イスラエル大使館の襲撃事件が、エジプトの最高軍事評議会に難しい国内問題を投げかけたということは、先日書いたところですが、どうやらその危惧が現実化してきたみたいです。
12日付のal jazeerah net の記事によると、リベラル派、民族主義者、マルクス主義者からなる、革命勢力(抗議運動の主力)は、イスラエル大使館事件後の最高軍事評議会の高圧的な政策に反対して、今月30日を「革命を奪還する日」と称して大規模な抗議運動をすることを呼び掛けたとのことです。
特に彼らが問題としているのが、軍事評議会が非常事態を復活させると決定したこととのことで、全国的に30日抗議運動を呼びかけ、その後もオープン・エンドで、軍事評議会より革命を奪還するまでは、抗議を続けるとしている由。
抗議を呼びかける声明には、軍事評議会に対する14の要求が掲げられているとのことですが、その主要なものは
・非常事態の復活の中止
・文民の軍事裁判所での裁判の中止
・司法の独立
・政府から旧体制派の一掃
・最高・最低賃金の制定
だとのことです。
他方中東通信によれば、イスラエル大使館事件を受け、軍事評議会は非常事態の復活を決め、具体的には道路の閉鎖、通信の閉鎖等もあり得、省庁及び警察署を襲うものに対しては発砲もありうるとのことです。
なお、先日の抗議集会にはムスリム同胞団等は参加しませでしたが、同胞団は11日声明にて、軍事評議会がイスラエル大使館事件を利用していることを非難して、一日も早い民政移管が必要と強調して、予定されている選挙の延期に対して懸念を表明したとのことです。

記事の要点は以上の通りですが、これから30日までは時間もあることで、その間両者間の妥協の可能性もあるだろうと思われ、エジプトの情勢が一直線に緊張するとは限らないと思われますが、それにしてもエジプトの状況が革命後最も微妙な時期に差し掛かった(こういう事態が来ることは当然予測されてはいたが)のではないでしょうか?
また、このような状況で、微妙なのがムスリム同胞団始めイスラム主義勢力で、今のところ30日の抗議運動に参加するのか否か態度は表明していないようです。
それにしても、いわゆる革命勢力が軍事評議会批判を強める割には、民政移管の早期実現とその為の選挙の実施を要求しないのは、前から書いている通り、民主化勢力としては、理解に苦しむところです。
その点ではムスリム同胞団などの方が、民主主義の正道に則っているような気がしますが、民主化勢力としては選挙をすればムスリム同胞団に負けるのが怖いのでしょうか?
http://www.aljazeera.net/NR/exeres/8BEA66F1-1611-41EA-953B-87BE5729063A.htm?GoogleStatID=1