中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

サウジアラビア

アフワズ事件の余震

アフワズでの軍事パレード襲撃事件は、今後のイランの対応如何では、イランと湾岸諸国(特にサウディとUAE)との紛争につながる可能性を見せてきました。
アラビア語メディアから取りまとめたところ。

・最高指導者ハメネイは、彼のネットで、この事件はイランを弱体化させる米政策の一環で、湾岸地域における米国の同盟国の仕業であるとした由。
またイラン軍は湾岸の2国(サウディとUAEが攻撃を仕掛けたとして報復を誓った由。

・具体的にはISとアフワズのアラブ系過激グループの「アフワズ解放アラブ闘争運動」の2つのグループが反抗を声明したが、革命防衛隊報道官はISの関与を否定した由。
他方「アフワズ解放…運動」については、このグループはこれまでもサウディが支援し、訓練、資金武器供与等で援助してきた過激派であるとして、その関与を疑っている由。
治安専門家によれば、フゼスタンの多くの場所で武器は容易に入手でき、過激グループの温床となってきて、それをサウディが支援してきたが、IS関与の主張は、捜査の目をくらませるためであろうとしている由。

・他方アブダビ皇太子の顧問とされる学者が、自分のネットで、軍事目標に対する攻撃はテロではない」と主張したことに対して、イラン軍及び革命防衛隊では怒りが起きていて、この主張どおりであれば、UAEの軍事基地に対する攻撃もテロではない、として報復の可能性を示唆している由。

・(他方、犯人4人のうち1名は逮捕されたと伝えられたところ、どうやら4人とも射殺された模様のところ)
ロウハニ大統領はイラン軍は犯人のグループを探し出して、必ず報復すると語った由。
また革命防衛隊及びアフワズの当局は、当日安全確保の隙間があったことを認め、同州内にあるテロの細胞を摘発し、犯人グループを突き止め、報復すると誓った由。
取りあえずは以上で、今後の動きは、基本的にイラン(特に革命防衛隊等)が、どのような判断をするかではないかと思われるところ、仮に彼らがサウディが「陰謀の本拠」であるとして何らかの報復を考える場合には、これまでもサウディ内少数派の居住する東部州等で多くのテロ事件が起きていることからも(尤もその多くは少数派を襲撃して住民間の対立を激化させようとするIS等の行為と見られているが)、そのつもりになればサウディ内でテロ等の問題を惹起する手段は持ち合わせていると思われます。
更にはサウディの裏庭のイエメンでのhothyグループ支援をさらに拡大する手もあろう。

湾岸に関しては、これまでも湾岸諸国自身が、イラン情報局の手先のテログループが多数潜伏し、テロ活動やスパイ活動を行っていると主張してきており、その通りであれば、イランとしては報復の手段はかなり持ち合わせているように思われます。

イランに対するテロとなると、イランは反射行動的に、米国とイスラエルのモサドの仕業と考える傾向があり、今回も当初その様な反応が見られたが、その後どうやら矛先はサウディとUAEの方に向いているように思われます。

ホデイダの戦い(イエメン)

イエメンの戦いは、忘れられた戦いなどと言われていますが、政府軍とアラブ連合のホデイダ攻略戦は、昨日報告の通り、再開され、al arabiya net によると、最近ホデイダ向けに重火器等を備えた大量の増援部隊が送り込まれ、市の東部(ということは海岸平野でモカに通じる道路か?)や、海岸通りで、激しい戦闘が続き、またこれらの個所や市内の重要拠点に対する、アラブ連合の空爆が激しく行われている由。

さらにイエメン北端のサアダ県(hothyグループの本拠地)でも政府軍が前進を続け、abdel malik al hohty(グループン指導者)の居所及び、このグループを創始した彼の父親の廟に接近したとのことで、過去10日間のサアダの戦いでhothy戦士1,300名が戦死したとのことです。

