9日のシリア情勢に関しとりまとめたところ次の通りです。
政府軍とヒズボッラーがアレッポ、ダマス周辺、ダラア等で作戦を拡大している模様です。
al qods al arabi net はダラアのヌスラ戦線が、地域を確保する戦術を変更し、ゲリラ戦に転換すると報じていますが、これが局地的なものか全体的なものかは不明です。
レバノンのイラン大使館の前でヒズボッラーの介入に抗議するデモとヒズボッラー支持者が衝突して死者が出ましたが、レバノンは益々引き込まれつつあるやに見えます。本年のレバノンの観光は大打撃を受けたとのことですが、政治、治安情勢から考えたら止むを得ませんよね(確かサウディ政府は国民の退去を勧告したかと思います)

・政府軍とヒズボッラーはアレッポで第2段階の作戦を開始した。3方面からアレッポの周辺を攻撃している。
特に6月包囲されている軍事工場の解放を目指している。
ヒズボッラー兵士が5機のヘリからの降下作戦をするのが目撃された。
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2013/06/08/بدء-المرحلة-الثانية-من-هجوم-حزب-الله-والنظام-في-ريف-حلب.html
http://www.alquds.co.uk/?p=52226
・政府軍機はダマスと周辺、ダラア、ホムス、アレッポその他で活発な空爆を行っている。
・ヒズボッラに支援された政府軍はダラアを指向して、自由シリア軍との間で各地で激しい戦闘が続いている。
他方ダラアでは自由シリア軍がankhar市を完全に制覇した。
・ダマス周辺では特にダリヤに対する攻撃が激しい。
ダマス市でも重砲うアロケットが使われている。
・ラッカでは反政府軍部隊が第17師団の3個大隊を制圧し、多数の戦車や軍用車両を破壊、捕獲した。
http://www.aljazeera.net/news/pages/18c98afc-0610-4f87-9954-a6851dec8b20
・現在ヒズボッラーの兵士1500名が集結し、ダラアへの突入をまっている。
・ヌスラ戦線の軍事委員会は、戦術的な措置として、これまでの土地、農村、都市を確保する作戦からゲリラ戦を中心とする戦術に転換したと表明した。
http://www.aljazeera.net/news/pages/18c98afc-0610-4f87-9954-a6851dec8b20
・al qseerでの地雷除去作業に従事しているヒズボッラーの工兵部隊(ヒズボッラーがここまで本格的な軍事機構を有しているとは知りませんでした)は反政府軍が残して行った地雷の中に、2007〜2008年にヒズボッラーがハマスに供与した地雷が含まれていたと語っている(事実とすればハマスの動向を知る上で極めて重要な情報)
http://www.alquds.co.uk/?p=52261
・ヒズボッラーのシリア介入に抗議してイラン大使館の前でデモをしていた群集とヒズボッラー支持の群集が衝突して、1名死亡、3名が負傷した。
http://www.aljazeera.net/news/pages/ce1de0ce-b018-4106-9bc1-05cc496b23de
・ヨルダン軍は公式に、同国等19国(アラブおよび外国)の兵士8000名が参加しての合同訓練がヨルダン南部および中部で行われると発表した。
訓練は陸上、海上及び航空が参加し、F16も参加し、化学兵器に対する訓練も含んでいるが、シリアに近い北部での訓練はなく、周辺国の問題(シリア内戦)とは無関係であると説明した由。
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2013/06/09/مناورات-الأسد-المتأهب-تنطلق-في-الأردن-وسط-توترات.html