リビア情勢につき、断片的ですが次の通り

・シルト奪還作戦については、昨日もお伝えしたところですが、統一政府軍(その主力はミスラタの民兵の模様)は、市の中心でさらにISに対する包囲網を縮め、これまでISが狙撃の拠点としていたホテル等を占拠したと発表した。
また、これまでの作戦で、政府軍側に300名以上の死者、1300名以上の負傷者が出ている由。

・このシルト奪還作戦とも関連していると思われるが、リビア石油施設警備隊責任者は、これまで封鎖されていた、石油積出港が、3日程度の間に開かれる予定であると語った。
但し、実際の石油の積み出しは、技術的に埠頭の問題点を調査の上、問題のないところから行われるので、何時になるかは不明であるとした由。
この発言は、国連のリビア特使の警備隊訪問後に行われたもので、警備隊は統一政府に対する支持を表明し、石油輸出再開についても政府と合意したよし。
なお、警備隊はリビア東部の主要石油積出港raas laanouf,sidr,zuweitina等を安全上の理由、警備隊、労働者への給料支払い問題等のために閉鎖していた由。
リビアの産油量は、革命後の政情、治安不安等のために激減し、革命前の4分の1にとどまって由
リビア石油庁は産油量を革命前の水準に戻すことを計画しているが、パイプラインその他の施設が損傷されたり、長いこと閉鎖されていた等の理由で、それには相当の時間を要する見込みの由 

・安保理は22日、全会一致で、リビアに残されている化学兵器(確かカッダーフィ政権時代に開発した化学兵器を、革命後南部の砂漠地帯に貯蔵してあったと記憶)を、リビア国外に輸送して、廃棄することを決議した。
決議案は英国の作成になるもので、リビアの化学兵器がIS等過激派の手に落ちないように、リビア外で廃棄することとし、安保理メンバー等の加盟国及び化学兵器禁止機構(シリア政権の保有する化学兵器廃棄でも活躍した国際機構)等に、その輸送及び廃棄を認めるものの由。
全会一致の決議ではあるが、採択後エジプト代表が5点について留保を表明した由。
5点のうち、一つは決議の採択について、安保理メンバー国に本国政府と協議する十分な時間を与えなかったということだが、その他の留保の理由は不明
いずれにしても、上記問題は建前上のもので、エジプトが留保を表明した本当の理由は不明。
(エジプトは確か、トルコクーデター未遂にかんする議長声明に対しても、ケチをつけており、どうも最近の行動パターンは良く解らない)
http://www.alquds.co.uk/?p=569865
http://www.aljazeera.net/news/ebusiness/2016/7/22/ليبيا-تبدأ-فتح-المرافئ-المحاصرة-خلال-أيام
http://www.alquds.co.uk/?p=569849