21日シリアに関しては2重要な動きがありました。
一つは安保理の300名の監視団派遣の決議(全会一致での)採択で、もう一つは監視団先遣隊のホムス訪問です。
決議の方はロシア・欧州決議案の採択と報じられているので、先日お伝えしたロシアと仏の決議案を一本化したものと思われますが、先日お伝えした仏案の最後の条項の制裁のところを必要な措置と訂正したり、かなり文言の修正は行われたようですが、基本的には仏案がベースで、アサド政府に対しての要求が強く出ています。
問題は何故ロシアがこれを受け入れたのかということですが、一つの可能性はアサド支持のロシアでも停戦破り常習犯のアサドにはこれ以上の付き合いはできないと思ったこと、もう一つは皆がこれが最後の平和解決の機会と指摘して云うように、このままいけば反政府に対する武器供与、本格内戦またはゲリラ戦の可能性が強いと判断したことでしょうが、ロシアの国連大使が米大使が停戦条件が順守されに時には90日以内であっても、監視団の活動は停止し、他の措置を考えると発言したことに強く反発したことから推察すれば、米とかアラブが武器供与の可能性を警告したため、と言う可能性も考えられます。
その場合、安保理の決議は不要で、湾岸諸国等が単に反政府派の、例えばシリア国民評議会をシリア国民の唯一合法の代表と認めれば、彼等の立場からすればそれがシリアの正当政府ですから、現在ロシアがアサド政権に武器を売っているように、彼等に武器供与することも国際法上は可能になります(勿論それでも内政干渉の誹りはあるが、正統政権として認めない時に比べたら格段の差が生じる)
その辺は単なる推測にすぎません。
もう一つの動きは監視団のホムス訪問で、0700のBBC放送でも、市民が監視団を囲んで、2月以来始めて政府軍の砲激が止み、戦車も姿を見せない、としてその訪問を歓迎するとともに、ホムス市に留まってくれるように懇願しているところを放映していました。
放送のコメントとして「わずかではあるが監視団の効果が見られた」と言っていましたが、もっと直截に言えば流石のシリア政府も国連監視団の前では派手な停戦破りはし難い、と言うか、これまでホムスで停戦を破ってきたのが政府軍であることを間接的に認めた、と言うことだと思います。
因みにal arabiya netは監視団が今後2名の監視団をホムスに残すと発表したと報じています。
al jazera net 等の報道をとりまとめ次の通り。

・安保理は21日全会一致で停戦監視団の90日派遣を認める決議を採択した。
・米国はシリア政府が決議の総ての条項に従わない場合には、監視団の延長には賛成しないとして、シリアの度重なる背信を攻撃した。そして、我々と同盟する国は決議が破られた場合には別の行動をとることを確認すると警告した。
http://www.aljazeera.net/news/pages/a4fb5c8b-b89b-4714-95ff-3abcf7e02d14?GoogleStatID=1
http://www.alarabiya.net/articles/2012/04/21/209226.html
・シリアでは21日各地で政府軍により25名が殺害された。うち13名がアレッポで(最近アレッポでの死者が増大していることが注目されます)、ホムスとダラアで4名づつ、ダマス郊外で2名とうであった。
ホムスでは2月以来初めて砲撃が止まった。
ダマスカスのmazzi軍用飛行場で大きな爆発があり、飛行場からは銃撃の音が聞こえ、治安部隊が飛行場に向かう道路を閉鎖した。
政府によれば反政府勢力がdir al zour の輸送管を爆破した。
http://www.aljazeera.net/news/pages/ee35c815-a633-4409-92d0-cb79979a580e?GoogleStatID=1
http://www.alarabiya.net/articles/2012/04/22/209348.html
・停戦実施後ヨルダンに難を避ける避難民が増加し、最近では一日500名に上っている。また負傷した自由シリア軍の兵士の亡命も増加している。
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest\data\2012-04-21-08-00-24.htm
・イスラエル北部の町Umm al-Fahmにアサド支持のアラブ人が集まって集会をして、これに対して住民のアラブ人が自分たちが誤解されると反対し、口論となり、小競り合いがあった(レバノン北部では時々アサド支持と反対派が衝突していますが、イスラエルでの事件は初めてだと思います)
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4218979,00.html