サーレハ大統領のサウディへの移送は間違いないようですが、5日付のロンドンで発行されているal sharq al awsat net の記事は、彼の動向について矛盾したニュースが流されたのは意図的というよりは、情報の流れが悪く皆が自分の有している少ない情報を元に話したからであろうとの解釈を載せていますが、同紙とサナアから電話で話したサーレハの顧問の ahamad abudallah al sufi は同紙に対して、大統領官邸内のモスクに政府指導者が集まっている時に、場所の特定と時間の特定をした上で砲撃したのは、非常に高度の技術を要することで、ごく少数の大国にしかその能力はないと語ったとのことです。

 同紙の、イエメン政府は ahamar の一味を非難しているが、との質問に対しては、現地の人間が現場の情報を提供した可能性はあるが、それに基づき正確な砲撃(爆撃)ができるのは、一部の大国しかないと繰り返したうえで、質問に応え、それは米国であると答えたとのことです。

 米国が何故サーレハを爆撃するのかとの質問に対しては、米国はここしばらくサーレハがイエメンの問題の根源であると考え、その排除を図ってきたので、米国がこの様な暴力に訴えることは不思議ではない、と答えたとのことです。

 その他記事はサーレハの心臓の下に金属片が刺さっていて、彼は顔や胸に3度の火傷を追っているが、手術が必要か否かは不明と報じています。

 記事は以上で、この顧問とか称する男の影響力とかその辺は不明ですが、サーレハを狙ったのが米国であるとあたかも事実のように主張しているが、根拠は彼の思い込みでしかありません。勿論米国ではないという証拠もありませんが、常識的に考えて非常にあり難い話をあたかも事実のように話すと言うのは、中東特有の陰謀史観とやらが顔を出した感がします。

 このような話は現地ではどの程度信じられているのでしょうか?

http://www.aawsat.com//details.asp?section=4&article=625086&issueno=11877