トルコによるロシア地対空ミサイルS400の購入問題、F35のトルコへの売却問題、米神父のトルコでの交流問題等で、NATOの同盟国のトルコと米国の関係は極めて緊張していましたが、ここにきてさらに悪化し、トルコのエルドアン大統領は(米国が)トルコに対して経済戦争を仕掛けていると発言するまでに至りました。

その直接のきっかけはトルコ・リラの暴落のようで、米国との関係悪化等を背景に本年既に、対ドル等でその通貨価値の3分の1を失っていた、リラは1日で15%を失い、10日には対ドル6・5リラと歴史的な低値を付けた模様です。
その背景として、トランプがツイッターで、トルコからの鉱物輸入に対する関税を大幅値上げすると書き込み、アルミニュームに対しては20%の関税、鉄鋼に対しては50%の関税をかけるとしたことがあるとのことです。
このためトルコ各地の銀行では、トルコリラからドルまたはユーロに換金する動きや、ドル等外貨を大量に引き出す動きが広がり、銀行によってはこれに対応できないところも生じた由

これに対してエルドアンは、国民に対して、トルコはこのような圧力には絶対に屈しないとして、ドルやユーロや金を保有している国民に対して、トルコリラを購入するように呼びかけた由。
(これを報じるアラビア語メディアも、このような対応は傷に包帯をする程度のもので、トルコ国民、特に産業等に投資しているトルコ人、外国人お間には警戒心が強まっていると報じています)
また、このような状況お背景にエルドアンはプーチン・ロシア大統領と電話会談をし、ロシア外務省は両首脳がエネルギー等の分野での両国間協力の進展を評価し、さらに積極的な進展を図るとしたとし、トルコ側も経済的な協力と合わせて、軍事面での協力での協力の重要性も指摘したとのことです。
またトルコの野党も政府を支持し、米国の圧力には屈しないと声明した由
他方トルコ外務省等は、トルコ政府は貿易問題については世界貿易機構WTOの原則と規則に従って行動しており、他の国も(要するに米国も)国際約束と規則に従って行動することを期待していると声明した由
https://www.alarabiya.net/ar/aswaq/2018/08/10/لماذا-انهارت-الليرة-التركية-بعد-خطاب-أردوغان؟.html
http://www.alquds.co.uk/?p=992433
http://www.aljazeera.net/news/ebusiness/2018/8/10/أردوغان-إذا-كان-لديهم-الدولار-فلنا-ربنا-وشعبنا

取り敢えずのところ以上で、当面はトルコリラがさらに下落を続けるのかが注目されますが、やはり米国は腐っても鯛で、大統領のツイっトだけで、中東の主要国の通貨を暴落させるのですから、流石なものです。
これで中東で米国[トランプ)の怒りを買って自国通貨が大暴落した国はイランに次いでトルコとなりましたが(尤もイランの天文学的暴落に比せば、トルコはまだまだましだが)こんな風にして、自国の同盟国の経済に圧力を加えていくことは、今後米国が中東の安定を進めていくうえで大きな足かせにになるような気がします。
それにしても米国の措置に対して、プーチンとエルドアンが電話協議をして、両国の協力関係を増資させるとするところなど、不真面目に考えれば、漫画チックな光景でしょうかね