アラビア語メディア及びy net news は、サウディ皇太子が、イランが核兵器を開発すれば、サウディも核開発を行うであろうと発言しとと報じ、y net newsは、中東における核競争の恐れが高まったとコメントしています。

これは、訪米を前に、サウディ皇太子が米CBSとのインタビューで、イランが核兵器を獲得すれば、サウディとしてはできれば避けたいが、早急に核兵器を獲得することになろうと語ったことに関する報道です。
特にy net news はこの発言は、東芝の所有するウェスチングハウス を含むコンソーシャムの、原子力発電所に対する入札にも影響する可能性があるとして、米国はこれまで米国の会社の外国への原子力関係技術移転は、その国が自国でウラン濃縮を行わないとの合意を結んだ場合のみ行うこととしてきたとコメントしています。
また同ネットは、サウディは13日、その核開発は国際条約に基づく平和的なものに限るとの、国家政策を決定しているともコメントしています

また発言の中で、皇太子はイランのハメネイ最高指導者をヒットラーになぞらえて、現在のイランはww2の初期のナチスのように、周辺国を征服しようとしていると語ったとのことです
(この点ついては、イラン外務省の報道官が、発言は頭の弱いうそつきのもので、真面目に取り上げる要はないと一蹴した由)
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5169724,00.html
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/3/15/ابن-سلمان-يشبه-خامنئي-بهتلر-وطهران-ترد
http://www.alquds.co.uk/?p=898092
上記皇太子の発言に関し、これまでも、サウディはイランが核を持てば自国も核開発を進めるであろうとの見方が強く(サウディの核開発については、パキスタンの核開発の資金はサウディが相当分負担しており、サウディが核開発をする場合には、パキスタンが協力するであろうとの見方もあったと思う)、特に目新しいことではない、かもしれませんが、何しろことは独裁的権限を集めつつある皇太子が、米TBとのインタビューで公言しただけに、大きな影響があると思います。
もっとも、常識的に考えれば、この発言は、今具体的に核開発を検討しているというよりは、訪米を前に、トランプに対してイランの核問題について、より強硬な政策をとることを求めるシグナルの性格が強いと思います。

他方、イスラエルがイランの核開発について、自分のことを棚に上げて、激しく非難するのも、極めて自分勝手な言い分でしょう。
何しろイランの核開発努力は、基本的にイスラエルの核の脅威に対抗したものと見られているからです。
勿論イスラエルは核兵器を保有しているか否かについては、コメントしない政策をとっていますが、世界でイスラエルが核を持っていないと考えているお人良しはいないでしょう。
一般的にイスラエルは80発程度の核爆弾を保有しているとされているようです。