シリア情勢との関係で、トルコの対シリア姿勢が益々反アサドに傾きつつあるように見えますが、al qods al arabi net の28日付の記事は、NYtimesの記事(全文か否かは不明だが27日付のNY tims net に記事が載っています)を引用して、トルコはシリアからの逃亡兵を匿い、トルコ領内から軍事作戦を行うのを許していると報じています。
ny times の記事は下記のURLで読めますが、それを読んだ限りでは、信憑性は高いように思われ、記事の言う通り脱走兵たちは未だその勢力は小さくとも、トルコの行為は国際法上は問題がありそうです。また、どうもトルコがシリア情勢に関し一線を越えて、危ないことに手を出し始めた感じがしないでもありません。
なお、通常この種のことはむしろ隠したがるものですが、NYtimes という世界的報道機関に、態々記者会見をさせた、と言うところが多いに興味があります。
報道を通じて、トルコの政策を広報したかったのでしょうが、一つはシリアに対する警告、もう一つは米国を始めとする国際社会により積極的な対シリア政策を求めた、と言うことなのでしょうか?
それにしてもトルコも、pKK対策、大地震、シリア問題と忙しい国ですね。
双方の記事の要点のみ次の通り

・トルコは脱走シリア兵の小グループを領内にかくまい、トルコ領内からアサド政権に対する越境軍事作戦を行うことを許している。
・このトルコの政策は、アサドの基盤を揺るがそうと言う一般的政策に基づくもので、トルコは間もなく対シリア制裁を実施すると見られ、また反政府の統一組織国民評議会に対する支持を強めつつある。
・このグループは アサアド大佐の率いる60〜70名の兵士で自由シリア軍と言う名前で、先日もシリア内での作戦で士官1名を含む9名を殺害したとしている。
・彼等は厳重に警護された難民キャンプに住み、越境攻撃も許されているようであるが、トルコ政府の関係者は、トルコは純粋に彼等を人道的理由から受け入れ、その安全確保に努めているだけであると述べ、彼らの越境攻撃に関する質問に対しては、意見の表明を防ぐことHできないと述べた。
・大佐等との会見は地方役人の事務所で行われたが、彼等は10名の武装トルコ兵士に守られて現れ、同行したトルコ外務省の係官は、大佐の着ている背広はその朝外務省係官が買ったものと述べ、会見は全般的に外務省が取り仕切っているように見えた。
・トルコ係官は、トルコはこれらシリア人に武器の供与はしてなくて、その要請もない、と述べたが、大佐は国際社会の武器援助を期待していると語った。
・大佐は故郷のイドリブ県で脱走したが、彼のいるキャンプは総て自由シリア軍の者たちで、大佐の事務所も広報事務所もあり、良く組織されていると語った。
・大佐はまた自由シリア軍の勢力は約1万人で、今のところ武器は脱走時に持ち出したものだけであると語った。またその組織としては18の大隊等からなっていて、大佐が全体の作戦を指揮統括してるが、現在は政府軍の弱いところを狙っているが、今後武器の入手ができれば新しい段階に入ると語った。
・印象としては、大佐の言は大げさで、実態的にはアサド政権の力は弱まっておらず、むしろ弾圧作戦は順調に進んでいるとの感じを受けた。
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest/data/2011-10-28-07-37-43.htm
http://www.nytimes.com/2011/10/28/world/europe/turkey-is-sheltering-antigovernment-syrian-militia.html?pagewanted=2&ref=world