中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

スーダン

スーダン大統領のエジプト非難

スーダンとエジプトの関係は歴史的なこともあり、また国境沿いの領土をめぐっての対立もあり、かなり複雑ですが、al jazeera net は湾岸訪問中のバシール大統領(確か彼はダルフールでの虐殺等の容疑で、国際刑事裁判所に訴追されていて、アラブとアフリカ諸国以外には旅行できない…訪問すると逮捕される可能性がある…状況にあるはずです)が、スーダンメディアの編集長たちに対して、エジプトの南スーダン援助を非難したと報じています。
それによると、エジプトは南スーダンに介入はしていないが、同政府(ほぼ内戦中の南スーダンの大統領バキール派のほうだと思われる)に対いて、武器弾薬の援助をしていると非難したよし。
そのほかバシールは、エジプトの組織(名前は挙げなかったが、情報機関と思われる由)がスーダン内の政府に反対する勢力と協力していると非難し、またスーダンと米国との関係改善を阻害しているとも非難した由。
al jazeera net は両国は国境地帯のal haraib 地域の領有をめぐって対立しているとコメントしています
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/2/22/البشير-يتهم-القاهرة-بدعم-جوبا-بالسلاح-والذخائر
上記バシールのエジプト非難の根拠については不明ですが、わが国でほとんど関心がないエジプトースーダン関係を描いたのは、仮に南スーダンに対する武器弾薬の援助が事実であれば、わが自衛隊の活動する南スーダンの治安にも関係することなので、一応書いておきました。




























政府の経済政策に対する抗議(スーダン)

先日はエジプトが通貨をフロートし、ガソリン等を値上げしたために、民衆の不満が高まっているという話を報告国しましたが、今度はスーダンです。
スーダンでも通貨をフロートし、ガソリン等の価格を値上げしたとのことですが、記事を読んでみると、フローとされた通貨取引は、、医薬品に関わるもの、航空機切符、外国人居住者等に係るものとなっているので、いわゆる完全自由化の意味でのフロートではなさそうです
(ということはスーダンには今でも複数の為替レートがあるのでしょうね?)
これでこれらの取引にかかわるレートは、公定レートの、対ドル1対6・86ポンドが15・8ポンドになる由。
また電力及びガソリン等も値上げされ、ガソリンの場合1リットル当たり4・67ポンドであったのが6・17ポンドになり、平均32%の値上げになる由。
このような値上げに対しては民衆の間で不満の声が上がっているが、財務大臣は、スーダンにとって経済改革は避けられない道で、いかなる反対があっても、やり遂げると声明したよし。
また政府は、そのような不満が暴動等に発展することを恐れて、警官や軍を4日から首都の全てのガソリンスタンド等に配置し、警戒態勢を強めている由
http://www.aljazeera.net/news/ebusiness/2016/11/5/انتقادات-لزيادة-أسعار-المحروقات-وتحرير-الدولار-بالسودان
スーダンについては、これまでも中東全般の政治的、軍事的な状況にあまりかかわりあっていなかったこともあって、全くフォローしていないが、南スーダンが分離し、そのドル箱であった石油収入を失ったはず(確かスーダンは南スーダンに編入された油田から、スーダンの紅海沿岸ポートスーダンまでの輸送管を通る石油から、輸送量等の収入を得るはずだったと記憶しているも、あの南スーダンの状況では、石油の輸出もほとんど止まっているのではないかと想像しています)で、経済的には極めて厳しい状況にあったことは間違いないと思います。
個々もエジプト同様、今後要注意の国でしょうか?

エジプトの領土問題(対スーダン)

アカバ湾の出口にある2島の領有権問題で、エジプトがこれら2島はサウディ領であると合意したことに関して、領土問題は難しい問題だと書きましたが、エジプト国内で15日にはすでに「自国領の売り渡し反対」のデモがかなり広範囲広がって居ましたが、今度はスーダンとの関係です。
スーダンはエジプトとの間で紅海に面する小さなhalaib三角地帯の領土問題を抱えて、1958根により安保理に訴えてきた模様です(ということはエジプトが実効支配していると思われる)が、今般のエジプト・サウディ合意を受けて、スーダン外務省は17日声明を出して、このhalaib-shalateen 三角地帯について、エジプト・サウディ交渉に倣って直接交渉するか、タバ問題(シナイ半島にあり、イスラエルーエジプトの平和条約の時に、領有権問題でもめた)の時に倣って国際調停等で解決すべきであると主張したとのことです。
これに対して、エジプト外務省の報道官はこの三角地帯はエジプト領である、と答えてそれ以上のコメントはないとした由。
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/4/17/السودان-يدعو-مصر-للتفاوض-بشأن-حلايب-وشلاتين
http://www.alquds.co.uk/?p=517907
この問題、当然ながら日本ではだれも関心を有さない小さな地域の問題ですが(これに反してアカバ湾の島は、場合によっては国際政治上の重要問題となり得る)、領土問題というのが、いかに厄介な問題かという例までに・・・・

ダルフール紛争の再発

これはある意味で忘れられていた紛争の典型でしょうか。最近の中東ではシリア、イラク、イエメンの内戦やISの大規模テロ、無数の難民のの欧州への流入等のニュースで、すっかりニュース面から姿を消していましたが、スーダンのダルフールの悲劇はまだ続いていました。