何しろ大本営発表的なalarabiya (サウディ系)の報道ですから、戦火のほどは、甚だ疑問ですが、ホデイダとその周辺で激しい戦闘が続いていることは事実のようで、北部イエメンへの最重要港であるホデイダの機能がマヒして、イエメンの人道危機がますます深刻化していることが懸念されます。

イエメン漁民の死(ホデイダ)

アラブ連合の支援を受けた政府軍等が、西部地域の最重要港ホデイダ攻撃を再開したことは先に報告した通りですが、攻撃された目標になかに海軍学校も含まれていた模様です。

それと、何らかの関連がありそうなのが、al jazeera net の伝える、イエメン漁民の死です。
記事によると、18名の乗った小舟艇(漁船)が、ホデイダの近くの海で、アラブ連合により攻撃され、彼らが死亡したとのことです。

それ以上の詳細は不明ですが、おそらくアラブ連合空軍にhothy海軍の舟艇と見間違われて、攻撃されたのではないでしょうか?
何しろアラブ連合空軍が誤認爆撃は得意ですから。

ホデイダ攻略戦の再開

アラビア語メディアはいずれも、サウディ等アラブ連合軍が政府軍を支援して、ホデイダ攻略戦を再開したと報じています。

それによると、アラブ連合軍は、海軍学校を含むホデイダの複数個所、特に要塞化された拠点を激しく空爆しているとのことで、政府軍等は、複数方面からホデイダの攻略を進めていて、またアラブ連合軍の海上部隊も攻撃に参加(艦砲射撃か?)している由。

一部の報道は、アラブ連合軍のホデイダ地域司令官が、今回の攻撃は前例のない激しいものだと語ったと報じています。

いずれにしても、ホデイダ攻略戦は確か7月に始められ、ホデイダ空港を占拠し、サナアとの道路も切断したと報じられて以来、ぱたりと報道が無くなるというイエメン内戦に相応しい?不思議な戦闘で(通常の戦闘では、特に絶対的な航空優勢を有している方が、空港等の戦略拠点を奪取したら、その勢いをかって、一気に攻略を進めるのが普通と思われる。2ヵ月も無為に過ごすことは、その間hothy軍の要塞化に時間を貸したようなもの!もしかしたら、報道とは違って、政府軍等の人的損失が非常に大きく、戦闘を続けられなかった可能性がある)、今回も「前例のない」激しい空爆で、、どのくらい攻略を進められるのか、疑問だが、報道のまま。

エチオピア・エリトリア友好条約の締結

エリトリアと言えば、長年エチオピアからの独立を求め、紛争が続いてきましたが、確か1993年ww後のアフリカで最初に分離独立を認められた国として独立しました(それまではアフリカ統一機構でも、西欧植民地主義者がかってに引いた国境線の変更をいったん認め出すと、アフリカの安定が損なわれるとして、分離独立には一切反対してきた。その次の分離独立がスーダンからの南スーダンの独立だったと思います)
それにもかかわらず、その後も両国間では国境地帯等を巡り、紛争が絶えず、確か国連PKOも展開していたかと思います。

その両国が要約のこと和解し、ことし戦争状態の終結、外交関係の再開等で合意したことは方々で報じられていました。
その背景等の詳しい事情も知らないために、あえて報告しませんでしたが、al arabiya net によれば、16日サウディでサウディ国王隣席の下で、両国大統領間で友好条約が署名されたとのことです。
署名式には国連事務総長も出席したとのことですから、かなり重要な事件かとも思いましたが、その他の外国からの出席者は例のUAE、の外相位の模様で、どうやらサウディとしては、イエメン介入で落ちたイメージを回復するために仕組んだ舞台に、箔付けのために事務総長のご臨席を要望したということのようです
サウディとしては精々その見返りとして国連への拠出金を増額したりしたのでしょうかね?
https://www.alarabiya.net/ar/saudi-today/2018/09/16/الملك-سلمان-يرعى-اتفاقية-السلام-بين-إريتريا-وإثيوبيا.html


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