昨日だったか国際刑事裁判所(これは国連の主要機関の一つの国際司法裁判所とは別の裁判所ですので、混同しないでください)が、リビアのカッダーフィ等に対する国際逮捕状を発給するかもしれないと言うニュースが流れましたが、今度はシリアのアサドです。
17日付のal qods al arabi net の記事は、英国の防衛担当国務相(自由党。いわゆる閣外相か)ニック・ハーベイが、国際記事裁判所はおそらくシリアのアサド大統領に逮捕状を発するだろうと声明したと報じています、
この点に関して、同紙は英国のfinancial timesによれば、この国務相の発言は国際刑事裁判所の検事がカッダーフィ等に対する国際逮捕状を請求すると報じられた後行われたもので、英国はシリアの政権交代を要求してはいないが、アサド政権に対して暴力を使っての弾圧の中止を求めているとしています。
また、国務相の声明は、シリアの人権団体がダラアで集団埋葬地を発見したと報じられた後に行われたとのことです(この集団埋葬地については確か昨日ご紹介しました。虐殺の後集団埋葬地が発見されることは旧ユーゴスラビアのボスニア・ヘルツェゴビナやコソボでもありましたが、虐殺をすることはできてもその痕跡を完全に隠すことは難しいようです)。

記事は以上で、異常なシリアの人権蹂躙に欧州も黙ってはおられなくなったということなのでしょうが、国際刑事裁判所の問題としては、管轄権の問題があります。もともと刑事裁判所はuniversal jurisdiction とすることが期待されていましTが、自国の兵士等が裁かれることを恐れた米国等の強い反対で、補完的な管轄権とされました。
その為、裁判所は容疑者がその加盟国であること、犯罪の場所が加盟国であること、または安保理から事件を付託された場合のみに管轄権を有することになっています。
シリアは裁判所の条約に署名はしましたが、未批准国(のはず。ごく最近批准していなければ)です。従って裁判所が逮捕状を発してアサドを裁判するためには、安保理決議が必要になります。
リビアについては正に安保理で決議したところに従って国際刑事裁判所が審理を進めている訳です。
英国の発言は従って、希望の表明程度のものでしょうね。

http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest/data/2011-05-17-10-22-52.htm