トランプ大統領が、「米軍はごく近く」シリアから撤退すると発言した事は先に報告しましたが、どうやらこの問題は米政権内、サウディ等で既に問題となっているにかかわらず、トランプはその方向で動き出した感じがします。
関連の情報、取りまとめ次の通り

・トランプは、米国の2億ドル以上のシリア再建資金の凍結を命じた。
これはwall street journal  が30日報じるところで、トランプがメディアで米国がシリアの再建援助に参加する計画であるとの記事を見て、国務省に命じたものの由。

・他方、al qods al arabi net は、ロイターを引用して、トランプ政権の高官2名(氏名不詳)が、トランプが近くシリアから撤退すると彼の顧問たちに伝えたと報じている。
それによると、オハイオにおけるトランプの発言は、政権内部における、この問題の検討を反映したもので、政権としてはまだ決定はしていない由
トランプは、ISがほぼ制圧されたのであれば、その後の治安回復等は地域の国々に任せて、米国は自国のことに遷延すればよいと考えているが、安全保障補佐官たちは、限定的な数の米軍は今後少なくとも2年はシリアにとどまるべきだとトランプに伝えた由。

・訪米中のサウディ皇太子は、time誌に対して、シリアがこれ以上イランの衛星になることを防ぐためにも、米軍はシリアにとどまるべきで、アサド政権をと明日必要はないが、アサドはこれ以上イランの操り人形になるべきではないと語った由。
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/3/30/ابن-سلمان-الأسد-باق-وعلى-الأميركيين-عدم-الانسحاب
http://www.alquds.co.uk/?p=907430
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2018/03/31/ترمب-يجمد-تمويل-الجهود-الأميركية-في-سوريا.html

今後トランプがその撤退意思を実行するか否か注目すべきではあるが、america first を掲げて、米国は世界の問題で重荷を負うべきではなく、自国のことに遷延すべしとしてきた、彼の考えからすれば、米軍の撤退は十分あり得る選択かと思われる。
問題は米軍が撤退した後のシリアでは、イランとロシアの影響力がさらに、というか決定的に大きくなることで、それが米国の利益になるのか、イスラエルの立場もあり、その様な状況が中東全域を紛争に巻き込み、米国としてかえって巨額の戦費を払うことにならないか、ということではないかという気がします。
勿論サウディ皇太子の見方も狭く、アサドはイラン、ロシア、特にイランの庇護がない限り存続できない存在で、アサドが存続するということはイランお影響力が拡大するということだという点を見逃しているように思われます。