today's zaman net 及び同紙を引用したal arabiya net はイランのトルコにおけるスパイ活動を報じています。
ところがどうしたことか、下記の通り双方のネットの報じるところはずいぶん違います。もしかしたら、トルコ紙そのものはかなり違った報道かも知れません。
但し、仮にtoday's zaman net の報道が正しければ、イランスパイ網はトルコ政府の上層部にも食い込んでいて、エルドアンが警察幹部の大量更迭をしたのは、このスパイスキャンダルが大きな問題となることを防ぐために「蓋をした」ということで、トルコの国益という観点からは重大な問題ではないかという気がします。
尤もエルドアンとは基本的に敵対するtoday's zaman が、エルドアンの大統領就任直前にこのよう記事を掲載するのにも政治的意図がありそうです。
取り敢えず、双方の記事の要点のみ

al arabiya ne
トルコ紙はトルコ当局が「tawheed wa salam ]と名付けられたイランのスパイ網を摘発したと報じている。
このスパイ網はトルコ国防問題に関する情報を収取していたが、NATOのレーダー網に関する情報を集めていた。
トルコ警察の報告書はsafak と称される証人の証言に基づき、2013年3月に854ページにまとめられたものである。
報告書はイラン人及びイランと関係のあるトルコ人が設けた不動産屋などの企業が、レーダーン関する情報を集めていたという。そして、それらの情報は先ずイラン革命防衛隊に送られた。
これら組織はイスタンブールの米総領事館に対するテロを計画し、また同紙の核研究施設に対するスパイも企てた。
警察が発見した情報によれば、彼らはトルコの国防計画について詳しい情報を得ていた。たとえば2008年に始まった戦車開発計画、攻撃ヘリ製造計画、海軍の兵器等である。
また押収した資料には、テヘランからどのような目的のどのような情報が必要かという指示も含まれていた。
このイランスパイ網については2012年トルコ紙が報じたことがあった。
http://www.alarabiya.net/ar/iran/2014/08/25/تركيا-تكشف-شبكة-تجسس-إيرانية-على-أراضيها.html
today's zaman net
トルコにおけるイラン・スパイ組織tawheed wa salam を追跡していたトルコ当局によると、かれらはジョージア(注:ソ連時代はグルジアと呼ばれた)におけるイスラエル外交官に対するテロ(失敗したが)にかかわっていた。
イランの革命防衛隊のアルコドス部隊により、トルコでの任務を与えられた幹部の一人のNaser Ghafari(イスタンブール総領事館で領事特権を享有)が、そのオペラティブにジョージアの首都での偵察を命じた。
彼が支持を与えたのはトルコ人でイランスパイ網のために働いていた男である。
枯れには別のトルコ人から偵察の標的の写真が送られていた。
これらの情報は、2012年ジョージアのイスラエル大使館の現地職員の車の下に爆発物が仕掛けられているのが発見される前に、得られていて、爆発物は爆発前に無事解体された。
警察はまた2011年イスタンブールのイスラエル総領事館を狙ったテロもイランおスパイ網の仕業であることを突き止めた。この爆弾はその前にイラン体制反対者2名を殺害した廉で、刑務所に入っていた(その後恩赦で出獄)男から出ていることが判明したが、彼はアルコドス部隊で訓練を受けている。
検察の記録からすると、このスパイ網はトルコ政府の上層部にまで手を伸ばしていて、エルドアン首相は困惑し、必死でその重要性を無視しようとし、さらには政治的理由から検察、警察の大幅な異動が行われた。
トルコではこのtawheed wa salamはテロ組織に認定されていて、2000年前には多くのメンバーが政治的暗殺等の嫌疑で刑務所に送られている。
どうやら組織のsleeping members(スパイ用語でmoleとも言う)が2008年以降活動するように、支持されたようで、トルコ人メンバーの多くがエルドアン政権で重要なポストを占めていて、エルドアンの頭痛の種であった。
http://www.todayszaman.com/national_iran-backed-group-implicated-in-attack-on-israel-embassy-in-georgia_356730.html