アラビア語メディアは、スーダンの西部のダルフールで、この1月以来スーダン軍とダルフール解放戦線との間の紛争が再発し、国連PKO担当官は安保理あての報告で、3月末日には、10万3000名の難民が生じているとした報じています。
同担当官によれば、紛争が特に激しいのは、ダルフール中部の東北部の山岳地帯のmurra山で、人道援助組織によると難民の数は13万8000名に上る由。
ダルフールには国連とアフリカ連合の合同のPKO(UNAMID)が配置されているが、スーダン政府の移動制限等のため現地に派遣できないでいる由
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/4/6/130-ألف-نازح-بمعارك-دارفور-منذ-مطلع-العام
http://www.alquds.co.uk/?p=558603
ダルフール紛争は基本的に、スーダンの西部のダルフール地域をめぐり、その民族自決権を求める主として黒人系の反政府組織とスーダン政府軍との戦いで、そもそもはスーダンの独立以来の紛争の様であるが、特に2003年以降は、特にスーダン政府軍の庇護下のアラブ民兵(ジャンジャウィード)の地元民に対する攻撃が激しくなり、国際的にジェノサイド(民族浄化)として、大きな人道問題となったものである。
このため多数の民衆が殺され(数字はスーダン政府の1万から数十万まである模様)、多数の女性がレイプされ、また難民が400万人も発生したといわれている。
このため、国連はアフリカ連合との共同でのPKOを派遣し、その規模も拡大されてきた。
また、この間2009年には国際刑事裁判所ICCが、スーダンの大統領バシールに対して、人道に対する罪等の罪名で逮捕状を発出しました。このためバシールは、アラブやアフリカの一部の国で、ICCの逮捕状を実行しようとしない国以外へは旅行できない状態が続いています。
なお、その後2010年と2013年ンはスーダン政府と主要反政府グループとの間に停戦協定が結ばれ、戦闘は下火になっていました…ということで国際的関心も低くなっていました。
それがここにきて、また紛争が再開という過激化した背景は良く解りません。
もう少し詳しい事情が分かったら、また書きますが、取りあえず

リビア情勢

リビアに関して取りまとめたところ次の通りですが、リビアでも政治解決の道は険しく、むしろ武力衝突勢いを増している感じもします。

・統一政府閣僚名簿を書き直していた大統領評議会は、トブルク議会から与えられた期限(10日)では、さらに交渉と内部の協議が必要だとして、期限の延長を求めた。
(確か32名からなる新内閣(統一政府とされているが)名簿がトブルク議会で否決され、(何故かは知らないが)またモロッコのラバト近くのホテルで、新しい名簿つくりをしていた、大統領評議会は12名の名簿に合意したとか、13名だとかの報道が流れていて、特に問題は国防相ポストの問題であるとされてきましたが、矢張りリビアの問題はきちんと決まってからでないと(時にはきちんと決まってからも!!)何か書くのは危険ですね)
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/2/8/مجلس-الرئاسة-الليبي-يطلب-إمهاله-لتشكيل-الحكومة
・現地情勢の方では、リビア軍(トブルク軍)は、ISとansar alsharia がリビア最東端の町ダルナ周辺で戦って入りところで、ISを空爆したと発表しました。
但し、戦果やIS側の損失は不明。
その際MIG231機が、故障で墜落したとのことです。
しかるに、ansar al sharia は、動機を撃墜したのは自分たちだと発表した由
(もしかしたら、間違ってISではなくansar alsharia の陣地を攻撃して、撃墜された可能性もあろう。やれやれ!!)
http://www.alarabiya.net/ar/north-africa/libya/2016/02/09/ليبيا-أنصار-الشريعة-يتبنى-إسقاط-طائرة-في-درنة.html
http://www.alarabiya.net/ar/north-africa/libya/2016/02/08/الجيش-الليبي-يشن-غارات-على-داعش-في-درنة-.html
・さらにリビア南端でスーダンと隣接するクフラ県の現地軍司令部は、スーダンのダルフール地方から侵攻してきて、クフラ市を占拠しようとした武装勢力を撃退したと発表しました。
この武装勢力(おそらくはダルフールの反政府勢力の一つか?)は一時同市を占拠していたが、軍が先週追い払っていた由。
軍はチャド、エジプト軍等と連絡しつつ、スーダン政府と連絡し、ダルフールの武装勢力が浸透しないようにしている由。
また軍司令部からの命令を待って、国境地帯まで進出して、スーダンからの浸透を防止する方針仕の由
またダルフールの武装勢力と、トリポリ議会勢力の間に協力関係がある可能性は否定できないとしている由。
(確かダルフール内戦華やかなりしころはリビアの関与が問題とされてきたところ、最近はダルフール問題も話題にならなくなっているが、まだくすぶっていたのですね。たしかこれまでもリビア問題に対するスーダンの関与が時々問題とされてきましたが、ダルフール問題との関連があったとは、最近ダルフールの話が全く出てこないこともあり、すっかり失念していました。中東の問題はどこかでつながってことが多く、その辺お関係をうっかりすると忘れて頓珍漢なことを書いてしまう可能性が常にあります)
http://www.alarabiya.net/ar/north-africa/libya/2016/02/08/الجيش-الليبي-يصد-هجوما-مسلحاً-قادم-من-دارفور-.html
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