8%AA%D8%B5%D8%B9%D9%8A%D8%AF-%D9%81%D9%8A-%D9%82%D8%B1%D9%87-%D8%A8%D8%A7%D8%BA-%D9%8A%D8%B3%D8%A7%D8%A8%D9%82-%D8%AF%D8%B9%D9%88%D8%A7%D8%AA-%D8%A7%D9%84%D8%AA%D9%87%D8%AF%D8%A6%D8%A9
https://www.alquds.co.uk/%d8%b9%d9%84%d9%89-%d8%ba%d8%b1%d8%a7%d8%b1-%d8%b3%d9%88%d8%b1%d9%8a%d8%a7-%d9%88%d9%84%d9%8a%d8%a8%d9%8a%d8%a7-%d8%a7%d9%84%d9%85%d8%b3%d9%8a%d8%b1%d8%a7%d8%aa-%d8%a7%d9%84%d8%aa%d8%b1%d9%83%d9%8a/
https://www.aljazeera.net/news/2020/9/28/%d8%aa%d8%b5%d8%a7%d8%b9%d8%af-%d8%a7%d9%84%d9%85%d8%b9%d8%a7%d8%b1%d9%83-%d9%81%d9%8a-%d9%82%d8%b1%d9%87-%d8%a8%d8%a7%d8%ba-%d8%a3%d8%b1%d9%85%d9%8a%d9%86%d9%8a%d8%a7-%d8%aa%d8%aa%d9%87%d9%85

これまでの両者の紛争では、量的に劣るアルメニアが、歴史的なトルコ系民族に対する恨みもあり、旺盛な戦意ででナゴルノカルバッハ及び若干の周辺地域を占拠してきましたが、トルコの直接介入か否かはさておいても、大量のドローン投入が事実で、そのためにバランスが大きくアゼルバイジャン側に傾きつつあるとしたら、ロシアも黙ってはいられなくなる可能性があります。
中東の周辺が更に剣呑になりつつあるということでしょうか

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