8日のシリア情勢につき、何時もの通りとりまとめたところ次の通りです。
シリア各地で激しい戦闘が伝えられていますが、政府軍が各地で大規模な砲爆撃をし、局地的に反政府軍が地歩を固めているものの、基本的には膠着状況という印象を受けます。
特に政府軍が何度も増援部隊を送り、激しい砲撃を繰り返しながら、未だに奪還できないダリヤがその象徴的存在に思えます。
国連部隊については矛盾した情報が流れています。

・8日シリアでは政府軍の砲撃等で、73名が死亡した。
その大部分は、ダマスと周辺、イドリブ、ホムス、アレッポであった。
http://www.aljazeera.net/news/pages/79ad1d93-db93-4039-be3a-4903548220df?GoogleStatID=1
・ダマスと周辺、イドリブ、ホムス、ダラア、ラッカ等で激しい戦闘が続いているが、自由シリア軍はダマス市の東でさらに地歩を広げたと発表した。
またラッカでは県の完全掌握を狙って、政府軍に残る第93旅団基地等の制圧を目指している。
ホムスでも激しい戦闘が続き、町は大半破壊されている。
これに対して、政府軍は砲爆撃で対抗しているが、又スカッドミサイルも使用されている。
砲撃は特にホムスに対して激しく行われているが、ラッカでは爆撃が繰り返し行われている。
http://www.aljazeera.net/news/pages/79ad1d93-db93-4039-be3a-4903548220df?GoogleStatID=1
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest\data\2013-03-08-06-35-42.htm
・反政府連立議長は、ゆかいされた国連軍要員は安全な場所に移され、近く赤十字に引き渡されるであろうと語った。
他方、彼らを誘拐した現地勢力は、彼らの釈放の交渉は行われておらず、政府軍の撤退なくしてその釈放はないと語った由。
al arabiya net によれば、誘拐した勢力は「ヤルム―ク殉教者部隊」(その実態不明)とのことで、その報道担当は、誘拐は作戦上の必要から行われたもので、9日にも釈放する予定であるが、政府軍がその邪魔をしていると語ったとのことです。
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest\data\2013-03-08-06-26-24.htm
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest\data\2013-03-08-15-20-46.htm
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2013/03/08/خاطفو-المراقبين-في-الجولان-يوافقون-على-تسليمهم-للصليب-الاحمر.html
・前首相hijabは安保理の速やかな介入と自由シリア軍への武器供与を要請した。
(安保理が麻痺していることは前から明らかであるにかかわらず、このような発言をすると言うことは、反政府派としても戦況の膠着状況を無視できないのか、それとも米ロ間に何らかの動きでも感じているのでしょうか?)
http://www.aljazeera.net/news/pages/cd4ef900-1d23-41e9-8d17-a72a250927c4?GoogleStatID=1