サウデイアラビアは、世界の中でも、選挙された議会を持たない数少ない国(現在ある諮問評議会は任命制)として知られていましたが、これまでも選挙による議会の開設がサウディ民主化運動の要求の柱の一つでした。

この問題に関し、20日付の al qods al arabi net の記事は、前駐米大使で元サウディ情報局総裁であったトルキー・ビン・ファイサル殿下(勝手名君として有名であったファイサル国王の息子の一人。外相のサウド殿下の兄弟)が、20日ジェッダでの経済シンポジウムで諮問評議会を国民からの投票で選出することを支持すると発言したと報じています。

記事によると殿下は、国民が選挙でその意思を表明し、それに基づいて政治がおこなわれるのはイスラムの原則にものっとっていて、これはサウディ国王が国民との対話を進めてきた路線にも適うものであると発言したとのことです。

現在のトルキー殿下のサウディ政府内における発言力については知りませんが(今でも外交、政治面では大きいと思われるが)、この種発言を有力な王族が公の場で行う場合には、政府内のコンセンサスがあるのが普通で、しかも国王の名前まで出しているということは、サウディでも国民から選挙された国会の設立と言う方向へ踏み出したものと見て良いのではないでしょうか?

問題は保守派の反撃の可能性と改革のスピードの問題でしょうね。

http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest/data/2011-03-20-18-23-31.htm

☆トルキー・ビン・ファイサル殿下(ウィキペディア:英語)
http://en.wikipedia.org/wiki/Turki_bin_Faisal_Al_Saud