シリアの情勢に関して、27日付のhaaretz net の記事は「シリアでは軍のアサドに対する忠誠は根強い」と題して、大部分の軍はアサドに対して忠誠であること、またアラウィ派の中にも批判的なグループがあり、スンニ派もアサドに近いものがあり、単純に少数派のアラウィ対多数派のスンニ派と言う構図ではないと書いています。
非常に興味ある記事なので要点のみ次の通り

「アサド政権は父の代から軍隊に好待遇を与え、その忠誠を勝ち取ってきた。シリア軍はイスラエル軍のような外敵には敵わなくとも、人民を圧殺することはできる。
ダラアで彼の弟の指揮する第4師団と大統領親衛隊が市民を殺している時、ホムスやラタキアでは他の忠誠な部隊が弾圧をしていた。
彼の父とアサド大統領は法律を曲げても軍人に良い目をさせてきた。
90年代にアサド父が煙草の輸入を禁止したのも、軍の煙草密輸に独占の利益を与えるためであった。
また軍人は公定レートでドルを買い、これをより有利なレートで売る(これは一般人には犯罪となる)ことも認められてきた。
この軍人による独占は殆ど組織となっている。アサドのいとこは石油、ガス、観光の独占体を継承した。
尤もこれは彼の家族やアラウィ派に限らない。元の国防大臣や参謀総長はスンニ派だが、彼らの家族は独占事業を満喫している、国防相tlssの息子の一人は砂糖事業、もう一人はホテルチェーンを有している。
大統領夫人もスンニ派だが、彼女の家族も金持ちだし、彼の友人たちも裕福な生活を満喫している。彼らは何らかの許可事業では、利益の5%を吸い上げるので「5%の連中」と呼ばれる。
従ってシリアの情勢を少数派のアラウィ派対多数派のスンニ派と見るのは単純すぎる間違いである。
アラウィ派の部族の中にもアサドに反対のものがいる。広範な抗議運動が始まる前の3月に、大きな4部族の長はマニフェストを発し、アサド政権との関係を否定し、1982年の様な虐殺には反対であると声明した。
勿論スンニ派との関係はより困難である。
またアサド家族内の亀裂も深まっている。アサド父の弟りファト(ハマの虐殺の張本人)の息子は最近本を書いて父親の責任を否定し、総てはアサド父と国防大臣tlassの責任とした。
この亀裂は更に深まるだろうか?
現在のところ軍隊は忠誠である。但し軍隊にはいろいろの宗派、階層の人間が混じっている。そこへ来て今回は82年と違い(当時は反乱はハマのみ)全土に広がっている。反政府派が軍人に対してブログを使って寝返るように働きかけてもいる。
軍首脳がアサド一族もバース党も彼らの利益を守る為には不要になったと結論することもあり得ることで、その場合にはかれらが国民の怨嗟のスケープゴートとなろう。
その場合には反政府派、民主化運動は軍と妥協せざるを得ないだろう。
対外的には、イランとヒズボッラは息を潜めている。イラン紙はシリア情勢を報道しない様に規制されている」
http://www.haaretz.com/print-edition/features/in-syria-the-army-s-loyalty-to-assad-runs-deep-1.358310