中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

中国

中国・サウディ海軍の合同訓練

訓練の参加艦艇等の規模が不明なので、どのくらい重要な動きか判断しかねますが、al sharq al awsat netは、サウディ海軍と中国海軍が海賊対策及び両者の協力の強化のための合同訓練を行ったと報じています。

記事によるとこの訓練は「青い剣 2019」と名付けられ、サウディの西部海域海軍の特殊部隊と中国海軍特殊部隊が参加して、ジェッダ沖(紅海)で行われたとのことです。


そのために、この合同訓練がどの程度重要なものかは判断しかねますが、何しろ中国軍(含む海軍)と中東諸国の合同訓練などと言うニュースはあまり聞かないし、矢張り中国の「一帯一路」政策の具体化の一つか?と気になったので、ご参考まで。

リビアの中国ドローン売却に関する調査要求

中東では方々で、域外国からの武器売却が大きな問題となっていますが(トルコ、イエメン、イラク、エジプト、リビア、サウディ、UAE等に対し)、これまで中国の名前はあまり出てきませんでした。

確か中国もかなりせっせと武器輸出に励んでいるはずですから??そんなはずはないな、と思っていましたら、矢張り中国の名前も出てきました。

al qods al arabi net は、リビア外務省(統一政府側)が16日、在リビアの中国の臨時代理大使(大使は不在の模様)を招致し、中国のUAEに対するドローンの売却に関し調査を要求したと報じています。

外務省の発表によると、リビアは中国がUAEに対して売却したドローンが、トリポリ等の民間人攻撃に使われた事件についての調査を要求し、これは対リビア武器禁輸に関する安保理決議違反であると指摘した由。

これに対し、中国側は、安保理の常任理事国として、中国はその決議の厳正な実施に努めていると答えた由(多分そう言うでしょうね!!調査の結果もUAEは中国の契約を守って、リビアで中国製のドローンは使っていないと回答してきたということになるのでしょうね。)
取りあえず。

ウイグル族のアルカイダとISへの参戦

これまでもシリア等で、中国のウイグル人がアルカイダやISに参加しているという話は流れてきていますが、y net news は数千人のウイグル人が過激派に交じって戦っていると報じています。
記事によると、イスラエル筋によれば3000名がシャム・ファタハ戦線(旧名ヌスラ戦線でアルカイダ系)に参加し、500名がISに参加している由。
他方、中国筋によると5000名がシリアの農村に住み着き、過激派の拠点を固守しようとしている由。
記事は中国はウイグル人の過激派への参加を危惧して、国境警備や彼らの出国を厳しく取り締まっているが、それでもすでに数万人が外国に流出したよし。

中国としては、これまでシリア問題には基本的に大きな関心を示さなかったものの、このように大量のウイグル人がシリア島で参戦しているので、、彼らが将来中国へ帰ってくると、治安上大きな問題となるとして、現地で消すeliminateする必要があるとして、アサド政権に近づいている由。
特にロシアの参戦以降、アサド政権が安定化してきたとして、情報等の分野での協力関係を深めている由。
ただし、消息筋は、これらウイグル人の中国にとっての真の脅威は、中国に帰国してからではなく、彼らが海外で中国の権益を狙うことであろうとしている
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4941411,00.html
これまで中東以外からの過激派への参戦といえば欧州、ロシアのチェチェン等が注目されていましたが、中国のウイグル人がこれほど多数参戦しているとは思いませんでした。












イスラム国軍事同盟(中国の積極的評価)

サウディ系のal atabiya net は、中国がサウディの主導した、イスラム諸国の対テロ軍事同盟を高く評価し、中国としての協力姿勢を示したと報じています。
これは、NYでシリア問題に関する国際会議が開かれた際に、中国とサウディの外相が会議した時の中国の反応について、サウディ外相が記者会見で紹介したものの由。
それによると、中国外相は軍事同盟設立に関するサウディのイニシアティブを高く評価し、これと協力したいとの中国の姿勢を示したとのことです。
他方、中国外相は、中国外相は、すべての分野におけるサウディとの関係強化への願望を表明したとのことです。
http://www.alarabiya.net/ar/saudi-today/2015/12/19/الصين-تعلن-عن-رغبتها-في-التعاون-مع-التحالف-الإسلامي.html
短い記事で、両者の会談で、どこまで突っ込んだ話があったのか不明で、もしかすると中国外相は、対テロ闘争におけるサウディの努力を評価しているという程度の話であった可能性もありますが、とにかく報道のまま
もっとも、新疆におけるウイグル問題を抱えている中国としても、イスラム諸国による対テロ軍事同盟が、その問題についても良い方向に左右すると考えている可能性があると思います。

トルコ・中国関係

ウイグル問題に関係したトルコでの騒擾については、2度ほどお伝えしましたが、どうやらトルコ政府は事態の鎮静化に躍起の様です。
トルコとしても、経済大国中国との関係緊密化に努めている時に、この問題で騒ぎが大きくなったり、対外イメージが下がることは避けたいところでしょう。

エルドアン大統領は、外国大使とのイフタールの席上、ウイグル人に対しトルコ人が民族的、宗教駅に同胞意識を有するのは当然だが、最近のトルコの反応は誇大な報道に影響された可能性が強いとして、自重を求めるとともに、このような報道がされたのが、大統領の中国訪問直前であることに意図的なものを感じると述べた。

又暫定首相も、ウイグル問題で挑発に載って、外国公館(タイ総領事館、なおタイ大使館及び総領事館は10日一時j閉鎖された)を襲ったり、外国人観光客は国の客でこれを襲うべきではない(東アジアの女性観光客が9日アンカラで襲われた模様。国籍やけがの有無等は不明)と語った。
http://www.hurriyetdailynews.com/reports-on-chinese-practices-in-xinjiang-largely-inaccurate-says-turkeys-erdogan.aspx?pageID=238&nID=85247&NewsCatID=510
http://www.todayszaman.com/anasayfa_davutoglu-warns-against-provocations-in-pro-uighur-protests_393371.html
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