内外のメディアはブッシュ(父)元大統領が94歳で死亡したと報じています。

彼の死亡が、現在の中東情勢に大きな影響を与えるわけではありませんが、現在の米大統領トランプと比較すると(どちらも共和党の大統領だが)、米国もここまで落ちてきたかという感慨を禁じえません。
当方米政治をフォローしている訳ではないので、偏った見方になると思いますが、ブッシュと中東の関係と言えば、矢張り湾岸戦争ということになり、その時の米国の対応というか政策と現在のトランプのやり方が、これが同じ国のやることか?と呆れるくらいに違っています。

湾岸戦争と言っても、だんだん歴史の中の出来事になっていきますが、イラクのサッダム・フセインが隣国のクウェイトを占領、併合したことに対して、米国が中心となって国連決議を基に多国籍軍を組織し、クウェイトからのイラク軍の撤退を実現した事件です。
この事件では、ブッシュは国連を巧みに使い、欧州からその他の世界のみならず、アラブ世界も味方につけて世界の多くの国からなる大連合を組織し、安保理の授権を得た多国籍軍を組織して、イラクを追い払ったものです。
その間、当時まだ存在していたソ連(長年のイラクの同盟国)をも外交的に説得し、その拒否権行使を阻止して、ww2後の国連の理念である(真の意味での)集団安全保障を実行したものでした。
更にサッダムが、イスラエルやサウディ、バハレン等ににミサイルを撃ち込んで、特にイスラエルの反撃を引き出して、多国籍軍の結束を崩そうとしたのを、イスラエルにパトリオットを配備することで、阻止したのも彼でした。
当時イエメンに居た私も、戦争中にUAEやバハレン等に出張し、特にバハレンではアルゼンチン等の南米からの駆逐艦などが停泊しているのを見て、多国籍軍の広がりを実感したものです。

要するにある意味では多国間主義の見本とも呼ぶべき政策で、米国の指導力を背景に、国連を中心にして世界を「武力による他国の併合、侵略」を許さないという国際法を守る立場を明らかにし、これを実行したものです。

これをamerica first と声高に叫び、国連はもとより、西欧諸国等の同盟国と事あるごとに敵対し、通商政策、環境政策等で、米国、というよりは自己の都合だけを優先させる一国主義をとり、あまつさえプーチンやサウディ皇太子などと言う独裁者を最重要視し、国際法など完全に無視するトランプ政策と比べると、余りの格差の大きさに愕然とするくらいです。
何度かこのブログでも書いたかと思いますが、中東地域は、米国の影響力と実行力に最も大きく影響されてきた地域ですから、もしかするとトランプ政策の最大の犠牲者の一人は中東であるかも知れません。
尤も通商政策、環境政策などを考えると、被害者は世界というか地球全体かもしれません
直接中東とは関係のない話かもしれませんが、感じるところがあったので、取りあえず
https://www.bbc.com/news/world-us-canada-46410225