多くの問題では激しく対立しあうアラブ諸国ですが、ことパレスチナ問題、特にエルサレムの問題となると、イラン等の他のイスラム諸国も巻き込んで、「反イスラム、反アラブ」的政策に、一致して強硬な立場をとることは周知の事実です。
そのエルサレムについては、新しく建設されるべきパレスチナ国家の首都であるべきであるとして、パレスチナ問題の包括的な最終解決の前に、一方的な行為として、その帰属を決めることには強い反対があり、世界の国々が大使館をエルサレムに設けることは、そこがイスラエルのものであるとのイスラエルの主張を認めることになるとして強く反対し、これまでは米国も含めて大部分の国は大使館をエルサレムではなく、テルアビブに置いてきました。
ところが、トランプ大統領は選挙公約として米大使館のエルサレム移転を掲げ、6日にも移転を決定したと発表するのではないか(確かこれまで歴代米政府は、ユダヤ票との関係もあり、移転に公式に反対はしないが、6ヵ月ごとにその決定を延期するという形で、実質的に移転しない政策ををとってきたかと思う)との見方が、米政府府内で流れ、CNN等もそのへんの問題を盛んに報じています。
またアラブメディアも、大統領の娘婿でパレスチナ問題の特使だったと思う、クシュナ氏が、トランプは未だ熟考中であると語ったなどと報じています。
アラブの反応としては、アラブ連盟事務局長が、米政府に対して、その様な一方的措置はパレスチナ和平を壊すものだとして警告したとのことです。
アラブ連盟ではまた、パレスチナ代表の要請に基づき、12月5日に常駐代表レベルの緊急会合を開いてこの問題を協議する由。
また、これまで仲直りをしたとされつつも、未だ種々の問題で和解が進んでいない模様の、PLOとハマスもアッバス議長やハニエ政治局長が、この問題について、民衆が街頭に出てきて抗議することを呼びかけることで合意したとのことです。
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/12/4/عباس-وهنية-يطالبان-بخروج-الجماهير-غضبا-للقدس
http://www.alquds.co.uk/?p=838160
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/american-elections-2016/2017/12/03/كوشنر-ترمب-ما-زال-يدرس-موضوع-نقل-السفارة-للقدس-.html
未だ、トランプの最終決断?がどうなるかは不明ですが、現在元安全保障補佐官だったフリンが、特別検察官と取引をすることが公表され、彼が大統領選挙戦当時からのトランプ陣営とロシアの癒着を認めているのではないかとして、トランプの政治的立場に打撃を与えるのではないかとされている時だけに、とにかく米国の国益よりは自己の政治的利害をすべて優先させるトランプのことですから、米国民の目をくらます意味で、エルサレムの移転を決める公算が強そうな気がします。
勿論政権内部でも国務省やその他には、常識的な意見が多いとは思いますが、トランプ政権では、矢張りトランプが独裁者のようです。
そうなると、パレスチナ西岸やガザのみならず、各地でアラブ大衆の抗議運動が強まり、占領地ではイスラエル兵とパレスチナ人の衝突が予測され、またこの機会にISやアルカイダ等のテロ組織も、米権益や米国人に危害を加えようとする可能性が高いと思います。
まずは、トランプの決定を待つしかありませんが、どうも中東は全面的に不安定な状態を迎えるような気がしています。
そのエルサレムについては、新しく建設されるべきパレスチナ国家の首都であるべきであるとして、パレスチナ問題の包括的な最終解決の前に、一方的な行為として、その帰属を決めることには強い反対があり、世界の国々が大使館をエルサレムに設けることは、そこがイスラエルのものであるとのイスラエルの主張を認めることになるとして強く反対し、これまでは米国も含めて大部分の国は大使館をエルサレムではなく、テルアビブに置いてきました。
ところが、トランプ大統領は選挙公約として米大使館のエルサレム移転を掲げ、6日にも移転を決定したと発表するのではないか(確かこれまで歴代米政府は、ユダヤ票との関係もあり、移転に公式に反対はしないが、6ヵ月ごとにその決定を延期するという形で、実質的に移転しない政策ををとってきたかと思う)との見方が、米政府府内で流れ、CNN等もそのへんの問題を盛んに報じています。
またアラブメディアも、大統領の娘婿でパレスチナ問題の特使だったと思う、クシュナ氏が、トランプは未だ熟考中であると語ったなどと報じています。
アラブの反応としては、アラブ連盟事務局長が、米政府に対して、その様な一方的措置はパレスチナ和平を壊すものだとして警告したとのことです。
アラブ連盟ではまた、パレスチナ代表の要請に基づき、12月5日に常駐代表レベルの緊急会合を開いてこの問題を協議する由。
また、これまで仲直りをしたとされつつも、未だ種々の問題で和解が進んでいない模様の、PLOとハマスもアッバス議長やハニエ政治局長が、この問題について、民衆が街頭に出てきて抗議することを呼びかけることで合意したとのことです。
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/12/4/عباس-وهنية-يطالبان-بخروج-الجماهير-غضبا-للقدس
http://www.alquds.co.uk/?p=838160
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/american-elections-2016/2017/12/03/كوشنر-ترمب-ما-زال-يدرس-موضوع-نقل-السفارة-للقدس-.html
未だ、トランプの最終決断?がどうなるかは不明ですが、現在元安全保障補佐官だったフリンが、特別検察官と取引をすることが公表され、彼が大統領選挙戦当時からのトランプ陣営とロシアの癒着を認めているのではないかとして、トランプの政治的立場に打撃を与えるのではないかとされている時だけに、とにかく米国の国益よりは自己の政治的利害をすべて優先させるトランプのことですから、米国民の目をくらます意味で、エルサレムの移転を決める公算が強そうな気がします。
勿論政権内部でも国務省やその他には、常識的な意見が多いとは思いますが、トランプ政権では、矢張りトランプが独裁者のようです。
そうなると、パレスチナ西岸やガザのみならず、各地でアラブ大衆の抗議運動が強まり、占領地ではイスラエル兵とパレスチナ人の衝突が予測され、またこの機会にISやアルカイダ等のテロ組織も、米権益や米国人に危害を加えようとする可能性が高いと思います。
まずは、トランプの決定を待つしかありませんが、どうも中東は全面的に不安定な状態を迎えるような気がしています。
エコノミスト誌に、トランプの中東 (Middle East)政策を「トランプの Muddle East」 と揶揄する題名で批判する記事が出ていました。選挙中にシーシとねんごろな会談をし、当選後に最初に祝電をもらったとされるエジプトに対して、一方的に援助を削減し、それをエジプト政府に説明する大使館員が「本国から何の説明もなく、どうエジプト側に伝えたらよいかわからぬ」と当惑していたという話から、4月にシリア政府が化学兵器を使用したことを捉えて空軍基地をミサイル攻撃した後は、まったくシリアに関心を示していないこと、さらにイエメンの情勢についても一言も発言していないこと、サウジのカタール断交や国内の汚職キャンペーンに対して、国務省の事務当局の慎重論を抑えて歓迎の意を表したことなどを上げつつ、トランプが中東で何をしようとしているのか理解できないと批判しています。
先般のアジア訪問を見ると、日本、韓国、中国でのスピーチは事務当局が練り上げたもののようで、それぞれの国が喜びそうな賛辞を織り込んだ文句のつけようのないものだったと言えますが、記者会見などになると「もっと米国製品、特に武器を買え」と強調するなど、商売にしか関心がないかの印象でした。それを考えると、トランプには直近の利害にしか目が向いておらず、エルサレムへの大使館移転を承認するのではないでしょうか。